どちらになりたいか、と訊かれたら、
わたしは迷うことなく、こちら。
だって、野生の豹のように自由だし、カッコいいもん。
銀行という権力組織に、女だけで立ち向かっていく姿は、ジャンヌ・ダルクのよう。
スーパー・モデルというだけあって、スタイル抜群、非の打ち所もないしね。
でもね、本当のこと言うとね、悔しいから、やられちゃったらいい、と思ってしまう。
あ~あ、わたしって厭な性格。
ただ、彼女の表情 . . . 本文を読む
帰りの車の中。
彼のお気に入りの曲が流れている。
わたしはこの曲が嫌いだ。
初めての彼の記憶が刷り込まれているから。
もう、会うのはこれを最後にしないか。
なかば予感していた彼の言葉・・・。
ほとんど毎日会っていたのが、次第に間隔が空くようになり、最近は、電話しても通じないことが多くなった。
会っても、妙にぎこちなく、わたしの身体をあわただしく通り過ぎるだけ。
怖かった。
ほかに好きな人が . . . 本文を読む