夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『探偵はBARにいる』

2011年09月16日 | 映画(た行)
『探偵はBARにいる』
監督:橋本一
出演:大泉洋,松田龍平,小雪,西田敏行,田口トモロヲ,波岡一喜,
   竹下景子,石橋蓮司,松重豊,高嶋政伸,マギー,安藤玉恵他

前述の『あしたのパスタはアルデンテ』を観たあと、
ひとりランチでお酒もかっ喰らい、ちょい酔っぱらい状態で本作を観に。
退屈な作品ならば居眠りするおそれがありましたが、眠気は襲来せず。

原作は、札幌在住の作家、東直己の“ススキノ探偵シリーズ”の第2作、
『バーにかかってきた電話』なのだそうです。
BARのブックマッチ(二つ折りの紙マッチ)を摸したパンフレットが粋でニヤリ。

札幌の大歓楽街ススキノで探偵稼業を営む“俺”。
いまどき携帯電話を持たない彼の連絡手段は、
彼が入り浸るBAR“KELLER OHATA(ケラー・オオハタ)”の黒電話。
相棒を務めるのは、北大農学部の助手でひたすらグータラ、
けれど実は空手の師範代という男、高田。

ある晩、“コンドウキョウコ”と名乗る女から奇妙な依頼が舞い込む。
楽勝に聞こえる依頼内容のわりには、振り込まれた金額が高すぎる。
危険な匂いを感じながらも引き受けてしまう探偵。

予感は的中、探偵はヤクザらしき男たちに拉致される。
雪の中に生き埋めにされて命からがら脱出した探偵は、
どうにもこうにも腹の虫が治まらず、みずから調査を開始。
すると、1年前に殺された大会社の社長と、
その美しき未亡人、沙織を巡る複数の事件の関係性が浮かび上がり……。

原作は未読なので、どうアレンジされているのかわかりませんが、
この映画版にはよくよく考えてみれば矛盾点がいろいろ。
でも、キャストがユニークで存分に楽しめたおかげで、
辻褄の合わないこともどうでもよくなってしまいました。

大泉洋はもともと好きですが、今回は意外といいカラダにびっくり。
脱いだらぷよんぷよん、もしくは貧相でがっくりという俳優も多いですが、
この人はもっと細いのかと思っていたら、ガシッ。
こんなだったら、どんどん脱いでください。(^O^)

松田龍平はちょっと気取った色男風より、こっちのほうが好み。
とぼけた味がピッタリで、とことんグータラに見えるのに、
敵をバッタバッタとなぎ倒すシーンが痛快。
探偵救出に毎度絶妙のタイミングで「間に合わない」ところも笑えます。

そのほか、最近の離婚騒動でキレたかと思うような高嶋政伸。
鼻と舌のピアスと変な髪型がコワイ。
いつも私のツボの松重豊は本作でも傑作。渋いのにワラける。
インテリなのにこんな役ばかりの波岡一喜は、
『ヒロミくん!全国総番長への道』(2010)を思い出しました。
探偵にドン引きの色仕掛けで迫るウェイトレス役の安藤玉恵も見逃せません。

本人役で登場したカルメン・マキが歌う『時計を止めて』、
昭和な雰囲気に合っていて光ります。聴いてください。

こんなハードボイルド映画もイイ!

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