「歩くZ旗」みね姉のひとりごと ~矜持 国を護るということ~

私たちを護ってくれている自衛隊を、私が護りたい!そんな気持ちで書いてきました。今は、自衛隊との日々の大切な記録です

今年初の体験航海は、訓練支援艦くろべ♪  ~最終回~

2016年02月01日 | 海上自衛隊


今回、久しぶりの長編になりましたが、今回で最終回です。


では、参ります。







…興奮の来島海峡を通過すると、もう、楽しかった体験航海も終盤です。


といっても、あと2時間はありますけどね~(笑)








さて、来島海峡までは、比較的いいお天気だったのですが、目的地に近づくにつれて、


だんだんと雲行きが怪しくなりはじめ、それに伴い、風も冷たくなって外にいるのがツラい寒さになってきました。


なので、また、士官室にしばらく引きこもっていたのですが…


私「…もしかして、そろそろ内火艇降ろしますか


広報係「そうですね。準備を始めると思います」


聞くや否や、カメラを手にし始める男性二人(笑)


私「…内火艇降ろすところって、見ててもいいですか?」


広報係「聞いてみます」


と、一旦、士官室を出られた広報官さん。


しばらくして戻って来られて


「こちら側(確か左舷だったと思います…たしか)なら、大丈夫だそうです」


と、いうことで、私と、男性二人はすごい勢いで立ち上がり、その様子を見た海自初心者の方々は、


「一体、何がみられるんですか?」


という感じで、よくわからないけど、とにかく行ってみよう、という感じで後に続かれ、


おそらく、エスコート役の広報係士官さんは、


(え?内火艇だよ???そんなに見たい???)


と、内心、相当不思議に思われていたと思う…っていうか、確か、不思議そうに尋ねられたような気がする(笑)


「内火艇おろすところって、そんなに面白いですか????」


って。


「おもしろいですよめったに見られませんし


「…そ、そんなものなんでしょうか…(笑)」


ヲタ、マニア、熱狂的ファン…呼び名はどれでもよろしいが、こう呼称される者たちの、萌えポイントと、


現役自衛官が「たぶん、こういうのがおもしろいのではないか?」というポイントには、


おそらく、著しいズレがあると思われますね(笑)


たぶんに、自衛官は何かすごいものを見せないといけないのではないか


と、思われると思いますが…いやいやいや…どちらかと言えば、自衛官にとっては、なんでもない、ごくごく日常的なものや、


地味な(だと思っている)作業、くすっと笑える張り紙…そういうものですね、喜ぶのは(笑)


特に女性は、変なとこに反応しますね。


あ、そうそう、女性に説明する時、どうしても、武器の用途とか性能を説明しがちになると思いますが、私も含め、大抵の女性は、


「へ~~・・・・・・」


で、終わります(笑)


例えば、76mmの説明だと


「これは、76mm速射砲で、弾の重さはうんたら…射程距離が…」


とか言われても、「ふぅん…」となります。


男性なら、「おお~」なんですけどね(笑)


つまり、男性は性能自体に興味を持つのですが、女性はそんなものには興味がないです。


なので、女性のウケを狙いたくば、自衛官の皆さん…メモのご用意はいいですか?


1.何のために使うものなのか、その用途のみ説明する…専門的な話は一切NGかつ手短に


2.ここから、演習等で実際にあった話せる範囲での面白話を披露する


これだけで、OKです


男性は、いかにすごいか、に興味の対象が向きますが、女性はそもそもの用途が分からないと興味が持てないし、


用途だけわかっても、話がつまらなければ興味を持ちません…。


なので、女性のエスコート役は、詳しい人よりは、


面白い話を披露してくれる人、しょうもない話をしてくれる人などの方が望ましいと考えます。


私は、そこのツボが分かっているのと、自衛隊用語を民間用語に変換して説明することができるので、見学に連れて行った女性は、


だいたい、私に質問してくるんですよね(笑)


「…なんか、みね姉さんの説明の方が分かりやすくて…」


といわれるのですが、それは、詳しいからではなくて、ざっくりとポイント抑えてしか説明しないのと、


女性の求める答えのツボが分かっているからです。


いつだったか、某護衛艦の見学時に、「ジャミング」について、女性たちに説明されていた時、


「あ…っていうか、ジャミングって…分からないですよね…え~っと…何といえばいいのか…」


と、困ってらしたので、


私「あ、攪乱させる、でいいと思うのですが…」


海「あ!そうか!攪乱。そうですね(笑)」


と、いうことがありました。


日常的に当たり前に使っている言葉だと、民間人に分かりやすい言葉に翻訳するって、結構難しいと思うのです…。







話が大分それました。


さて、内火艇降ろしすらもイベントになってしまう、という感覚は、およそ自衛官には理解しがたい部分であろうと思います(笑)


まぁ、でも、そういうものの方が実は、けっこう見ている側には喜ばれるものだということは、知ってて頂けるうれしいです。


一緒に見ていた男性参加者さんが、


「やっぱりどうしても、1分隊の入出港作業が華ですけど、こういう地味な仕事こそグッときますよね」


と言われたことが、よくわかります。


自衛隊を愛する者ほど、あまり目がいかない部分や、地味な仕事、縁の下の力持ちさんに脚光を当ててくるものだと思います。


自衛隊に限らず、マニアックな人というのは、そうであるのですが(笑)


そして、この男性参加者さんが、ロープの処理の作業一つ一つを見て


「…ああ、やっぱり、プロの仕事だなぁ」


とつぶやいていらしたのが、とても印象的でした。


前記事で上げたように、いろんな自衛隊ファンがいますが、私が共感できるのはやっぱり、旗振り男さんや、こういう方です。


自衛隊を愛し、敬意を払っていることは、やっぱり、言動に表れるものだと思いますので。


ハードウェアだけでなく、自衛官の美しい仕事そのものを愛おしむ…そういう気持ちが…。






そして、内火艇を見に行きました。



さて、とは言いながら、これがなかなか、降ろすまで時間がありまして、


我々は、中に入ったり出たり、入ったり、出たり…の繰り返しでした。


何度か繰り返したころに、そろそろかという、空気に。



ほら、さっきの写真よりも、だいぶこう、そろそろな感じでしょう?


そして、寒さに耐えつつみんなで作業を見守ります。


あとは、動画でご覧くださいませ('ω')ノ

くろべ内火艇降ろし


いかがでしたか?




そして、我々は、またまた旗甲板に上がりました。



入港作業が始まります。


そして…入港ラッパがなりました…。


あ~~~~ついに、この楽しい旅が終わっちゃうよ~(ノД`)・゜・。


朝0800時出港だったのに…それでもあっという間です。


ドック内は、撮影禁止なのでここから先は画像はありません。


ちなみに、ドックには元しらねがいらっしゃいました。


…そう、元…です。


航空自衛隊の戦闘機の標的艦になるんですよね。


最後の最後のお役目を静かにじっと待つ姿は、なんとも胸に迫るものがありました。


そして、入港時は、ドックの方たちと交代されます。


これがまた見ている分には面白いんですよね~。


やっぱり、入港の仕方が海上自衛隊とは何かと違うみたいなので…。


どんなところが違うかを聞きながら見ていると、ホントに面白いです。


そして、この時には、結構雨が降ってきました。


ここからが割と長いのですが、そういいつつも、我々も上陸準備を始めました。


ほぼ、予定通りの到着で、みんな、名残惜しむかのように艦を降ります。


久保田艦長も、舷門までお見送りに来てくださいました。


0800~1500まで、みっちり、瀬戸内海の船旅を満喫させていただき、感無量です。


我々、みんな、数日間はこの余韻が冷めやらず、夢のような1日を味わうように振り返っていたと思います。


壮絶に楽しくて、


「帰りに死んでも成仏できる!」


と本気で思った1日でした(笑)


くろべの皆さま、少ない人数の我々のために、本当に様々なお心遣い、ありがとうございました。


寒い中、ドック入りは電気系統が使えなくて、寒い中でのお仕事の日々だと思います…。


くれぐれも、風邪をひかれないように、お気を付けくださいませ。


本当に、ありがとうございました!