「歩くZ旗」みね姉のひとりごと ~矜持 国を護るということ~

私たちを護ってくれている自衛隊を、私が護りたい!そんな気持ちで書いてきました。今は、自衛隊との日々の大切な記録です

もはや「平時」とは言えない日本

2016年02月06日 | 国を憂う

(写真は、一昨年のリムパックの出港時のものです)

北朝鮮の弾道ミサイル発射準備が着々と行われている中、DDGきりしまとみょうこうがミサイル対処に向かいました。


続いて、航空自衛隊のPAC3を搭載した輸送艦おおすみも、呉を出港しました。


定例記者会見で、統幕長から「破壊措置命令が出された」という言葉が出たので、間違いないということです。


…このような状況下でも、平時だと思っている人、そもそも無関心な人の方がまだまだ多いのでしょうね。


私は、そのことの方が憂慮すべき事態だと思っているのですが…。







しかし、それ以上に私が眉を顰めたくなる人たちが、こうした事態を「歓迎」し「喜んでいる」人たちで、


こういう人たちが現れてきている意味でも、「平時」とは言い難いのではないかと感じています。


昨年、ネットでの調査で、国内における自衛隊の好感度が98%と出ていました。


史上最高の歓迎ぶりといえるのですが、逆に言うと「自衛隊が好き」という中には色々な思考&思想の人がいるということも示しています。


自衛隊に好意的でさえあれば、なんでもいい、というわけでもないのではないかと思うのは、私の傲慢だと思われるかもしれませんが、


先ほど上げた、自衛隊の破壊措置命令の発動を、歓迎し喜び、「ワクワクする」と言っている人たちを、


私はどうにも理解し難いのです。








こういう人たちの出現で感じたことは、「自衛隊に好意的」な人は大雑把に言って2種類に分かれているということです。


自衛隊の活動を理解し、敬意を払い、彼らが実際に戦地に向かうことは現実にならないでほしい、と願うタイプ(Aタイプ)と、


自衛隊は単なる興味の対象で、好戦的で、自衛隊の行動を単なるイベントとして捉えているタイプ(Bタイプ)の二種類かな、と。


こちらの記事でも上げたような、


ハードウェアにしか興味を持たないような人も後者のBタイプに含まれると考えます。


AタイプとBタイプの違いを端的に表現するなら、自衛官を一人の人間と理解しているのか、「自衛官」としてしか見ていないのか、


ということではないでしょうか。


残念ながら、自衛官は普通の人で、誰かの子であり、誰かの親であり、誰かの夫や妻であり、恋人であり、友人であるという当たり前のことを、


認識されていない人は、思った以上に多いのだなと感じることがあります。


もっとその違いについて言及するなら、身近に自衛官の知り合いがいるかいないか、ということも理由の一つであるような気もします。


1月に、「国防問題が、ぐっと身近になった2年半」という記事でも書きましたが、


自衛官と身近に接したことがあるかどうかが、こういう意識に深く関わってくるのではないか思うのです。


少なくとも、彼らに家族がいることが理解できていると、破壊措置命令で出動していく彼らを見て、


イベント感覚ではしゃぐことは、とてもではないですが、できません。






保守派であること、愛国心があることと、主戦論・好戦的であることは、イコールではないでしょう。


軍事行動を喜び、楽しむ姿は、戦前のマスメディアに煽られ踊らせていた人たちと同じように見えてしまいます。


そして、こういう人たちが、メディアが左翼化した瞬間、また流されて左傾化したのです。


ここで、一つ言っておきますと、マスメディアは戦後突然左傾化したのではない、ということです。


メディアは戦前からサヨクであり、日本を戦争に引きずり込むために右翼の仮面を被って国民を扇動していた、という見方がありますが、


私はその通りではないかと考えます。


そう考えた方が自然なので。


そして、現在保守と名乗っている人の中にいる、扇動されたように戦いを喜び、軍事行動を楽しむ人たちが、


戦前の扇動された人達と同類のように思えてしまうのです。


なぜなら、軍事行動を喜ぶことに苦言を呈すると、サヨクとみなして攻撃してくるからです。


短絡的すぎるし、話にならないので相手にしませんでしたが、こういう人たちが増えてきていることが現実なのであるなら、


日本はもはや「平時」とは言い難い状況にあると思わざるを得ません。


平時であれば、まず、現れない人たちだからです。


私も、韓国・北朝鮮や中国は大嫌いですが、韓国はともかく、中国を甘く見すぎているが故に、現実を見なくて簡単に勝てると思っていて、


いたずらに戦いを先導する輩は、もっと嫌いです。


はっきりしているのは、戦場に絶対行くことがない、安全な場所にいる人間が最も好戦的である、ということです。


中国の海軍力が飛躍的に向上していることや、北朝鮮のミサイルの精度も向上していることを、彼らは知っているのでしょうか?


都合のいい情報しか信じずに、戦争を楽しみにしているように見えてしまいます。


何より、戦場に行く必要が一切ない、命の危険が1ミリもない民間人が、軍事行動を喜び、気楽に「叩き潰してしまえ」というのは、


嫌悪感しか感じません。


イージス艦の出動に「ワクワク」する?


…実戦なのですけどね…。


日本が平和ボケしていたことで、戦争があまりに非現実的になってしまったことで、そういう気持ちになってしまうのでしょう。


彼らは、日本で最も戦争が起こらないことを願っているのが自衛隊であるということを、想像すらできないのでしょうね。


いざとなったら国を守るために命を捨てる覚悟をしている、ということと、戦争を望んでいることは、全く違うことであるということも。


そして、出港して行ったイージス艦とPAC3を搭載した輸送艦ばかりに注目が集まっていますが、


その陰では、人里離れたレーダーサイトで、空を睨んでいる航空自衛官もたくさんいるということも、知ってほしいと思います。


そして、出港して行ったイージス艦も、甲板に出ることもほとんどままならない状況でひっそりと任務に当たっているのだということも。


決して、決して、喜ぶような状況でも、楽しいイベントでもありません…。


現在、日本がどこかの国と交戦状態でなくとも、破壊措置命令は実戦です。


日本が危険にさらされている、とうことだけでなく、出港した洋上では、大変厳しい状況で任務を遂行されているのだということを。


1日も早く任務が無事に終わり、ミサイル対処に当たられている皆さんが、ご無事で帰還されることをお祈りしています…。





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