mimi-fuku通信

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「まるごとカラヤン」 ~mimifuku的評説(その1)

2008-04-06 22:42:42 | クラシック・吹奏楽

 
 今日、昨日とお花見日和で、戸外に出かけていました。
 昨日放送された、「まるごとカラヤン~生誕100周年記念番組」の第2部を見終えたところです。
 mimifukuらしい見方で、少しずつ何回かに分けて更新しようと思っていますので、お付き合いください。

 第2部は、<カラヤンとシンフォニー。>

 映像は、1968年~74年の制作で、カラヤンが1908年生まれ。
 すなわち、カラヤンの60歳~66歳の年齢の映像です。
 最初に感じたことは、カラヤンの姿が美しいことです。
 カラヤンの働きを見ていて、この国での60歳定年制が如何に無情なものかを考えさせられました。
 と、同時に体力の低下は避けがたいものの、文化や芸術において、年齢ではなく情熱こそがすべてだと感じました。

 この映像を見ていて、<これまで私が持っていた先入観からの、一本調子で不自然な映像。>と言った見識を見直して見るべきだと感じました。
 
 現代人の私達は映像中毒と言ってよいほど、多くの映像鑑賞を経験しています。
 1968年(昭和43年)の世の中で、オーケストラが奏でるこのような映像を実体験していればどのように感じたことでしょう。
 一般人には演奏会にも行く機会に恵まれず、家庭にはレコード・プレーヤーがあるか無しかの時代に、ましてや家庭用ビデオがあるわけもない時代に、何かの機会にこの映像を見せられることの衝撃を考える時に、当事の人達の中で不自然と言う人がどれだけいたのでしょうか。

 勿論、この当事のテレビ映像として我国では、NHKのNHK交響楽団の映像や、フジテレビの日本フィル・ハーモニーの素晴らしい映像が、現代の世でも見ることができます。
 1964年からは、、テレビ東京~テレビ朝日で放送された(現在も放送中)、「題名のない音楽界/東京交響楽団」が、黛敏郎さんの司会で始まり、クラシック音楽の普及に寄与しています。
 1972年には、TBSの人気番組、山本直純さんの「オーケストラがやってきた/新日本フィル・ハーモニー」の放送も開始されており、小澤征爾さんもゲスト出演されていたと記憶しています。
(この番組は全国にも公開録画のため訪れており、私も学生時代に小松市公会堂で観覧しています。)

 その時代に先駆けて映像を記録に残そうと考えたカラヤンの思いは何でしょうか?
 
 まず、1968年制作のベートーヴェンの第9交響曲は、私の手持ちの資料では1970年の制作となっています。注釈として、<制作は、1970年に配置するが、1967年の12月31日、1968年1月3日の演奏会と同一ソリストであり、その映像も使われていると思われる。>と記されています。
 
 この映像を含め、第2部で放送された内容は、聴衆が映し出される場面もあり、ライブ映像のように見えますが、現実にはいくつかの映像を組み合わせたものでしょう。
 音源に映像を重ねたのか、映像に音源を被せたのかは判別できませんが、映像のカットはひとつの演奏会だけではないのは確かです。

 以前に、「ベルリンフィルのすべて。~mimifuku的評説。」の中で、
 <カラヤンの考える映像表現に於ける美意識は、まるで建築の設計図面のように説明的で、映像がもたらす抽象的表現は自らの目指す音楽表現と相容れることがなく、カラヤンにとって許されないことだったのだろうし、そうしたカラヤンの美意識は、裕福な貴族階級の家柄で生まれ育った、子供の頃からの生活に中で染み付いたものなのかも知れない。>と触れましたが、そのような様式美がカラヤンの意識の中に形作られていた理由のひとつに、当事のドイツが行った、<大ドイツ芸術展>と、<退廃芸術展>に代表される抽象表現の排除が根底にあったのかもしれません。

 「堅実なる者と、変化を恐れぬ者。」

 おそらくカラヤンは前者に属し、自分の築いた美学を磨き上げることで存在を証明し続けた巨匠と言えるのではないかと感じました。

                                     
つづき→
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/6a1081a486d7cbf3ac292d0c6a1e1708

 
 下記は、ゲスト出演されていたヴァイオリニストの吉田恭子さんのホームページ内の記事転載です。
 興味のある方は、下記ホーム・ページURLにアクセスしてください。
 http://www.kyokoyoshida.com/index.html

3月20日 NHKで4月5日放送「まるごとカラヤン」の収録でした!

大好きなカラヤンと私♪

左から、俳優の石坂浩二さん、アナウンサーの岩槻里子さん、評論家の黒田恭一さん♪

カラヤン生誕100年目の4月5日に放送、なんと11時間の特番です!皆さん是非観て下さ~い!

今回の為にハイビジョン化されたカラヤンの映像は、鮮明で素晴らしいです!!

 

コメント
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