夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ダーク・ウォーター』

2006年06月05日 | 映画(た行)
『ダーク・ウォーター』(原題:Dark Water)
監督:ウォルター・サレス
出演:ジェニファー・コネリー,アリエル・ゲイド,
   ジョン・C・ライリー,ティム・ロス他

黒木瞳主演の『仄暗い水の底から』(2001)のハリウッド版リメイク。
オリジナルは『リング』(1998)と同じ原作・監督コンビですから、
怖くてとても手出しできませんでした。
リメイク版を観たいと思ったのは、監督がブラジル出身だから。
『アザーズ』(2001)もそうだったように、
どうも私はスペイン語やポルトガル語圏のホラーには
ググッと惹きつけられてしまうようです。

ちなみに主演のジェニファー・コネリーは
『ダ・ヴィンチ・コード』でシラスを演じるポール・ベタニーの奥様。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)で愛らしい子役としてデビュー。
その後、作品に恵まれない不遇の時代も過ごしましたが、
『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)でヤク中を熱演、
やっと日の目を見た感。最近の彼女を観るなら
私のイチオシは『砂と霧の家』(2003)です。
ふだんは脱ぎっぷりも良し。

ダリアは夫と離婚調停中。
5歳の娘セシリアの親権をめぐって争っている。
娘の親権を得るためには、住む場所があることを裁判所に提示しなければならない。
家賃の高いマンハッタンから少し離れ、
ロープウェーで数分のルーズベルト島で部屋を探す。

不動産屋に案内されたのは10階建てのアパートの9階の部屋。
家賃が手頃だというものの、荒廃しきっている。
ガタガタのエレベーター、薄暗い部屋、愛想の悪い管理人。
断るつもりのダリアに、セシリアはここに住みたいと言う。

入居した日、寝室の天井に黒いシミがあることに気づく。
やがて滴り落ちてくる黒い水。
管理人の話では真上の部屋の住人だった3人家族は、
家具を置いたままでいなくなり、今は空き部屋らしい。
しかし、その誰もいないはずの上階から足音が聞こえて……。

ホラー好きには評判がかんばしくないですが、
この切なさにどうしていいのかわからなくなり、参りました。
この気持ち、『アザーズ』を観たときとまさしく一緒。
娘を守ろうとする母の姿は、『フライトプラン』(2005)より
ずっとずっと切なく強く、胸を打たれます。

泣ける映画がいい映画とは言いきれないけど、
私にとっては南米出身の監督のホラーって、
泣けて、なおかつ、いい映画。きっと。

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