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きょうの潮流

2017-08-16 | コラム

19世紀、感染症のコレラは何度も世界的に大流行しました。治療法が定まらず不安が広がった欧州では、音を立てれば退治できるという話が流れました▼ならば楽器を演奏すれば予防できる。こう信じて音楽学校に通う人が増えたと当時の英紙は伝えています。相次ぐ患者に英議会は「国全体の運命がかかわっている」と危機感を募らせました(見市雅俊『コレラの世界史』)▼そのコレラに、いま「国の運命」を左右されているのが中東のイエメンです。2年余り前から続く内戦。今年4月末、コレラの感染拡大が確認されました。国連機関の最新報告では、感染が疑われる人は50万人超、死者は約2千人に上ります▼大統領派と武装組織による内戦に、隣国サウジアラビア主導の連合軍が軍事介入。そこへ「テロ対策」を理由にした米軍の空爆が追い打ちをかけます。避難民キャンプは、戦闘を逃れた人々であふれかえります▼キャンプの下水処理が飲み水用の井戸の近くで行われていることが感染原因の一つとされます。感染しても戦闘で危険なため医療施設にたどり着けません。そもそも病院までが攻撃対象にされています。止まらない感染は「完全に人間が原因の恥ずべき騒ぎだ」。オブライエン国連事務次長は指摘します▼いまコレラは適切に治療すれば治る確率の高い疾病です。「戦争さえなければ1カ月もかからずにコレラは抑えられるのに」。現地の医療従事者が米紙に悔しさを語ります。内戦の当事者らはこの言葉にどうこたえるのか。

 

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