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きょうの潮流

2017-10-22 | コラム

1996年に内閣法によって役職として法定化した首相補佐官。当初の定員3人が5年後に5人に増員されました。内閣の重要政策について直接首相に助言できる立場で、「影響力は大臣以上」(自民党国会議員)とも言われるほどです▼加計学園の獣医学部新設をめぐり昨年秋、文部科学省の前川喜平事務次官(当時)に新獣医学部の手続きを進めるよう圧力をかけたのは和泉洋人首相補佐官でした。官邸に呼びつけ、「総理が自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」と▼前川氏は記者会見で和泉氏について「一番のキーパーソン」だと評しました。安倍首相の側近中の側近が、「私が代わりに言う」と命令する。まさに「総理のご意向」そのものです▼歴代の首相補佐官は、国会議員が大半ですが、和泉氏は国交省出身の元官僚。補佐官としての担当は、「国土強靱(きょうじん)化」、「地方創生」から「健康・医療に関する成長戦略」など異例の広範囲です。一見目立たない元官僚を、首相の黒子として暗躍させる。「国家私物化」の手口の一端が垣間見えてきます▼来週開催予定の国会閉会中審査には、和泉氏が、前川氏らとともに招致されます。キーパーソンが安倍首相や前川氏を前にして何をしゃべるのか▼山本幸三地方創生担当相が、事業者決定前にもかかわらず、加計学園を前提にした発言を日本獣医師会にしていたことも判明しました。「加計ありき」ですすめた手口は。首相はどう関わったのか。真相解明は、まだまだこれからです。

 

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