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mimi-fuku通信

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関西発:新型(A/H1N1)インフルエンザ・パンデミック、~所感。

2009-05-17 13:55:00 | 政治・社会・時事

 
 昨晩の記事を文書化しながら“そうなのかな?”と思っていたのだが、
 実際に目の前の現実を突きつけられると腹立たしさがわいてきた。
 2009年5月17日。
 世界中がこれだけ大騒ぎして対策に苦慮している、
 新型インフルエンザ(2009/a/h1n1) が、
 国内において野放しにされていた事実が明らかになった。
 言いようない失望感を感じている。

 その中で何よりも驚いた記事が(一例ではあるが)、
 生徒9人の新型インフルエンザの感染が確認された大阪府内の私立高校では、
 5月に入ってからの16日間にインフルエンザや発熱で欠席した生徒が、
 併設の中学を含め計143人だったと発表。
 欠席した143人のうち、
 高校生が91人で中学生は52人。
 (MSN産経ニュース:記事転載)

 水際対策でゴールデンウィークを返上して毎日毎夜苦労された方々。
 感染者が確認されたためにホテルでの隔離措置を受け入れた47名の方々。
 その一方で新型ウィルスが関西の広範囲で野放しになっていた事実。
 腹を立てるなと言う方が無理だと感じる。
 必ずしも個人に責任を求めるわけではないし、
 初めての事態であることから、
 <個人攻撃は決してすべきではない。>

 メキシコ(発生地)でも当初は、
 季節性インフルエンザと見られていたことが発覚を遅らせた

 当地(関西)の関係機関も水際対策を信じすぎた挙句に、
 一部報道機関が報じた、
 5月の時点で20万人近くの季節性インフルエンザ感染者が、
 国内に存在するとの情報も対処の遅れの原因となったのだろう。

 おそらく
 対象地域の多くの人々が新型ではないかとの疑念を抱いただろう。
 (罹患者、罹患家族、学校関係者、対応に当たった医師。)
 情報過多と心の油断から生じた決断の誤り
 
 しかし新型インフルエンザの潜伏期間内(水際対策の限界)に、
 国内への侵入が広く指摘されていたにもかかわらず、
 学校、教育機関、自治体と組織として発熱者の存在に気付きながらも、
 すくなくとも10日間近くなんの疑いを持たずに放置し、
 毎日の業務を過ごしていたのかと思うと閉口するしかない。
 危機感のない毎日と使命感不在の社会。
 日本が世界に対しての信用を失墜したような気がしてならない。
 この問題は同時に国家の問題としてとらえるべきだろう。
 
 
国立感染症研究所の田代眞人センター長は、
 「感染が数百人に上っている可能性もある」として、
 今後WHOが新型インフルエンザに対する警戒レベルを最高度の、
 「フェーズ6」に引き上げる根拠ともなりうるとの認識を示した。
 (NHKニュース:記事転載)

 
関西発の感染爆発(パンデミック)。
 世界中が注目している。
 決して避けなければならない。
 それでも弱毒性だから大事(おおごと)にする必要がないとの意見は、
 国際協調に背をむける発言だろう。

 おそらく厚生労働省の内部は現在パニック状態だろう。
 政府は関西地域に対し<非常事態>を宣言し、
 速やかに<感染拡大期>に入ったことを明言し、
 H5N1と同等の対策を少なくとも3日間は実行すべきである。
 感染者の実数を把握をするためには地域隔離の必要性を感じる。
 
 ただし国民について弱毒性でもあり大きな不安を持つ必要も無いし、
 関西で感染の爆発が見られるからと言って、
 東北で即座にマスクをする必要も無い。
 国が示す行動計画に基づいて冷静に行動すれば必ず夏までに沈静化する。
 この問題は、今夜改めて記事にしたいと思う。

                         ~2009年5月17日午後2時記載。

 
 <関連記事>
 *関西発:新型(A/H1N1)インフルエンザ・パンデミック (その2)。
   http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/86ac508be5275d02b3db1f09f603bca8

 *新型インフルエンザ(2009/a/h1n1) 対策、特徴、考察(4)。
   http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/4b36be1e1a48165f7b382efd365cc5ca



 <資料Ⅰ:日本国内での警戒レベル>

 1)海外発生期
 海外で新型インフルエンザの人への感染被害が発生。

 2)
国内発生早期
 国内において新型インフルエンザが限局的に発生している時期。

 3)感染拡大期
 国内において新型インフルエンザウイルスの人から人への感染被害が、
 大きな集団で発生している時期。 

 3)蔓延(まんえん)期(パンデミック)
 新型インフルエンザが大規模に発生している時期。

 *回復期  
 新型インフルエンザの流行が終息に向かっている時期。

 * 新型インフルエンザ対策について(厚生省ガイド・ライン:PDF)
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/18b_0001.pdf


 
<資料Ⅱ:基本的対処方針>
 ~平成21年5月16日:厚生労働省発表~

 1.はじめに
 本日、新型インフルエンザ(A/H1N1)患者が国内で発生したが、
 渡航歴もなくこれまでの患者や停留者との接触もないため、
 地域での感染が始まった可能性が高い。
 しかも今回は軽微な症状を呈する感染者が多いので、
 国内での感染拡大のおそれがある。
 これは、
 新型インフルエンザウイルスが国内に侵入し国内における感染の状況が
 第2段階(国内発生早期)となったということである。
 今回の新型インフルエンザの感染力は、
 季節性インフルエンザと同様に感染性は強いが、
 諸外国において多くの患者が軽症のまま回復しており、
 我が国のこれまでに確認された4名についても同様であった。

 治療については、
 抗インフルエンザウイルス薬の効果があると報告されている。
 しかし、
 基礎疾患(糖尿病等)のある人たちを中心に重症化する傾向があり、
 死亡例も報告されている。
 以上のことから、

 Ⅰ 感染の更なる拡大を防ぐこと。

 Ⅱ 特に基礎疾患のある者など重症化しやすい人が新型インフルエンザに、
 感染して死亡することを防ぐことに努力を集中すべきである。
 このため、国、地方自治体、保健医療関係者、国民全員が協力し、

 1)国内発生早期においては、感染の疑いのある例についてはすべて検査し、
 感染が強く疑われる場合には、軽症・重症を問わず措置入院し、
 更なる感染の拡大を防ぐ。
 2) 感染の拡大が進んだ段階においては多くの軽微な感染者が発生し、
 医療機関に殺到する可能性がある。
 したがって医療機関においては基礎疾患のある人が重症化しないよう、
 医療供給体制の充実と各医療機関の機能の明確化を図ることが重要である。
 また軽症の患者については、自宅での療養、医療従事者の訪問、
 発熱外来への受診の徹底により一般の患者と接触しないような工夫など、
 地域の実情に応じた対応を行う。
 専門家諮問委員会としては、
 現在知られている新型インフルエンザウイルスの性状等を踏まえ、
 基本的対処方針の実施に関しては、
 以下の点について柔軟で弾力的な運用を行うよう提言する。


 2.社会生活上の取組みについて
 以下の各項目については十分に留意し適切な対応をとるよう、
 政府は関係者・国民に周知徹底するべきである。

 ○ マスクの着用等
 → 個人における感染防止策の徹底は極めて重要であり、
 引き続き手洗い、人混みでのマスク着用、咳エチケットの徹底、うがい等を行う。
 ※屋外等の解放空間においては、相当な人混みでない限りマスクを着用する意味はない。
 電車やバスの中等の換気が悪く閉鎖的な空間の中ではマスクを着用することで、
 周囲の人の咳やくしゃみによる飛沫を防ぐ意味がある。
 また他の人への咳エチケットとしてマスクを着用することが望ましい。

 ○ 外出
 → 現時点では一律に外出を控えなくてもよい。
 個人は、人混みはなるべく避けることなどに引き続き注意する。

 ○ 通勤・通学
 → 現時点では一律の時差通勤等をしなくてよい。
 個人は、通学も含めなるべくラッシュ時を避けるなど感染機会を減らす努力を行う。
 また事業者・学校は、時差通勤・通学を容認するなど、
 通勤・通学に際して従業員・生徒の感染機会が減るように工夫する。

 ○ 集会、スポーツ大会等
 → 現時点では一律の自粛は要請しない。
 主催者は、当該イベントの趣旨・必要性等を勘案し総合的に判断すること。

 ○ 学校・保育施設等
 → 患者が学校・保育施設等に通う生徒・児童等の場合、
 その地域(市町村の一部又は全域、場合によっては都道府県全域)の学校等については、
 臨時休業することを原則とする。
 ただし大学については、一律の休業を要請せず各大学において感染が拡大しないように努める。

 一方、患者が学校・保育施設等に通う生徒・児童等でない場合、
 2次感染患者が発生しさらに感染拡大のおそれがある場合には、
 同様に臨時休業を行う。
 また、
 臨時休業の終了時期については新型インフルエンザの発生状況に応じ、
 1週間ごとに検討を行う。
 保育施設の休業に際しては、
 保育所に子供を通わせている従業員の勤務について事業所は配慮する。

 ○ 事業者
 → 現時点では一律の事業の縮小については要請しない。
 事業者は、事業を適切に継続できるようにするとともに、
 感染ができる限り拡大しない事業運営を行うこととすべきである。


 3.国内発生が見られた後の医療について
 <医療機関への受診>
 ○第2段階(国内発生早期)からは、この時期最大の目標として軽症・重症を問わず、
 すべて検査を行い感染が強く疑われた例はすべて措置入院とし感染拡大しないようにする。
 同様に重症例の治療に全力を注ぐことが必要である。
 そのために発熱や咳などのインフルエンザ様症状が見られた場合には、
 まず「発熱相談センター」に相談のうえ、「発熱外来」を受診する。

 ○政府としては国民にこの趣旨を周知徹底し、
 「発熱相談センター」や「発熱外来」の利用について、
 理解と協力を求める努力をすべきであり、
 国民も「感染により重症化しやすい人の命を守る」という、
 政府の方針に積極的に協力すべきである。

 ○第3段階(まん延期)では、
 多くの軽症例が発生するために病院における治療は重症例のみに集中すべきである。
 更にこの時期では新型インフルエンザの患者を指定医療機関だけで治療することは、
 収容能力の上からもまた感染防止対策としてもその意義は薄く、
 一般の医療機関も含め全ての医療機関で新型インフルエンザの治療に対応する。
 ただしこうした医療機関では新型インフルエンザとして収容されている、
 患者と他の患者との接触を断つことに十分留意すべきである。

 ○ 多くの軽症患者が一般の医療機関に殺到すれば、基
 礎疾患があり重症化しやすい人に感染の危険が及ぶことになる。
 このため軽症の患者へは、出来るだけ医療機関への受診を控えて、
 地域の実情にあった方法(例えば)自宅で療養するなど協力を求める。
 その際、自宅待機する患者に対しては、治療薬の宅配、医療関係者の訪問など、
 地域毎に患者の視点に立った対応が準備されているところもあり、
 他の自治体もそのような事例を参考にして、
 患者が協力しやすい医療体制を整備すべきである。
 また、
 病院と診療所はそれぞれの役割、及び責任分担を行い、
 軽症者と重症者の治療に混乱のないよう連携を図るべきである。


 <抗インフルエンザウイルス薬>

 ○第2段階(国内発生早期)では、
 感染者に対して治療の目的でタミフル等の抗インフルエンザウイルス薬を投与するが、
 更に濃厚接触者やウイルスに暴露した疑いのある医療従事者、
 初動対応者等に対し抗インフルエンザウイルス薬の予防投与が行われる。

 ○もっとも感染の危険性があるのは患者の同居者であるが、
 そのほかにも疫学調査で感染の危険性が高いと指摘された者
 (同じ学校、同じ職場の濃厚接触者など)については、
 患者の行動範囲を考慮して予防投与が行われる。

 ○ 第3段階(感染拡大期)では、
 抗インフルエンザウイルス薬を治療として使用する事に優先した方が良いため、
 予防投与は基本的に行わない。
 ただし例外として、
 家族等に感染により重症化しやすい人が含まれる場合等には予防投与があり得る。

 ○いずれにせよ感染拡大期以降では、
 治療に必要な抗インフルエンザウイルス薬が十分確保されることが重要である。
 予防投与は感染により重症化しやすい人などに例外的に行われるべきであり、
 この点について国民の理解を深めていくことが必要である。

 4.おわりに

 新型インフルエンザ対策は、
 国・自治体・医療関係者・国民が一体となって協力することにより、
 はじめて成果が上げられる。
 限られた医療資源を効果的に運用するためにも、
 上記の医療体制について国民の十分理解な理解が得られるよう、
 国・自治体・医療関係者はあらゆる努力をすべきである。

 

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<JR福知山線脱線事故>から4年、~使命感について考える。

2009-04-25 18:15:00 | 政治・社会・時事
 
 今日は、
 2005年4月25日に起きた<JR福知山線脱線事故>から4年。
 107人の尊い命が亡くなった脱線事故の傷跡は、
 家族を亡くした方々の悲しみや負傷された方々に残る後遺症。
 さらに事故の経験によるトラウマ等、
 今尚大きな問題を抱えています。

 そうした中最近でも、
 2件の重大な鉄道事故がありました。

 *2月27日早朝
 三重県津市白山町の近鉄大阪線東青山駅付近で起きた脱線事故。
 名張発、伊勢中川行きの始発の普通列車が線路脇の鉄柱に衝突し脱線。
 乗客9人、乗員2人にケガはありませんでしたがこの事故は重大でした。
 事故は作業していた作業員が本線上のポイント切り替え用装置を、
 撤去し忘れたことが原因でこの事故により後日撤去の確認責任があった、
 同駅の助役と作業班長を懲戒解雇としています。
 
 *4月19日夜間。
 津市白山町のJR名松線家城駅で車両の入れ替え準備作業中、
 男性運転士がディーゼル・カーの運転台を離れた間に、
 車両が無人で下り坂を走り始め約8・5キロ離れた踏切付近で停止しました。
 今回の事故は、同運転士がエンジンをかけた後、<私物のかばん>を、
 事務室から当直室に運ぶため列車を離れた際に起きています。
 同運転士は、エンジン始動後の作業手順として定められている、
 ブレーキ検査もしていませんでした。

 いずれも大惨事にはなりませんでしたが、
 うっかりミスの恐さを知る出来事です。
 
 近鉄の脱線事故の場合は駅からの距離が近かったので、
 低速度での脱線と考えられます。
 この作業ミスの行為が高速区間で起きたならどうだったのか?

 JRの無人走行ミスの場合、
 無人の列車が走ることで遮断機がどのように反応するのか分りませんが、
 仮に踏み切りに自動車等が進入している場合ブレーキをかける者がいない。

 普段の生活の中で起きるような何気ない小さなミスが、
 絶対に許されない作業が世の中には沢山あります。
 絶対条件として作業に要求される完璧性。
 仕事に対する責任感と使命感。
 職業選択を決めた時点で発生する
 自らに求める完璧性と自制心。
 それは、
 普段の規則正しい生活態度にも求められます。

 人の命に係わる使命感。
 懲戒解雇になった近鉄の両名の方には気の毒な思いもしますが、
 人の命をあずかることの重みを考えると懸命な判断とも言えます。
 
 さらに使命感欠如の事例を2件。
 
 *4月24日夕方頃、
 茨城県水戸市内の水戸署2階の取調室から、
 窃盗未遂容疑で逮捕されていた容疑者が逃走。
 取り調べをしていた巡査長が居眠りが原因。
 ~この事件では睡眠薬の混入が認められ、
 睡眠薬の成分が警察官が飲んでいたお茶だけではなく、
 容疑者が飲んでいたお茶からも検出された。
 第三者が睡眠薬を入れた可能性もあり、
 睡眠薬混入経路の特定を急いでいる。
 
 
*4月20日夕方頃、
 兵庫県警西宮署で車上狙いの窃盗容疑が取調室から逃走。
 取り調べをしていた男性巡査が居眠りしたことが原因。

 窃盗犯ですのでその犯人が逃走後に重大な事件を起こすとは思えませんが、
 仮に傷害事件の犯人が警察官の持つ護身用具を持って逃走した場合の
 近隣住民の恐怖。

 取調室の内部がどのようになっているのか分かりませんが、
 考えようによっては戦慄の走る事件です。

 居眠りや自分の私物が原因の家庭内であるならば小さな出来事が、
 職務中においては人命にかかわる重大なミスとなる。
 職務に対する使命感と責任の所在の重さの認識不足。

 居眠りの原因は現代の多様化する情報社会の中での時間不足?
 私物としての携帯電話が単独職務に及ぼす悪影響。
 
 そんなことを感じる事例は生活する街の至る所で目にします。

 自動車の運転中の携帯メール。

 驚くような安直な気持ちで自動車運転をする人の多いことに困惑します。
 自動車運転の一瞬の判断ミスが命に係わることは上記の事例同様ですし、
 多くの安易な行動が知らず知らずに他者の脅威になることは多々あります。
 
 私達は他者が起こす多くの事例に怒りを覚えたり糾弾を求めたりします。
 しかし私達一人一人の何気ない行動の中にも責任が生じます。

 他人に厳しく、自分に甘く。
 私を含め多くの人が共通に持つ安易な社会認識。
 目の前に存在する危機意識の欠如。

 生きることの使命感は、
 夢や目標達成ばかりではなく、
 未来予測と危険回避の達成。

 今日は、そんなことを感じました。
 硬い話題が続きます。

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高齢者ドライバーと、任意保険未加入ドライバーの増加と課題。

2009-01-31 22:40:40 | 政治・社会・時事


 まず最初に、2008年5月のブログ内で書いた記事を
 改めて加筆、再記載しますのでお読みください。
 
 <福島県で起きた痛ましい交通事故。>

 運動会の場所取りのために集まっていた保護者の列に、
 乗用車が突っ込み、1人が死亡し、4人が重軽傷。
 運転していたのは、79歳の高齢者ドライバー。
 「アクセルとブレーキを踏み間違えた。」
 
と供述。

 高齢者だから事故を起こしたと断定するつもりはないが、
 <79歳のこれまで真面目に生きてきた。>
 であろう人生の、最終段階でのたった一つのミスが、
 <生きてきたことへの悔恨に繋がる様な瞬間>
 だとすれば、それは、悲しい出来事である。

 被害者の方やご家族の心情。
 こうした悲劇の加害者になる可能性は、
 高齢者に限らず全てのドライバーに共通することだが、
 判断力が鈍る加齢の進行は防ぐことのできない現実。

 高齢者ドライバーの増加と、
 自動車なしでは暮らすことのできない地方の現実。

 昭和20年以後に生まれた方々の免許所得率は極めて高く、
 今後も増加の一途を辿る加齢と判断力の低下を
 誰にも止めることはできない。

 <増える高齢者が減る子供達に対し、望まない加害者になる可能性。>

  
『車は、走る凶器。』

 その事実を、皆で直視しなければならない。

 昨年(2008年)の暮れにマイ・プリウス(最初期モデル)の電気系統の異常でディーラーさんに行った時、明らかに大きな事故とわかる3台の車両が放置されていました。
 内2台は、全損。
 1台は、100万円を超える修理費との事。

 いろいろと話を聞いてみると、
 近頃は任意保険に未加入のドライバーが多いとの事で、
 特に、高齢者の年金暮らしの方は、
 ・高齢による負担増加。
 ・もう遠い所には出かけないから。
 ・年金内での負担が困難。
 なことから、これまで保険を掛けていた人も
 自賠責(強制)だけに切り替える方が多いとの事です。
 
*20代の独身ドライバーにも危機感がないとの話も聞きましたが、その話は別の機会に。

 ただし、
 自賠責の場合は、
 ・対人のみ補償があるだけで、
 ・対物に対する補償はない
 
そうです。

 私の場合、新車購入3年間は、免責を最大にして車両保険を掛ける事にしているのですが、ディーラーさんの話では、今後の困難な世情の中で任意保険に加入しない人が増えるので、
 「余裕があれば車両保険も入っておいた方がいいですよ。」
 とのことでした。
 <他人の保険が充てにならないなら、自分の保険で補う。>

 確かに
 <給与から年金にシフトすることで収入が減る高齢者。>
 ばかりでなく、
 <世界同時不況の荒波の中で手取り給与が減らされる方々。>
 や、
 <格差社会の進行と、失業の憂いに喘ぐ人々。>
 が増加する中での、
 保険継続は困難かも知れません。

 現実的に現状でも支払いが困難な方々も多く出てきているとの事です。

 しかし、
 <地方において車なしに生活する困難もまた事実。>

 特に近年、
 <郊外に大型商業施設が急増>し、
 益々、自動車依存型社会が加速されています。 

 下記にWebニュースを転載させていただきましたが、
 自動車を所有する責任能力の低下は顕著で、
 補償能力もなく、運転能力も低下する中での
 自動車なしでは生きることのできない社会。

 高齢者ドライバー(運転免許所有者)を75歳以上と仮定して、
 現在75歳以上の方は、昭和10年(1935年)以前に生まれた方々。
 おそらく、
 ・1930年代生まれの男性ドライバーは80%くらいで、女性ドライバーは30%くらいでしょうか?
 ・1940年代なら、男性で90%。女性で60%くらいでしょうか?
 ・1950年代なら、男・女性ドライバーとも90%を超えているはずです。
 さらに、
 ・1960年以後~1980年代に生まれた男女となれば95%以上のドライバーがいると考えられます。

 つまり、
 今後の高齢化社会の中で年々高齢者ドライバーの割合が増えていくことは確実で、
 不安定な年金社会の中での自動車保有>は、
 これまでの形態とは大きく異なる事実に注視しなければなりません。

 私達が考えている以上に高齢化社会の中での自動車をめぐる問題は深刻で、
 高齢化による事故の増加は、任意保険料の増額につながりそうですし、
 増額による任意保険未加入者がさらに増えていく、
 <負のスパイラル>

 もう一度書きます。
 任意保険未加入者ドライバーや無保険者ドライバーの増加と、
 ドライバーの瞬時の判断力の欠如。
 *高齢ばかりが原因でなく、運転中の携帯電話やメール、車内DVD、不況下に於ける心理的不安等、様々な要因が考えられる。

 その解決を自動車の新たな性能に求めるのか、
 タクシー等、他者の運転への移行を促進するのか、
 街づくりに問題の解決を求めるのか?

 今後、この問題は思いもよらぬ大きな課題になりそうです。
 

 <ブログ内記事へのリンク>

 *自動車の未来。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20081110

 *思いつくままに、~5月25日の日記。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20080525


 【認知症ドライバー】
 
 *75歳以上のドライバーを対象に判断力などを簡易検査する「認知機能検査」が今年6月から導入されるのを前に警視庁は、東京都内で運転免許を持つ75歳以上の人のうち、認知症と最終的に診断される可能性のある人が約1600人に上るとの試算をまとめた。
 警視庁は認知症が疑われる人には専門医がいる病院を紹介しており、今後、紹介件数の増加が見込まれることから、委託先の病院を現在の都内6ヶ所から10ヶ所程度に拡大して対応する方針。
 認知機能検査は、運転免許の更新時に30分ほどのペーパーテスト形式で行う。
 日時を答えてもらったり、動物などの絵を見てもらい、いくつ覚えられるかなど時間感覚や記憶力を確かめる。
 警視庁運転免許本部によると、都内の75歳以上の運転免許保有者は昨年11月現在で約16万2千人。
 警察庁が実施した認知機能検査の試験データをもとに同本部が独自に分析したところ、1%に当たる1600人程度が認知症と専門医に診断される可能性があるとの試算が出た。
 警視庁は現在、交通事故を起こした高齢者に認知症が疑われる場合、各警察署から通報を受けた運転免許本部が、専門医がいる委託先の病院を紹介している。 
 昨年1月から同11月までの間に計21人が認知症と診断され、大半の人が免許証を自主返納。
 免許取り消しの行政処分を受けた人も2人いた。
 今年から従来の取り組みに加え、認知機能検査が導入されることから、警視庁は委託先の病院を増やす必要があると判断。
 地域に偏りなく病院を確保するため、新たに4ヶ所程度の病院に引き受けを要請している。
 75歳以上の運転者が交通事故の原因になるケースは2007年、全国で422件発生。
 その10年前の283件に比べ、約1・5倍に増えており、同年の道交法改正で認知機能検査の導入が決まった。
 警視庁運転免許本部は、
 「認知機能検査は高齢者から免許証を取り上げるためではなく、その人に合った運転指導をするのが目的。高齢者の運転による事故が増えている背景も踏まえ、理解を得ていきたい。」
 としている。

 <認知機能検査> 
 
 75歳以上の人が運転免許証を更新する際、判断力や記憶力などを調べる簡易検査。
 (1)認知症の恐れがある。
 (2)認知機能低下の恐れがある。
 (3)認知機能低下の恐れなし。
 の3分類で本人に伝え、高齢者講習の内容にも反映させる。

 (1)と判断され、かつ過去1年間に信号無視や一時不停止など15項目の基準行為に該当する違反があった場合、専門医による診断(臨時適性検査)を行い、認知症と認められた場合、免許取り消しなどとなる。
 (2009年1月8日  東京新聞)
 

 【死亡事故。】

 *30日午後5時20分ごろ、大阪府八尾市水越1丁目の国道170号交差点で、奈良市の自営業男性(77)の乗用車が横断歩道を歩いていた八尾市の無職女性(75)をはねた。
 乗用車は国道沿いの歩道に乗り上げて逃走し、約80メートル北の歩道上で自転車に乗っていた大阪市平野区の会社員男性(43)をはね、さらに約120メートル先で駐車中の乗用車2台に次々に接触して止まった。
 女性はひざの骨を折る重傷、会社員は足に軽傷を負った。
 乗用車の男性も胸などを打って病院に運ばれたため、八尾署は回復を待って道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで事情を聴く。
 男性は女性をはねた後、いったん車外に出て様子をうかがったという。
 (朝日新聞:2009年1月30日)


 *26日午後1時40分ごろ大阪市港区波除の居酒屋に、近くの無職男性(74)が運転する乗用車が突っ込み近所に住む客の2人をはねた。
 直後に車はバックし、自転車で路上を通行中の女性と接触した。
 この事故で店内にいた2人の客は、間もなく死亡。
 大阪府警港署は自動車運転過失傷害容疑で容疑者の無職男性を現行犯逮捕した。
 今後、同致死傷容疑に切り替えて捜査する。
 同署によると津田容疑者の自宅は居酒屋と道路を挟んだ向かい。
 出かけるために、西側に出入り口のあるガレージから車を発進させて左折した直後、南側にある店に突っ込んだという。
 その後、車をバックさせて車庫に戻そうとし自転車をはねたとみられる。
 さらに、車を再び前進させて駐車中の車に衝突して止まった。
 容疑者の無職男性は1人暮らし。
 右足が不自由で下肢4級の障害者手帳を持っていた。
 運転していた車は通常の仕様と違い右側にブレーキペダル、左側にアクセルペダルが配置されていた。
 (毎日新聞:2009年1月27日)


 【もみじマーク】

 *高齢ドライバーが車に表示する「もみじマーク」のデザインが、「落ち葉のようだ」などといった不満の声を受け、警察庁はデザインの変更を含めて検討するため、有識者会議を開いた。
 高齢ドライバーが車に表示する「もみじマーク」のデザインについては、「落ち葉や、枯れ葉のようだ」、「黒い枠が不吉だ」などとい不満の声が上がっている。
 このため警察庁は、アートディレクターなどをメンバーに入れた有識者会議を立ち上げた。
 有識者会議ではデザインについて国民の声を調査したうえで、デザインを変更するかどうかも含め、今後検討することにしている。
 (FNN:2009年1月30日)

 *2008年6月の改正道交法施行で、75歳以上の高齢者ドライバーに罰則付きで義務付けられた「もみじマーク」表示について、警察庁は12月25日罰則を撤回し、表示を努力義務に戻す同法改正試案をまとめた。
 正式に法案化し、来年の通常国会に改正案を提出する方針。
 もみじマークは「枯れ葉を連想させる」として批判があり、義務化が決まった施行前の5月ごろには、「高齢者いじめ」などと国会で与野党から批判を受けたことなどから、警察でも摘発を1年間先送り。
 「違反者も指導にとどめる」としていたが、結局、半年で撤回することになった。
 現行の改正道交法では、75歳以上の運転者については、車にもみじマークの表示を義務付けられ、違反者には行政処分の点数1点と反則金4000円を科すなど罰則が盛り込まれている。
 同庁が今回示した試案では、この道交法を再改正し、75歳以上の表示義務違反について、「罰則を当分の間、適用しない」とし、70~74歳と同様に表示を努力規定にとどめる。
 批判を受けたもみじマークのデザインについても来年1月に有識者らの検討委員会を設置し、変更を検討する予定という。
 もみじマークは平成9年の道交法改正で導入。
 75歳以上に対し、高齢が運転に影響を及ぼす恐れがある場合、車の前後に表示することを求めたが、当初は努力規定だった。
 14年からは70歳以上を対象とするなど警察庁では高齢者の事故対策を講じた。
 しかし、75歳以上について、運転者が原因の死亡事故が10年前の約1・5倍(昨年)に増加。
 一方、もみじマークの表示率は18年1月時点で35・3%と低迷していたため、政府は、もみじマークを努力規定から罰則付き義務に強化した。
 もみじマークを再び努力規定に戻すことについて、警察庁は「表示率が約75%まで上昇したため」などと理由を説明している。
 (MSN産経ニュース:2008年12月25日 )

 
 
 ◇自分や家族守る命綱(保険のプロからのアドバイス)。
  ~徳重清志さん(鹿児島県薩摩川内市出身)へのインタビュー記事。~

 車で事故を起こしても、保険があるから大丈夫と思っていませんか。
 でもね、県内の2台に1台は任意保険に入っていません。
 車検なしで走っている車さえいる。ということは保険もなしなんです。

 「え!そんな。」
 という表情の中高年たち。

 薩摩川内市で開かれた市民講座の受講生はのっけから話に引き込まれた。
 話の主・徳重清志さんは、保険代理店業務の傍ら、宅配業者やタクシー会社、地域住民などの勉強会で年に十数回、講師を務める。
 事故の十分な補償には、法で加入が強制される自動車損害賠償責任保険(自賠責)や責任共済だけでなく、任意保険も欠かせない。
 だが無車検の場合はどれにも加入していない。
 「毎日のように車に乗りながら、保険に無関心なんですね。
 自分や家族を守る大事な命綱なのに。」
 と徳重さんは嘆く。

 鹿児島県警の統計では、
 県内の2008年の交通事故による死者は前年比8人減の88人。
 うち65歳以上の高齢者の割合は68・2%に達するが、
 「高齢者では任意保険に加入していない人が多い。
 農作業で使うだけ、経済的な余力がないという。
 でも事故は自分だけでなく相手やその家族も巻き込む。
 十分な保険がないと大変です。」
 と自らの経験を話す。

 事故を起こした場合、
 「携帯電話(のカメラ)でいいから、
 ・互いの車の位置。
 ・破損状態など現場写真を撮る。
 チョークでタイヤの場所に印を書けば万全」。

 また、すぐに現場に保険担当者を呼んで任せる。
 ▽やりとりは紙に書いて確認書に
 ▽けがをさせたら必ず病院へ、何度もお見舞いに行く。
 誠意を見せれば処理も円満に進む
 ▽どんな事故でも健康保険証は使える。
 などなど、受講後さっそく車から保険証書を取り出して相談する人もいる。
 最後に、読者へアドバイスを求めた。
 「ご自分の自動車保険証書を一度よく見てください。
 保険は我が身を守るためですよ」
 (毎日新聞:2009年1月25日地方版)

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【世界同時不況】:オバマ大統領就任と中東 ~2009年1月23日。

2009-01-23 23:10:00 | 政治・社会・時事


 2009年1月20日(日本時間21日未明)。
 オバマ大統領が誕生しました。
 就任演説を録画して、朝見ようと思ったら起きる事ができず、
 結局その日の夜に見ました。
 
 見た感想は、アレッ?と思うほど感動することもなく、
 演説そのものを記事にすることをやめました。

 では、なぜ感動できなかったのか?

 色々考えた結論が、
 ・勝利宣言は、
 オバマ大統領がこれまで行ってきた活動とその結果生まれた民主主義の勝利(人種を超えた選択)に世界が酔ったこと。
 ・就任演説は、
 今後オバマ大統領が行おうとしている方針の説明に具体案が示されなかったこと。

 民主主義の勝利に酔った世界市民に対し、
 現実の世界情勢を訴え、冷水を浴びせたことと、
 詰め込みすぎに多くの言葉を伝えようとし、
 内容のポイントを意味不明なものにしたこと。

 そんな感じでしょうか?

 この演説について翌日居酒屋で数人の方と話題にしたのですが、
 見事に整理整頓された文節(スピーチ)が、
 <言葉遊び>のように聞こえたのは、
 ボクだけじゃなかったみたいで安心しました。

 さらに新聞やWeb上に掲載された、
 文字に起こされた記事の内容を確認すると、
 新しい提案が何一つ示されていなかったことにも、
 個人的に感動できなかった理由があるようです。

 政治クリエーターとしてのオバマ新大統領の今後に期待しているのですが、
 出てきた言葉は、<過去への賛歌>と、<語りつくされた方針>
 さらに敵と味方を分別することなく、八方美人的な語り口に疑問を感じました。

 高い支持率は、支持している国民の多くが、
 <自分達の味方>と感じているはずで、 
 明確にしなかった敵と味方の分別に、
 自分達の味方と信じて疑わない市民に対し、
 今後疑惑が持たれないような政策(味方であり続ける事)を、
 どのように証明していくのか?
 大衆心理を掌握していく手腕に注目します。

 この演説(スピーチ)が行われる前に、
 個人的に頭に描いていた事項が2点あります。
 ・ひとつは、イスラエルに対するメッセージ。
 ・ひとつは、経済対策のおける具体的な数字。
 予想通り、2点とも語られることはありませんでした。

 しかし、就任後直ちにオバマ大統領が、
 イスラエル、パレスチナ自治政府、エジプト、ヨルダンの首脳と電話で会談を持ち、
 中東和平に積極的に関与する意思を表明したとのニュースは、
 オバマ新大統領の行動の速さを如実にしめす快挙だと感じます。

 就任演説の中で強く印象に残ったことは、
 イスラムに対する理解と、
 テロに対する敵意を明確にしたこと。

 イスラム諸国とテロ組織を同一視しないことを明言したことは、
 今後のアメリカの方針転換に希望を持たせます。

 ただし、イスラエルの今後の行動は、
 オバマ大統領にとって<踏み絵>の色合いが強く、
 イスラエルの行動(実力行使)を認めないことは、
 これまでのアメリカの行動を否定することになり、
 イスラエルの行動に理解を示すことは、
 何も変わらないアメリカを世界に示すことになります。

  2001年9月11日の同時多発テロで亡くなった3000人近くの人々。
 この事件をきっかけに、
 アフガニスタン、イラクへと<テロとの戦い>を容認した世界。

 しかし、2003年のイラク侵攻以後に、
 イラク国内で亡くなった方々は100万に以上。
 *2003年のイラク侵攻以降、
 戦争によるイラク国内の死者は、約103万3000人に上り、
 全世帯のおよそ5分の1で少なくとも家族1人が死亡した計算。
 全国で死者数が最も多かったのは首都バグダッドでは、
 市内全世帯の4割で家族の誰かが死亡している。
 (2008年1月31日/AFP:記事転載)

 
ただし、この100万人の内、
 どれだけの人々が多国籍軍の攻撃によっての死亡なのかは不明です。
 おそらく、
 イラク人同士の自爆テロや内紛(民族紛争や宗教闘争)によって、
 亡くなられた方々も多いと思いますし、
 仮に多国籍軍のイラク侵攻がなくても、
 フセイン政権下での恐怖政治による宗教派閥の粛清は、
 イラク国内での死亡者が数十万人に及んだ可能性もあります。

 単純に数字にすることが誤りであると認識しつつも、
 
3,000⇔1,030,000。
 *ただし、
   イラク侵攻後のアメリカ兵の死者数は、4000人以上。
   多国籍軍の死者数も300人近く。(不確定な情報)


 では、2008年12月に始まり、今日現在停戦中の
 イスラエル軍のガザ地区侵攻は、どうでしょうか?

 
昨年12月に始まったイスラエル軍のガザ攻撃による
 死者が、1330人。
 負傷者が、約5450人。

 現地医療関係者が22日の発表によると、
 死亡者のうち少なくとも半分以上が一般住民で、
 437人が16歳以下で、
 110人が女性。
 医療関係者14人。
 ジャーナリスト4人も死亡した。
 また負傷者5450人のうち、
 1890人が子どもで200人が重体だという。
 治療のためにガザ地区から外部に搬送された人の数は600人に上った。

 イスラエル側では、
 民間人3人と
 兵士10人(内数名が味方の誤射との情報もあり)が、
 戦闘やロケット弾により死亡し、
 数十人が負傷したとイスラエル当局は発表している。
 (2009年1月23日/AFP:記事転載)  

 再び単純に数字にすることが誤りであると認識しつつ、
 13⇔1,330

 オバマ大統領の困難は、
 この数字に示される<イスラムの怒りや悲しみ>を、
 言葉によって希望に置き換えることの無意味さ。

 力による外交を対話による外交に置き換える時、
 その忍耐を自国民に指導することの難解なパズル。


 日本に住んでいると経済問題ばかりに目が行きますが、
 世界の現状は、<恐れと怖れの信用不安>

 冷戦時代の米ソの核開発心理(相手に対する過剰な恐れ)が、
 今、中東諸国(イスラム圏)で起きている現実。

 オバマ大統領への信認の力は人種を超えました。
 しかし、
 宗教(信仰)を超えて信用不安を払拭できるのでしょうか?

 核の拡散(所持と疑惑)を下記に示せば、
 
・インド(ヒンドゥー)とパキスタン(イスラム)。
 ・イスラエル(ユダヤ)とイラン(イスラム)。
 そして、日本(混合宗教)の隣国
 ・北朝鮮(共産思想=原則的に無宗教)。

 就任演説に感動している場合ではない世界の現実と苦悩を
 オバマ大統領は、自らの言葉で語りたかったのでしょう。

 <恐れと怖れの信用不安。>

 世界同時不況の次のキーワードは、
 この言葉かも知れません。


 <関連記事>
 
*世界同時不況と動乱:イスラエルの暴挙、~2008年12月27日。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/7d7494b64d57114865c2614353ec4bae   

 
 
<2008年12月と2009年1月の数字の比較。>   

     日時    日本株   アメリカ株   円⇔ドル  円⇔ユーロ  原油価格
 12月20日  8588円台  8579㌦台   89円台   124円台   33㌦台
  1月20日  8065円台  7949㌦台   89円台   115円台   38㌦台
  1月21日  7901円台  8228㌦台   89円台   116円台   43㌦台   
   

 

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総選挙を前に、各政党の連立政権(大連立)への意志を問う。

2009-01-13 21:43:00 | 政治・社会・時事

 7時のNHKニュースでちょっと気になるアンケート結果がありました。

 このアンケートでは、
 7割近くが、
 「次期選挙後の政権は連立である事が望ましい。」と回答。

 どのような質問の形から、この回答を引き出されたのかは不明ですが、
 その内、4分の1の回答者が<自民と民主の大連立>を希望しています。 

 実は、私もこの混迷の局面では、大連立が望ましいのではないかと考えています。

 多く難題を前に、次々と法案を成立(改定)させる手段としての大連立は、
 官僚機構主導の行政運営の硬直を打開する手段になります。
 *ただし、日本の将来や国民の幸福を立案した官僚機構の功績は評価しなければなりませんし、
 日本の頭脳集団が、政治機構の中には生まれ難い性質にあることも認めなければなりません。

 現在の政治は小さな問題点に執着するあまり、
 <意を同ずる大同が疎か>になっています。

 世界環境が高速で変化する中で、
 大同を先に決定していく方法が大連立です。

 2007年の11月には、福田総理と小沢代表が大連立案に同意しています。
 しかしその時は、
 <選挙民に対する背徳である。>との強い民主党員の反対から、
 お2人の約束は反故されました。

 時期オバマ政権は、彼の語った施政方針から鑑み日本に対し、
 アフガンへの自衛隊派遣を要求(希望)してくることは間違いないでしょう。

 オバマ政権が、中国に強い関心を示しているのは経済面だけでなく、
 隣国アフガニスタン問題への協力要請を意識してのことでしょう。
 
*イスラエルとアラブ・パレスチナとの紛争問題は、
 中東と ヨーロッパの問題としてアメリカは捉えるでしょう。

 そうした新しい国際協調枠の中で、
 日本政府が機能マヒをしていては世界の失笑を買いますし、
 世界同時不況後、
 経済大国としての日本の立場は維持できても、
 政治貧国日本の位置を世界に明示することになりかねません。

 そんな事を考えると(憲法改定も含め)次期総選挙後の、
 <可能性としての大連立を示唆した戦い>
 を視野に入れる必要があると私は考えています。
 *絶対に大連立がないと断言してしまって選挙を戦えば、
   急を要する政治判断が求められる事態が生じても、
   この先の4年間も捻れ膠着を続けることになります。

 そのためにも、
  若い世代の自民、民主の両党員が話し合いの場を持ち、
 選挙がどのような結果になっても、
 <大同を優先した政治姿勢>
 
を打ち出すべきでしょう。

 でなければ
膠着状態の中、
 2大政党の中間に位置する少数派の政党がキーポイントを握ることに繋がり、
 混迷の中での政治選択が少数派の意見に振り回されることになりかねません。 

 本日、一人の議員が自民党を去りましたが、
 帝王学のないスタンド・プレーを私は評価しません。

 大同を示すには<中からの改革>が必要です。
 国民主導の思い切った思想(政策)を示し、
 国民に新鮮な驚きを与え支持を問う。

 そして、
 多くの壁を取り払うべき姿勢を示す。
 若い政治家達の働きに期待します。 


 
*NHK世論調査(2009年1月13日)
 http://www3.nhk.or.jp/news/k10013526021000.html

 *次の衆議院選挙後の望ましい政権の形を質問したところ、
 
・民主党が中心となる連立政権が、24%。
 ・自民党と民主党による大連立政権が、24%。
 ・自民党が中心となる連立政権が、21%などとなりました。
 (無作為1796人の内62%:1106人から回答。)


 ~Web上の記事全文。 

 麻生内閣を
 「支持する」と答えた人は、先月より5ポイント下がって20%だったのに対し、
 「支持しない」と答えた人は、6ポイント上がって71%でした。

 NHKは、今月10日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行いました。
 調査の対象となったのは1796人で、このうちの62%に当たる1106人から回答を得ました。
 それによりますと麻生内閣を,
 「支持する」と答えた人は、先月より5ポイント下がって20%だったのに対し、
 「支持しない」と答えた人は、6ポイント上がって71%でした。

 そして、
 政府の経済対策に盛り込まれている2兆円規模の定額給付金に対する評価を尋ねたところ、
 「大いに評価する」が6%、
 「ある程度評価する」が16%だったのに対し、
 「あまり評価しない」が28%、
 「まったく評価しない」が45%でした。

 また、
 消費や預貯金などの面で定額給付金の支給に期待しているかどうか聞いたところ、
 「大いに期待している」が5%、
 「ある程度期待している」が16%だったのに対し、
 「あまり期待していない」が39%、
 「まったく期待していない」が35%でした。

 そのうえで、
 民主党などが定額給付金を第2次補正予算案から切り離すよう求めていることへの賛否について、
 「賛成」が45%、
 「反対」が13%、
 「どちらともいえない」が38%でした。

 また、
 麻生総理大臣が経済状況を好転させることを前提に、
 3年後に消費税の税率を引き上げる姿勢を示していることについて、
 「大いに評価する」が4%、
 「ある程度評価する」が29%だったのに対し、
 「あまり評価しない」が30%、
 「まったく評価しない」が31%でした。

 そして、麻生総理大臣が平成21年度予算案と関連法案が成立するまでは,
 衆議院の解散・総選挙を行わないと表明したことについて、
 「大いに評価する」が6%、
 「ある程度評価する」が26%だったのに対し、
 「あまり評価しない」が31%、
 「まったく評価しない」が30%でした。

 そのうえで、
 次の衆議院選挙後の望ましい政権の形を質問したところ、
 「民主党が中心となる連立政権」と、
 「自民党と民主党による大連立政権」が、いずれも24%.
 「自民党が中心となる連立政権」が21%などとなりました。

 さらに、
 次の衆議院選挙後の総理大臣に、
 麻生総理大臣と民主党の小沢代表のどちらがふさわしいか尋ねたところ、
 「麻生総理大臣」が12%、
 「小沢代表」が25%、
 「どちらもふさわしくない」が54%でした。

 各党の支持率は、
 ▽自民党= 28.4%
 ▽民主党= 24.5%
 ▽公明党=  2.7%
 ▽共産党=  1.7%
 ▽社民党=  1.3%
 ▽国民新党= 0.3%
 ▽無党派= 34.8%

 <関連記事>
 *小沢代表と福田総理のこと、~たまには政治の話でも。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/1d6ff72950553e2e23f7a06a5c6731d0

 

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世界同時不況と動乱:イスラエルの暴挙  ~2008年12月27日。

2008-12-28 14:55:00 | 政治・社会・時事

 2008年12月27日(日本時間28日)。
 この日は、現在世界で進行しているアメリカ発の世界同時不況と並び、
 世界史に残るキーポイントとして記憶されるかもしれない。
 (イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの過去最大規模の空爆。)

 世界同時不況で最も大きい影響を受けた地域は、現時点ではアラブ諸国である。
 下記に記載した、12月17日(日経新聞)、同20日(読売新聞)の転載記事を見ていただければお分かりだと思うが原油価格の下落が止まらない。
 147円は行き過ぎとしても、80円~100円で推移していた原油価格が、洞爺湖サミット以後に急落し、現在は30円台(ピークの約4分の1)にまで下降した。
 
 以前、このブログの記事内(オイルピーク説)で、
 「現在の世界の需要バランスを考えると60円台が妥当か?」
 と記入したが、30円台はいくらなんでも安すぎる。
 特に、アラブ諸国にすれば過去最高の減産を発表した直後に急激な下落曲線を示したことは、衝撃の2文字以外にないだろう。

 そのアラブ諸国が石油価格を上昇させる最後の切り札(不適当な言葉と承知して)こそ、アラブとイスラエル(イスラムとユダヤ)の対立。

 原油価格が30ドル台に急落した時、中東の困窮と今後の混乱が、チラッと頭をかすめたのだが、この時期(新年を前にして)この形で表面化するとは思っても見なかった。

 原油価格が1バレル:147円に達した時に、イスラエルがイランの核施設に砲撃を加えた場合、原油価格が1バレル:200ドルを超える危機が噂された。
 下記記載した12月26日(共同)の記事で、イランのアホンザデ外務次官の楽観的な見方を紹介しているが、このイスラエルの暴挙は、楽観を悲観に転換する動乱への大きな一歩とならぬか危惧に耐えない。

 今後、中東地域の緊張は必至で、事態を見極め(過去の歴史に照らし合わせ)教科書通りに進むとすれば、原油価格は上昇し、ドルが買われる。
 また、今回のイスラエルの暴挙に対して一歩世界が判断を誤れば、小さな小競り合いは、世界同時不況で経済的な大打撃を受けた中東地域の不平不満を一気に爆発させる大きな火種となりかねない。

 世界の対応はひとつ。
 イスラエルの行動を決して容認してはならない。
 日本政府は素早い対応でイスラエル政府を非難し、中東諸国の反撃回避に向けて世界が協調して対策に当たらねばならない。
 また、行き過ぎた原油安を歓迎するばかりでなく、中東諸国の実情に即した原油価格の調整にも配慮が必要だと感じる。

 11月下旬(2008年11月26日)にインド西部の商業都市ムンバイ(ボンベイ)のホテルやステーションで起きた日本人1名を含む160名以上の方が犠牲になった同時多発テロ事件や、同じく11月下旬から1週間以上にわたりバンコクのスワンナプーム国際空港が反政府デモで閉鎖され、多くの邦人の足にも影響が出た国際空港封鎖事件など、世界は動乱の時代に一歩足を速めたのかも知れない。

 新年の祝いを前にし、何の罪もないのに犠牲になった多くの方々。
 胸の痛い事件だ。


 <関連記事>
 *世界同時不況:オバマ大統領就任と中東  ~2009年1月23日。

  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/b1a68308a7495f70df49a19817e537ef

 *世界同時不況:経済災害と危機管理、~2008年12月:第3週。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/62213ea92e5f7827e749b5fec3de88c6


 <イスラエルとアラブの対立。>

 *イスラエル軍は27日、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザに大規模な空爆を行い少なくとも229人が死亡、700人以上が負傷した。
 空爆は同日夜になっても続き、死傷者はさらに増える可能性もある。
 イスラエルは今回の空爆について、ハマスがガザ地区での停戦終了を宣言した1週間前から激化している同地区からのロケット弾などによる攻撃に対応したものと説明。
 攻撃によるイスラエル側の負傷者は出ていないが、来年2月の総選挙を前に野党が優勢との世論調査の結果が出ていることもあり、イスラエル政府はこうした攻撃を食い止める圧力にさらされていた。
 また、イスラエルのメディアによると、同国陸軍は同日遅く、ガザ地区との境界付近での地上部隊の兵力を増強したという。
  (ロイター:2008年12月28日/記事転載)   

 *イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザで引き続き空爆を実施。
 イスラエルのバラク国防相は、ガザ地区からイスラエル南部へのロケット弾攻撃が激化している事態を受けた措置だと発言。
 しかしガザ地区を実効支配するイスラム強硬派勢力ハマスは、停戦に違反したとしてイスラエルに非難の矛先を向けている。
 バラク同相は、ハマスの戦闘員が「態度を改める」用意ができるまでイスラエルが攻撃を継続する方針を表明。
 「この作戦は短期ではない。テロとの戦いが進行するなか、われわれは(イスラエル)南部情勢を変えるため断固たる態度を取らなければならないだろう」と語った。
 イスラエルとハマスがエジプトの仲介で結んでいた停戦は19日に切れている。
 同相はCNNに対し、イスラエルが3年前にガザ地区を撤退した後、同地区から無実の市民がロケット弾攻撃を受ける結果になったため軍事力で対応せざるを得なくなっていると述べた。
 ハマスはイスラエルへの報復攻撃を明言。
 スポークスマンのオサマ・ハムダン氏は、
 「われわれは住民と土地を守るために立ち上がる。あきらめない」とコメントするとともに、ハマスがロケット弾攻撃で停戦に違反しイスラエルの攻撃を挑発したとの見解を否定した。
 ハムダン氏はまたCNNに対し、停戦期間中のロケット弾攻撃を全面否定。
 「停戦に違反したのがイスラエルであることは明らかだ。停戦期間中、全ての検問所を閉鎖し,パレスチナ人28人を殺害した」と述べた。
 イスラエルとハマスの間で非難の応酬が続くなか、ガザ市内では遺体が散乱。
 医療関係者が負傷者の手当てに追われている。
 負傷者の大半は重傷を負ったか深刻な容体にあるとされる。
 エジプト政府は負傷者の治療および搬送を支援するため、救急車20台と医療要員をガザ地区との境界付近に派遣した。
 アラブ連盟は空爆を非難し、カイロで28日午後7時から緊急会合を開くことを決めた。
 ムーサ事務局長はCNNに対し、ガザ地区情勢の緊迫化に懸念を示し、民間人の死傷者が出たことを重く受け止めていることを明らかにした。
 同連盟は国連安全保障理事会に対し、全ての当事者に暴力停止と和解を呼びかける声明の発表もしくは決議の採択を求めていく。
 パレスチナ自治政府にも各勢力間の内紛解決を促す方針という。
 また、米国家安全保障会議(NSC)のジョンドロー報道官やライス米公務長官は、イスラエルの空爆とハマスのロケット弾攻撃を非難し、停戦回復を望む姿勢を表明。
 潘基文国連事務総長も声明で深い危機感を示し、直ちに暴力沙汰を止めるよう呼びかけた。
 (CNN Japan:2008年12月28日/記事転載)

 *来日したイランのアホンザデ外務次官(アジア・太平洋担当)は26日、都内で記者会見し、イスラエルがイランの核施設を攻撃する可能性について「脅しや神経戦にすぎず、われわれはなんら注意を払っていない」と語り、現実にはあり得ないとの認識を示した。
 次官は、イスラエルがパレスチナ人に対して大量虐殺をしていると強調。
 「イスラエルは自分たちが起こした問題から国際社会の関心をそらしたがっている」と述べた。
 自国の核開発についてはエネルギー目的だと主張し、国際原子力機関(IAEA)の監督下での核開発を認めないのは「米国の二重基準だ」と批判した。
 アホンザデ次官は、日本外務省との次官級協議のため来日した。
 (共同:2008年12月26日/記事転載)


 <石油減産と原油価格の大幅下落。>

 *石油輸出国機構(OPEC)は17日、アルジェリアのオランで臨時総会を開き、過去最大級となる日量220万バレルを来年1月から減産することで合意した。
 原油価格は7月に付けた過去最高の1バレル147ドルから、5カ月で同40ドル台に急落している。
 OPECの現在の目標生産量は日量2730万バレル(イラクとインドネシアを除く11カ国)。 今回の減産幅は、その約8%に相当する。
 OPECは、11月から150万バレルの減産を実施。
 9月にも50万バレルの実質減産を発表しており、累計の減産量は420万バレルとOPEC非加盟国も含めた世界全体の生産量の約5%に達する。
 短期間にこれだけの減産を実施するのは異例だ。
 (2008年12月17日/日本経済新聞:記事転載)

 *19日のニューヨーク原油先物市場は、世界的な景気悪化の懸念で石油需要が減るとの観測から売られ、指標となるテキサス産軽質油(WTI)の1月渡し価格は、前日比2・35ドル安の1バレル=33・87ドルと、6営業日連続で下落。
 2004年2月以来、約4年10か月ぶりの安値を付けた。
 一時は、1バレル=32・40ドルまで下落した。
 19日の終値は、終値で史上最高値を記録した7月3日(145・29ドル)から77%下落した格好だ。
 石油輸出国機構(OPEC)は減産を決めたが、石油需要の落ち込み懸念から売られる傾向が強まっている。
 (2008年12月20日/読売新聞:記事転載)


 <1月3日:地上部隊のガザ侵攻>

 *イスラエル軍は3日夜、パレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を開始した。
 発生から2週間目に入った今回のガザ攻撃はイスラエルにとって2006年のレバノンでの戦争以来最大規模の軍事作戦になった。
 (2009年1月3日/AFP:記事転載)

 *ブッシュ米大統領は3日、週末の国民向けラジオ演説でガザ情勢の悪化を招いた責任はハマスにあると非難した。
 さらに「イスラエルへのロケット弾攻撃を再び招くような一方的停戦は受け入れられない」と語り、兵器の供給封鎖などハマスへの有効な監視が停戦発効の鍵となるとの考えを表明した。

 *フランスのサルコジ大統領は5日からの中東歴訪を前に,パレスチナ自治区ガザを実質支配しているイスラム原理主義過激組織ハマスに関し、「ガザのパレスチナ人の苦悩に重い責任がある」と述べハマスを非難した。
 パリのイスラエル大使館前では同日、
 ガザへのイスラエル軍攻撃を「正当防衛」として支持するデモが行われ、ユダヤ系住民ら約1万2000人(主催者側発表)が参加した。
 一方、パリ・オペラ座付近では同日、
 イスラエル軍の地上部隊のガザへの侵攻に抗議するデモを行われ約200人が参加した。
 デモ参加者からユダヤ系住民3人が殴られる事件も発生した。
 3日のイスラエル軍への抗議デモには約2万人が参加したが,デモの最後尾に数百人の暴徒が参加し,警官隊と衝突した。
 (以上、2009年1月3日/MSN:記事転載)

 <1月19日:停戦>

 *イスラエルは18日、パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦の一方的停止に踏み切った。
 米国の政権交代を20日に控える中、国内で厭戦(えんせん)気分が高まる前にいったん矛(ほこ)を収めた形だ。
 イスラム原理主義組織ハマスも同日、期限つき停戦を宣言。
 国際社会が関与する形でガザ安定に向けた枠組みを構築できるかが焦点となる。
 イスラエルが一方的停戦としたのは、ガザ封鎖解除などハマス側が出した停戦条件をはねつけるとともに、武装勢力への攻撃の機会を留保するためだ。
 ガザからは18日もロケット弾が発射され、イスラエルのオルメルト暫定首相は「停戦が脆弱(ぜいじゃく)なものであることが証明された。攻撃が続けば軍は反撃する」と改めて強調した。
  (2009年1月19日日本経済新聞:記事転載)


 

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経済独り言: 『平成21年度予算』は、火事場泥棒か?否か?

2008-12-26 23:23:23 | 政治・社会・時事

 
 12月20日に記載した、
 「世界同時不況・経済災害と危機管理。」の記事の中に、
 <火事場泥棒>と言う強い表現を使ったことが気になっている。

 個人的にこんな強い言葉を文書中に入れることは異例なので、このブログを定期的に読まれている方にとっても意外だったのではないだろうか?

 私の感じるイメージを示すと、
 「アメリカで大きな火山噴火が起こりマグマが一気に噴出し大火災が起きた。
 当初日本は、太平洋岸の火災なのでそれほど大きな被害を受けないと高をくくっていた。
 しかし、火の粉は次々と列島に舞い降り、全土を覆いつくした。
 日本には、テント暮らしの人と、木造家屋に暮らす人と、強固なビルディングに暮らす人がいた。
 先ず火の粉は、テント暮らしの方々の住居を燃やし始めた。
 テント暮らしの人の中には、逃げ場を失い路上生活を余儀なくされる方々も目に付き始めた。
 日本では、そうした不幸な人々のために、毎年皆が金を出し合って助け合おうとする制度があった。
 多くの国民は、そのお金が火災に見舞われた人や、今後の火災の被害対策に使われることを願っていた。
 火の粉は、木造住居にも容赦なく襲い掛かった。
 強固なビルディングは、2つのタイプがある。
 そのうちの1つのタイプは、風通しをよくしようと窓を全開にしていたために次々と火の粉が内部を襲い消火活動に躍起になっている。
 もう1つのビルは、窓ひとつなく、火の粉から、当面は安全なようだ。
 しかし、
 国民から集められたお金の配分は、
 火災によってテント暮らしから路上生活者に身を落とした人や、
 不安で眠れぬ夜を過ごす木造家屋に住む人達にまわされる事もなく、
 窓ひとつない安全なビルの内部の備品整備に充てられるそうだ。
 そのビルの地下には、大きなマグマが燻っている事も知らずに・・・。」

 あくまでも今の状態を示す陳腐な個人的なイメージ(思い込み)なのだが、
 1995年1月に起きた阪神・淡路大地震の折に神戸在住の人から聞いた話がヒントになっている。

 震災の時に焦土となった地域に従来から計画されていた道路をつけるために強制的な行政による立ち退きが行われたそうで、
 「所詮、行政なんて個人の気持ちなど考えていない。震災を利用して火事場泥棒みたいに用地買収しながら計画を実行していくだけだ。」
 との話だった。

 この話の真意は分からない。

 同じく神戸在住の取引先の人にこの話をしたら、
 「神戸と言う地域は、持ち家率が少なく、賃貸住宅が多い。そのために所有者と居住者が違うため色々な考え方の違いから行き違いがあるのかな?」
 との話だった。

 また別の友人の話では、
 「行政の計画は数年後まで既に決まっており、予算待ちの案件が多い。そのため震災による多額の復興予算が付けば、復興計画と同時に従来の計画をリンクさせながら進ませることは当然で、道路幅を大きくする事業計画があれば、同所に再び住宅を建築する場合は、道路拡張部分には地権者の建造する権利が失われるからかな?」
 との話も聞いている。

 つまり、行政の計画とは本質的に従来の計画の実行が最大目標であり、そのための予算配分を求めて血眼で陳情するのが地方行政の役割なのだそうだ。

 書いている本人も理解するに至ってないのだが、
 『平成21年度予算』とは、陳情される予算配分を丸呑みし、従来の行政計画遂行のためのばらまき予算であって、2008年9月以後に世界で起こった多くの出来事と今後起こるだろう事態に対する根本的な対策は盛り込まれてはいないのではないか?

 また、この猛烈な速度で起きる消費意欲の減退と、利益度外視とも思える一部の在庫廃棄のための安売り合戦を見るにつけ、21年度予算での税収見込みも甘いのではないかと感じるし、22年以後の税収に対する不安は、3年後の消費税の増額だけでは補うことができないかも知れない。

 <トヨタヨタに代表される輸出型の優良企業に予想される赤字申告>
 
に基づく税収の目減り(喪失)。

 さらに、
 <確定申告で表面化すると思われる予定納税の大幅な返金>
 など、この22年度予算案自体が税収不足から履行できるのか?

 そんな事を感じて、
 「世界同時不況・経済災害と危機管理。」の記事を書いた。

 今が、不況のピークならばこの予算案でも効果的だ。
 しかし、
 ピークが長引けば不毛な事業計画は国家を破綻させる可能性を持ち、
 そうでなくても<日本の富>は、風前の灯のようだ。
 
 おそらく、強行採決により決定されると見込まれるこの『平成21年度予算』を通過させるならば、決して無駄遣いのないようにして欲しい。
 
 なけなしの21年度予算が、
 
既得権配分に廻されたり、
 無用の高価な用地買収をする資金に廻されるなら、
 収入見込みのない個人に配分されることを望む。

 このブログでは、
 『富の配分』との言葉を、今回の大不況のテーマとするが、
 『富の配分』とは、同時に『痛みの分配』と同義語である。

 困難と苦境が長期間続くと予測される世界同時不況のキーワードは、
 『痛みの分配』だと感じる。

 もし、政府や行政機関が
 『痛みの分配』を民間人にだけ押し付けるならば、
 火事場泥棒との表現も適当ではないのか?
 
 今日は、そんなことを感じた。 

 
 
*火事場泥棒 ①火事場の騒ぎにまぎれて盗みをする者。
           ②どさくさにまぎれて不正な利益を得るもの。
                      ~以上、広辞苑:第4版より転載。

 <関連記事>
 
*世界同時不況:経済災害と危機管理、~2008年12月:第3週。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/62213ea92e5f7827e749b5fec3de88c6


 *政府は25日、各府省の課長・企画官級以上の国家公務員で、今年8月15日までの1年間に退職した1423人の再就職状況を明らかにした。
 許認可で関係の深い独立行政法人、公益法人、特殊法人、認可法人への天下りは計590人に上り、前年の523人から増加した。
 天下り慣行が依然、多くの府省で続いていることが浮き彫りになった。
 再就職先は公益法人が最も多く500人。
 財務省出身者の税理士への転身を反映し自営業が217人と続く。
 (毎日新聞:2008年12月26日/記事転載)

 *金融危機に端を発した実体経済の悪化が企業や家計に暗い影を落としている。
 厚生労働省の調べによると、来春までに職を失う非正規労働者は、8万5000人と前月調査の3倍近くまで急拡大。
 全体の失業率や求人倍率も悪化し、雇用環境が一段と厳しさを増してきた。
 世界的な景気悪化で企業の生産活動には急ブレーキがかかり、上昇基調にある物価には歯止めがかかるが一転してデフレ色が強まる見通し。
 後退局面に入った日本経済がさらに冷え込む展開になってきた。
 厚労省によると、景気後退による企業のリストラによって、今年10月から、来年3月までの間に失業したり、失業することが決まったりしている非正規労働者は8万5012人に達した。
 11月末の第一回調査時からわずか1カ月で2・8倍に急拡大。
 契約期間の満了に伴う雇い止めや、期間途中での解雇に踏み切る事業所の数は全国で1415件となり、3.0倍に膨らんだ。
 (日本経済新聞:2008年12月26日/記事転載)

 *内閣府は25日、2007年の国民1人あたりの名目国内総生産(GDP)が、経済協力開発機構(OECD)に加盟する30カ国中19位だったと発表した。
 前年の18位より下がり、データが比較可能な80年以降では最低となった。
 GDPは米ドル換算で比較、過去最低の更新は2年連続だ。
 07年に順位を下げたのは、ユーロなど欧州の通貨に対して円安傾向だったことに加え、日本の成長率が伸び悩んでいたことによる。
 日本の1人あたりGDPは3万4326ドルで前年より179ドル増えた。
 しかし、
 前年は主要7カ国(G7)中6位だったが、2007年はイタリアに抜かれ最下位となった。
 日本が世界のGDPに占める割合は、07年は8.1%と前年より0.9ポイント低下。
 ピークの94年に比べると半分以下だ。
 前年を下回るのは7年連続で、80年以降では最低。
 こちらも2年連続で過去最低を更新した。
 (アサヒ・コム:2008年12月25日/記事転載)

 *トヨタ自動車は22日、2009年3月期連結決算の営業損益予想を中間決算発表時点(11月)の黒字6000億円から、1500億円の赤字に大幅下方修正した。
 赤字は税引き前損失となった1950年3月期以来59年ぶり。
 未曾有の世界同時不況で販売不振が深刻化。
 さらに急激な円高が追い打ちを掛けた。
 たった1年で2兆円超の営業利益が吹き飛ぶ異常事態となり、トヨタの経営が重大な局面を迎えた。

 ・売上高は、23兆円から21兆5000億円に、
 ・純利益は、5500億円から500億円に変更。
 ・単体の営業損益は、1400億円の黒字から2200億円の赤字となる。

 11月時点と比べた営業減益要因は、連結販売台数見通しを824万台から754万台に70万台減らしたことなどによる販売面の影響が5700億円。
 米ドルやユーロなどに対する為替差損が2000億円に上った。
 12月以降の為替前提を1ドル=90円・1ユーロ=120円とし、
 通期の想定を1ドル=100円、1ユーロ=143円に見直した。

 また、2008年1年間のグループ全体(ダイハツ工業、日野自動車を含む)の世界販売が896万台(前年比4%減)。
 生産は923万台(同3%減)となる見通しを発表。
 例年、この時期に公表している翌年1年間の世界販売・生産計画は、
 「経済、市場の変化が激しい」(渡辺社長)として公表を見送った。
  (中日新聞:2008年12月23日/記事転載。)

 *トヨタ自動車の渡辺捷昭社長が、史上初の営業赤字見通しを発表した記者会見。

 Q;11月の下方修正から1カ月半で再度修正した理由は?

 渡辺社長:
 ~市場の落ち込みが急で速く幅広い。
 為替相場も下期の想定は1ドル=100円、1ユーロ=130円だったが現在の円高が続いた場合、(業績への影響は大きく)大幅な下方修正は避けられない。

 Q;世界の自動車需要はいつごろ回復するとみているか。

 渡辺社長:
 ~見通しが立てば来年の生産・販売計画ができた。
 社内ではすべての地域の市場をチェックしているが、日、週を追って変わる。
 どこが底かというのが残念ながら見えない。
 世界市場をどう見るかは大変難しい。

 Q;厳しい中で成長戦略をどう描くか。

 渡辺社長:
 ~必ず需要は起きる。
 (世界の自動車市場は)半年前まで、2010年には10億台に達するとの予測だった。
 達成時期が遅くはなるが、長期的には新規需要も必ずある。
 ただ、環境やエネルギー、ダウンサイジングなど技術、商品開発をする必要はある。
 今は弾を込めるというか、しっかり技術開発をしていくことが大事だ。

 Q;雇用の見通しは?

 木下光男副社長:
 ~期間従業員は11月末で4700人。
 来年3月末で3000人になる。
 途中の解約はしていない。
 正社員は国内では手を付けていないし予定もない。

 Q;営業赤字を出す経営責任は?

 渡辺社長:
 反省はあるが、今はこの難局をどう乗り越えていくかが大事だ。
 (毎日新聞:2008年12月23日/記事転載。)

 

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雇用確保と治安維持、 ~アイデンティティの意味を考える。

2008-12-25 23:16:00 | 政治・社会・時事

 
 
*アイデンティティ(Identity)とは? 

 
一般的に“自己同一性”と言われ、
 <自分が自分であることを自己認識の中で確認する本能的心理。>であり、
 <自己認識に必要な共同体(社会)の中での自分の位置。>が、
 深く関係する深層心理のひとつ。

 深層心理と既述する理由は、多くの人々にとって、その内面に沸き立つ<自己確認>を言葉にすることは困難であり、特にアイデンティティの喪失感に襲われた時の<モヤモヤとした不安>を言葉で説明しようとする時、他者と自分との関係のみならず原因が漠然とした社会に対する<モヤモヤとした不安>にある場合も多く、深層心理の中に必ず存在する帰属意識(社会の中の一員であるとの自己認識)を言葉に置き換える言語技術は、並大抵のものではないからだ。

 *アイデンティティの喪失と自己防衛。

 アイデンティティの喪失が自己防衛にまわる時、
 えてして人間は、本能的に凶暴なったり、
 塞込んでしまい自己を内面の世界に隔離し、
 自己批判から自殺にまでたどり着く事もある。
 また、凶暴になった自己防衛本能が暴走すると
 重大な事件を引き起こす可能性も高まる。

 さらに、個々の喪失者の同調意識が高まると、
 新たなアイデンティティ(仲間意識)が生まれ育ち、
 集団行動(抑圧開放)から治安状態が悪化すると言った
 過去の歴史も学ばなければならない。

 *アイデンティティの喪失の解決と処方箋。

 アイデンティティの喪失を解決する処方箋は、
 帰属の回帰が肝要であり、
 その予防として、
 社会の一員としての自己認識の確立。

 つまり、
 雇用確保を最重要課題として位置付ける必要がある。

 

 <mimifukuの独り言。>

 
企業における無配慮な人員の削減(リストラ計画)は、
 個人にとってのアイデンティティの喪失をもたらす。

 強制解雇は、賃金以上に、
 <存在意義の否定>の通達と理解すべきで、
 出来ることなら、そうした悲劇を避けなければならない。

 しかし、
 
企業の存続が危ぶまれるような状況の中での雇用確保は避けなければない。
 一部の労働者の雇用を守るために資金繰りが滞り、企業が破綻でもすれば、全労働者および下請け企業すべてに影響を及ぼし、失業数の増加と資金のショートによる金融不安こそが、恐慌へとたどる道筋だと認識しなければならない。

 そのことから、雇用を守ることは困難を極め、企業や個人の力では限界があり、国民総動員で、今後数を増す失業者の最低限の生活を支える義務を生じる。
 
 現在、各省庁や地方自治体の賢者達が知恵を絞り努力されている姿も耳にするようになってきた。
 しかし、行政ができる失業者保護と雇用確保は法律内での活動に制限されており、仮にこの不況が長期化し失業者が急速に増加した場合に対応の遅れが生ずることは目に見えている。

 そこで法案を改正する機関としての国会の役割は、今後急を要する。

 
しかし、
 国家の最高機関である国会運営の現状を見るに至って、自己防衛に走る議員諸氏の発言には誰もが、いささか頭が痛い今日この頃である。

 ・個人のアイデンティティを守ることは、社会秩序を守ることである。

 ・個人のアイデンティティを疎かにする時、社会は乱れる。

 ・個人は多くの場合、アイデンティティさえ守られれば、
  最低限の生活保障でも我慢することができる。

 ・個人は、個人のアイデンティティを確認するために、
  善良な集団に自分の存在を所属させることが望ましい。
  
 ・個人が個人のアイデンティティを喪失する過程に於いて、
  心に生じる帰属の回帰(願望)は、俗悪(秩序のない)な集団へと、
  転移する可能性があることを社会は認識しなければならない。
 

 ・個人のアイデンティティの確保とは、
  <自分が必要とされている。>と、
  自己確認できる立場を社会が創造する事であり、
  その社会目標とは、
  『矛盾のない公正な社会』である。

 
 だからこそ、個人のアイデンティティを尊重するような対策が必要であり、
 だからこそ、企業の思惑だけで無造作に人員を整理してはならない。
 なぜなら、
 個人のアイデンティティ(=人権)を守る方策こそが国家の命題であるからだ。
 そのための法整備ができる機関は、国会でしかない。

 
1929年~1945年への道。

 過去の歴史を愚かと言えない現実は、
 人間の本性を見る思いがする。
 

  <関連記事>
 *リストラとレイオフ/定額給付金よりも休業給付金はどうだろう?
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/5fa739e31760eaa67f2e6ba374575f5a

 *セーフティーネット・クライシスII:非正規労働者を守れるか。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/c418c0a1633d40fd2feff249d3380b51


 <各地で起こる抗議行動。>
 
 製造業の業績悪化で契約を打ち切られた労働者らが23日、愛知県の労働組合員らと一緒に、トヨタ自動車の名古屋オフィスが入る名古屋駅前のビル周辺をデモ行進し、雇用確保や生活の安定などを訴えた。
 デモには外国人労働者も含む約200人が参加。
 冷たい風の中、「クビ切るな!生きさせろ!」などと書かれた横断幕やのぼりを掲げ同駅近くの公園を出発。
 「細切れ派遣は許さないぞ」と大声で叫び、同ビルに向け約30分間行進した。
 (2008年12月22日:47NEWS)

 派遣労働者などとして働く外国人の解雇・契約打ち切りに反対する集会が21日、浜松市中区海老塚の南部公民館で開かれ、国や自治体が雇用を守る施策を早急に講じるよう求めるアピールを採択した。
 集会後、外国人労働者たちは解雇撤回などを求めて市内をデモ行進した。
 集会は、全日本金属情報機器労働組合(JMIU)外国人労働者部会が主催。
 浜松市などで派遣や請負など非正規労働者として働く外国人ら約250人(主催者発表)が参加した。
 集会では、浜松市内の自動車部品工場で派遣労働者として働いていたブラジル人が、
 「今年10月に労働組合を結成して会社側と交渉し直接雇用を実現した。」
 などの事例が報告された。
 集会後、参加者は市内の住宅地や繁華街を1時間にわたってデモ行進。
 日本語とポルトガル語で「外国人労働者切りを許すな」と書かれた横断幕を掲げ、
「住宅を確保せよ」などと訴えた。
 (2008年12月22日:読売新聞)


 メーカーなどで「派遣切り」が広がる中、労働者派遣法の改正に向けた課題や京都での雇用不安の実態を考える集会が21日、京都市中京区の和牛登録会館であった。
 参加者約50人は集会後、繁華街をデモ行進して、
 「企業は社会的責任を取れ。」
 「わたしたちは物じゃない。」
 と沿道の市民に訴えた。  
 デモは、中京区の烏丸御池から下京区の四条河原町まで約1・5キロを歩き、冬の冷たい雨に負けずにシュプレヒコールを繰り返した。
 (2008年12月22日:京都新聞)


 ギリシャ:アテネの若者らによる反政府抗議行動は、発端となった少年射殺事件から2週間を迎えた20日になっても、収束する気配が見えない。
 AP通信によると、20日夕には約150人の若者らが市中心部のクリスマスツリーの周りに集まり、枝にごみ箱をつるすなどした。
 若者らがツリーに火をつけようとしたため、警察官が排除。少なくとも3人のカメラマンが負傷した。
 (2008年12月22日:毎日新聞)


 スウェーデン南部で17日夜、若者らの暴動が発生し、18日夜になっても続いている。
 暴動が発生したのは、移民が多く住む南部マルメ市郊外のルーセンゴルドで、警察によると100人ほどの若者が、駐車してある車やごみ箱に放火したり、警察官に火炎瓶を投げつけるなどしている。
 暴動の原因について警察では、ルーセンゴルドのイスラム文化センターが先ごろ閉鎖されたことに関係があるとみている。
 (2008年12月19日:AFP)

 

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元厚生事務次官宅:連続襲撃事件。<2008年11月17-18日>

2008-11-19 07:45:00 | 政治・社会・時事

 2008年11月に起きた歴代厚生省事務次官宅での連続刺殺、刺傷事件。

 この事件を聞いて、1985年に起きた豊田商事事件を思い出した。 
 当時の事件は、独断的な思い込みからの正義感が生み出した刺殺事件であり、
  犯人の心情には、<天誅>の意味が込められていた。

 現在、好評の大河ドラマ『篤姫』の中での、
 
<井伊大老:桜田門外の変>の事件も脳裏をよぎった。

 今回の若い男性と見られる犯人の心の動きの中に、一連の厚生省の不手際に対する個人的な義憤の思い込みが、<誤った正義感>を自分の中に植えつけたのではないかと推測される。
 また、個人の思想(独りよがりな思い込み)が犯したと考えられる今回の事件は、おそらく15年前には考えも付かなかった手法であり、官僚組織のトップの住居(個人情報)を
個人(他人)が、容易に入手できる新しい時代の中での新しいタイプの犯罪だと考えられる。

 現時点で、この事件をテロリズムと断定することは出来ないが、これまでの組織思想が生み出したテロリズムの概念から、個人思想が生み出す防ぎようのないテロリズムへの変化は、Web2.0の誕生以後、推測された事態である。
 もし私の推測が正しければ、<単独テロリズム>の新たな時代に突入した事実を公安は認めなければならないし、不特定な媒体から社会へと流れ込む膨大な情報量と危機管理体制との新たな模索が肝要な時代なのだろう。

 いずれにせよ、今回の事件は許す事のできない卑劣な暴挙であり、犯人の一日も早い逮捕が望まれるし、逮捕後の犯人の口から聞かれるであろう、
 <如何なる理由や弁論に対しても同情する余地はない。>
 ことを私達は肝に銘ずる必要がある。
 

 <犯行のあらまし>

 歴代の厚生事務次官宅で、2008年11月17日~18日。
 本人や家族が相次いで自宅玄関で刃物で襲われる事件が発生した。
 17日の夕方、さいたま市南区で元厚生事務次官(山口剛彦さん)と妻が自宅玄関先で殺害。
 18日の夜には、東京都中野区で別の元厚生省事務次官(吉原健二さん)の妻が男に胸を刺されて重傷。

 警視庁は、殺人と殺人未遂容疑で捜査本部を設置し、犯人の行方を追っている。
 刺された吉原さんの妻の証言によると、犯人が宅配便を装って玄関に入り込みいきなり犯行に及んだ。
 刺した男は、身長:約1m60cm位。
 中肉で、30歳前後と見られる。

 吉原さんは、1988年 6月~90年6月。
 山口さんは、1996年11月~99年8月。
 に厚生事務次官を務めていた。
 警察庁は、2つの事件の手口の共通点から<連続テロ>と見て捜査する方針。
 さらに山口さん夫妻が殺害された事件でも、犯人が宅配便を装って玄関に入った可能性があることが判明している。


 <テロリズムとは何か?>

 広辞苑によると、テロリズムの語源は、テロル(Terror ドイツ語)=恐怖 ~あらゆる暴力的手段に訴えて敵対者を威嚇することの意。
 テロリズムの概念は、当初は恐怖政治と同義語。

 しかし、時代の変化につれて体制に対する反対運動と暴力により、テロリズムの言葉の意味は、体制から反体制へと逆転していく。 
 また、日本における強硬左派においての一連の行動や、アイルランドの民族運動における特定の集団による誘拐や暴力及び破壊行為は、テロリズムとして大きく報道された。

 現代では、体制や政治背景よりも宗教や思想観の相違から、一般市民を巻き込む形で行われる殺戮目的の行為全般にテロリズムの名称が使われることが多いと考えられる。
 特に、9・11以後は、攻撃目標に対しての破壊行為や、公共機関への理不尽な攻撃を含め、犯行声明のない理由の特定できない声無き恐怖の実行による圧力や、コンピューターへの不当な進入もテロリズムとして認知されている。

 さらに最近では、愉快犯を超えてサイバー・テロを利用した、ゲーム感覚としてのテロリズムや、イスラム周辺で頻繁に起きる自爆テロ等々、テロリズムの定義が、日々拡大している。
 また、今後のテロリズムは、国家や宗教や利権のみが原因で起きるのではなく、個人レベルの心の葛藤や独然思想から生まれる、単独テロリズムの台頭を視野に入れなければならない。

 <関連記事>
 *テロリズムとはなにか? ~単独テロリズムの台頭。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/97e8961de3cd8cb5e214f35a0d587451


 【追記記事:11月23日記載】

 <小泉容疑者の自首>

 *東京・桜田門の警視庁、11月22日午後9時20分。
 男が車で乗り付け、入り口にいた警察官に、「次官を殺してきた」と話した。
 男は、<さいたま市北区の小泉毅(46歳)>と名乗り、住民票を持って出頭した。
 男は、23日午前2時45分、銃刀法違反容疑で逮捕された。
 <朝日新聞:11月23日記事転載>

 *小泉容疑者が書いたとみられる『出頭予告メール』が、日本テレビやTBSなどの民放テレビ局に届いていた。
 TBSによると、メールはホームページにある番組への意見や問い合わせ用のメッセージフォームを使用。
 差出人名、問い合わせ番組名、件名の欄のいずれにも『元厚生次官宅襲撃事件』と書かれていた。
 送信時刻は、小泉容疑者が警視庁に出頭する約2時間前の22日午後7時9分。
 
 メールには、
 「今回の決起は、年金テロではない。」と始まり、
 「34年前、保健所に家族を殺された仇討(あだう)ちである。」と動機を強調。
 「やつらは今も毎年、何の罪の無い50万頭ものペットを殺し続けている。無駄な殺生をすれば、それは自分に返ってくると思え!」と保健所を逆恨みする内容が記されていた。
 そして終盤で、
 「最初から逃げる気はない。今から自首する」と、警察への出頭を予告している。
 ほかには、
 「2つの事件で同じ刃物を使った」と犯人しか知り得ない情報などにも触れている。
 また、事件後一部で、
 「犯人は右利き」とされた報道に、
 「私は左利きである」と“反論”。
 この事件の動機解明について、重要な証言として注目される。
 <報知スポーツ新聞:11月23日記事転載>


 【追記記事:11月24日記載】

 <父親が語る生い立ち。> 

 山口県柳井市の自宅にいた父親(77)が23日、小泉容疑者について語っている。
 子供のころは、友達付き合いも良く、明るい性格で飼っていた犬をかわいがっていたという。
 小泉容疑者は動物好きで、小学校時代、白い飼い犬が死んだ時、涙を流した。
 その後、小泉容疑者は、野良犬を連れてきて飼っていた。
 しかし、父親は、
 「野良犬が吠えることや人様にかみついたらどうする、との不安から保健所に電話して連れていってもらった」と話す。
 メールに書かれている「家族」は、この野良犬だった可能性もある。
 地元の小中高校を卒業し、佐賀大学に入学したが、8年間在籍後、中退。
 東京のコンピューター関連の会社に就職したものの、2、3年で退職。
 その後、アルバイトを転々とした。
 約13年前、地元に戻り、食品会社で3年ほど働いたが、
 「インターネットで、いい仕事が見つかった」と埼玉県に移った。
 その時から、約10年間、家族とは、音信不通だったという。
 出頭直前の22日夕、毅容疑者から
 「手紙を送った。明日(23日)昼ごろ届くから、とにかく見てくれ」と突然、電話があった。
 声が明るかったので、父親は、結婚の知らせと思ったという。
 父親は、
 「息子には自分で腹を切れ、のうのうと生きているなと言ってやりたい。遺族に対しては、何とも申し上げようがない。私の命をささげたいくらいです」と肩を落としていた。

 ~以上資料:編集転載
 *2008年11月23日:読売新聞
 *2008年11月24日:日刊スポーツ


 <元厚生次官宅襲撃事件についてのメール原文>

 今回の決起は年金テロではない!
 今回の決起は34年前、保健所に家族を殺された仇討ちである!
 私はマモノ(元官僚)1匹とザコ(マモノと共生しているやつら)1匹を殺したが、
 やつらは今も毎年、何の罪の無い50万頭ものペットを殺し続けている。
 無駄な殺生はするな!!!
 無駄な殺生をすれば、それは自分に返ってくると思え!

 *日本警察の捜査能力に疑問。

 ・私は左利きである。(吉原の妻に聞けば分かること)
 ・私は靴ひもタイプを使ってない。
 ・吉原の妻に使った凶器は山口を殺した包丁を使用した。
 ・山口の件では最初に出てきたのは剛彦である。

 最初から逃げる気は無いので今から自首する。
 とのタイトルで読売新聞東京本社に送信されたメール。(表現は原文通り)
 <2008年11月24日:読売新聞>

 <2人の自宅の住所はどうやって割り出したのか。>

 吉原さん宅は、インターネットで検索することができるが、
 山口さん宅は、NTTの番号案内にも登録されていない。
 ただ、省庁関係の過去の職員録には住所の記載があったという。
 小泉容疑者は図書館など公的施設で過去の職員録を閲覧したという趣旨の供述をしているといい、警視庁は閲覧記録を確認するなど供述の裏付け捜査を進める。
 <2008年11月24日:MSN産経ニュース>


 【追記記事:11月25日記載】

 <10人に及ぶ襲撃計画。>

 警視庁に出頭した際に乗ってきたレンタカーの車内から、家を襲われた2人を含む元次官3人分の自宅周辺の地理を手書したメモ用紙3枚が見つかった。
 また、車内からは歴代厚生次官ら約10人分の自宅周辺の住宅地図のコピー約10枚も見つかった。
 小泉容疑者は、元次官ら約10人の自宅を調べ、そのうち3人について襲撃計画を具体化していた。
 小泉容疑者は調べに、元次官らの住所について「国会図書館を利用して、職員録を閲覧した」と供述している
 同庁は、職員録で元次官ら計約10人分の住所を把握し、住宅地図を用意し、その内の3人の襲撃を具体的に計画し、下見に加えて、凶器のサバイバルナイフや宅配便を装うための段ボール箱や伝票、包装紙などを用意したとみている。
 また、襲撃した順序は、小泉容疑者の自宅から近い場所で、マンションでなく一軒家に照準を絞ったようだ。
 <2008年11月25日:朝日新聞>


  【追記記事:11月26日記載】

 <愛犬チロと、多額の借金。>

 警視庁は26日、小泉容疑者が殺傷事件を単独で計画・実行したとほぼ断定し、組織性はないと判断した。
 小泉容疑者が、山口県柳井市の父親に送った手紙にも、動機について34年前に保健所で処分された「飼い犬の『チロ』の仇(かたき)をとった」と書かれていた。
 また、小泉容疑者が多額の借金を抱えており、借金はカードローンなどを含めて数百万円。
 警視庁に出頭した際の所持金は約8万8000円で、預金残高は数千円だった。(記事:共同)
 <2008年11月26日:日刊スポーツ>


  【追記記事:11月27日記載】

 <小泉容疑者の生活実態と借金苦への道筋。>

 小泉容疑者は、佐賀大学の理工学部に進学したが単位が足りず、中退。
 知人の紹介で東京・新宿のコンピューター関連会社に就職したが、入社直後から仕事がうまくいかず、退職した。
 捜査関係者によると、小泉容疑者はエンジニアとしての自負があったが、要求されるレベルの仕事ができなかったという。
 結局、会社を5社ほど移り、履歴書では、このほとんどについて「願いにより退職」と書かれていたという。
 捜査関係者によると、2年ほど前に会社を辞めた時点では、約1千万円の貯蓄があったという。 その後は定職につかず、ネットで株取引をするようになった。
 株取引では生活は成り立たず、赤字になっていたという。
 出頭した際の所持金は約8万8千円。
 金融機関3社ほどからも計数百万円の借金があった。
 このうち100万円は、会社員をしていた今から十数年前に、神奈川県内の金融機関から借り入れ、年利分を返しただけで元本は返済していないという。
 ここ数年は「収入がない」と申告しており、住民税は免除されていた。
 <2008年11月27日:朝日新聞>

 【追記記事:12月4日記載】

 <小泉容疑者の殺人容疑で再逮捕。>

  2008年12月4日。
 元厚生事務次官宅の連続襲撃事件で、埼玉県警と警視庁は4日、無職小泉毅容疑者を殺人と殺人未遂の2つの容疑で再逮捕した。
 また、動機については一貫して、
 「34年前、保健所で殺された飼い犬のあだ討ちをした。」
 「大学に行き、官僚が悪だとわかった。」
 などと供述しているため、検察当局は刑事責任能力を確認するよう起訴前に鑑定留置を地裁に請求する方針とみられる。
 <2008年12月4日:朝日新聞>

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G20 金融サミット:首脳宣言 ~2008年11月15日。

2008-11-16 21:21:00 | 政治・社会・時事

 
 今回の金融サミットの内容は、予想通りの展開だった。
 
 共同宣言の要旨の中に示されるように、
 <危機の根本原因>は、
 *不健全なリスク管理とリスク変化に対応しなかった慣行的体質。
 *複雑で不透明な金融商品の乱立(金融派生商品)。
 *過度のレバレッジが合わさった複合的な金融システムの脆弱性。 
 さらに、
 *いくつかの先進国の当局は、金融技術革新を理解していなかった。
 とした。

 つまり、多くの国の政府は、金融問題に対し今だ把握できておらず、そうした中での具体策を求める事は不可能で、今回の曖昧な宣言に落ち着いた。
 ただし、評価できることは共同合意を打ち出せたことであり、世界がこの問題に対して全体合議で対処していく方針が固められたことで、世界の不穏な動き(テロ組織など)に対し、一定の圧力(抑止)をかけることができたことだろう。

 ブッシュ大統領の最後の仕事は、自分達が信じてきた『市場原理主義』の中の一部の誤りを認め事態を収拾(基本合意)したことである。
 今後の社会は、資本主義社会の中での『市場原理主義』と、政府が市場に介入:制限する『市場監視体制』のようなもののバランスを世界がどのように調整するかに議題が変化することは確実で、オバマ次期大統領が推進すると考えられる、『ケインズ主義』的な国家介入よる市場の円滑策が、現代の社会において何処まで有効的かの議論が活発化されるだろう。

 しかし、この先の金融サミットにおける具体案として、フランスが主張している社会主義的な国家体制(雇用保持のための民間企業への援助と介入)と、これまでの西欧諸国が考える『市場原理主義』的な競争社会における企業体質の強化(開発と発展)の必要性にまで話題が進めば、必ず国家間に対立がおきるだろう。

 そのため、現実的な路線としては、金融の安定(既に大きな前進は見られる)と、金融派生商品や投資対象として、世界がインフレ危機になるような資源や食料への投機の制限(今年の夏の異常な価格高騰の再発防止)を打ち出すことを議題とすべきだし、投機バブルによって起きる途上国の混乱や貧困の増加を食い止めるためのルール作りは急務だ。

 しかし、この議題(安定した金融体制の確立)は始まったばかりだし、早急に答えを出すことはリスクが多すぎる。
 今回、同じテーブルに旧共産国や南半球の国々が着席したことで、グローバル化の波を肌で感じ取ることができ、日本にとっての今後の外交課題の複雑さを考えると、アジアの協調(金融の安定と強固な信頼関係の確立)が最重要課題であることは必至であると感じた。


 <関連記事>
 
*円高90円割れの衝撃と混迷のビッグ3救済/2008年12月
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/149b5d2126d2f45589949bab525650ec

 *記録的な株価の乱高下/ 2008年10月(第5週の動き)。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/b696393a261d313646c4cc0742ad7f9f


 
  【金融サミット:共同宣言】

 *G20/金融サミット合意:首脳宣言 
   http://sankei.jp.msn.com/world/america/081116/amr0811160535000-n1.htm
 (MSN産経ニュース/2008年11月16日:記事転載)

 世界的な金融危機の克服に向け、ワシントンで開かれた緊急首脳会合(金融サミット)は15日午後(日本時間16日未明)、2日間の討議を終え、成長回復のために景気刺激の財政施策を活用するとした共同宣言と、各国が実行すべき具体策を盛り込んだ行動計画を採択し閉幕した。
 危機再発防止のため金融規制・監督や国際連携の強化を明記。
 各国が宣言や行動計画の進展を点検するため、来年4月末までに次回会合を開くことで一致した。
 日米欧の主要国に中国やインドなど新興国を含めた20カ国・地域の首脳が初めて参加した。

 共同宣言では、まず金融危機の原因について、
 「いくつかの先進国の政策・規制当局がリスクを適切に評価しなかった」点を認めつつ、
 背景には、
 「一貫性と調整を欠いたマクロ経済政策や不十分な構造改革」の存在を指摘。
 金融危機が波及した新興国・途上国を支援するため、国際通貨基金(IMF)や世界銀行の財源・機能強化を訴えた。

 また、危機再発防止のため「金融市場と規制の枠組みを強化する改革を実施する」と明記。
 国境を越えた資金の流れを監視するため各国規制当局の協調・連携の強化や、複雑な金融商品や格付け会社の監督強化などの原則を打ち出した。

 そのうえで、各国が実行すべき具体策を盛り込んだ「行動計画」で合意。
 来年3月までに実行すべき措置として、国境を越えて活動する大手金融機関への監督の枠組みの設立、主要国の金融当局からなる「金融安定化フォーラム(FSF)」の拡大などを列記。
 中期的には、現状規制されていない機関・商品・市場に対する監督強化、新興国の急成長による世界経済の比重変化を反映したIMF・世銀の抜本改革などを目指すとした。

 会合では、金融規制強化を主張した欧州と、規制強化に消極的なブッシュ政権の意見が対立したが、声明では「健全な規制の拡大」という表現で、規制強化のゆるやかな方向性を示した。
 一方で、米国がこだわる「自由市場の原則」や「保護主義の拒否」を確認し、「成長を阻害する過剰規制を回避する」とも明言した。

 議長役のブッシュ大統領は閉幕後、「成長志向の経済政策を促進すべきという共通の理解に達した」と述べ、「一定の原則を確立し、行動をとることで合意できたことが重要な成果」と強調した。


 <共同宣言の骨子>

 *金融システムの安定に必要なあらゆる追加的措置を実施。

 *金融政策による支援の重要性を認識。

 *財政の持続可能性を維持しつつ、内需刺激の財政施策を活用。

 *新興国・途上国の資金調達を支援。

 *IMFや世界銀行は危機克服のための十分な資金基盤を確保。

 *新興国・途上国はIMFなど国際機関での発言権を拡大。

 *すべての金融市場・商品・参加者は適切に規制され監督の対象。

 *規制当局は危機予防・管理・破綻処理で連携強化。


 <共同宣言の要旨>

 《本文》

 *世界経済の成長回復、金融システム改革のため協働を決意。
   緊急かつ例外的な措置を継続。

 ▽危機の根本原因

 *不健全なリスク管理慣行、複雑で不透明な金融商品、過度のレバレッジが合わさり金融システムの脆弱(ぜいじゃく)性を創出。(
 いくつかの先進国の当局は、リスクを適切に評価、対処せず、金融技術革新についていけなかった。

 ▽具体的措置

 *経済の勢いは主要国で大幅減速、新興国は悪影響を受けつつある。

 *成長回復のため、金融システム安定に必要なあらゆる追加的措置を実施。金融政策による支援の重要性を認識。即効的な内需刺激の財政政策を用いる。

 *IMF・世界銀行は十分な資金基盤確保。

 ▽共通原則

 *複雑な金融商品に関する義務的開示拡大。

 *すべての金融市場、商品、参加者が適切に規制され、監督の対象。
   格付け会社への強力な監督を実施。

 *金融市場の公正性を保護。

 *各国規制当局は危機の予防などで連携。

 *国際金融機関の改革を推進。
   新興国、途上国がより大きな発言権、代表権を持つべきだ。
   金融安定化フォーラム(FSF)を新興国に拡大。

 ▽閣僚らへの指示

 *共通原則実施のため迅速に行動。

 *財務相に市場混乱時の複雑な証券についての国際会計基準見直しなどで追加的提言を要請。

 *共通原則の実施状況を点検するため2009年4月30日までに再び会合。

 ▽開放的な世界経済

 *保護主義を拒否。世界貿易機関(WTO)と整合的でない輸出刺激策を取らない。
  新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の細目について年内合意に努力。

 
 《行動計画》

 *09年3月末までに会計基準設定主体は証券価格評価の指針強化。

 *中期的に格付け会社の登録制導入。

 *金融機関の報酬体系が過度な短期的利益追求などを助長しないよう必要な措置を取る。

 *監督当局は国際的に活動する金融機関に対する監視団設置に協力。

 *IMFは監視、FSFは基準設定に焦点。協働を強化して早期警戒。


 【金融サミットの関連のニュース】

 *オバマ次期米大統領の政権移行チームは14日、レーガン氏以降の歴代大統領が毎週末にラジオで流してきた国民向けの演説について、オバマ氏はビデオ収録も同時に行い、インターネットの動画共有サイト「ユーチューブ」を使って公開すると発表した。
 大統領選で、ネット上の電脳空間を窓口に有権者との対話を積み重ねてきたオバマ氏らしさをそのまま引き継ぎ、ホワイトハウスと国民との間でも、こうしたメディアを使う姿勢を打ち出した形だ。
 オバマ氏は来年1月20日の就任式を待たずに、今月8日から「次期大統領」として週末のラジオ演説を始めており、2回目の15日からユーチューブでの公開も始めた。
 この日は、ワシントンで開かれた金融サミット(G20)を話題に取り上げ、
 「世界的な金融危機には世界規模での協調した対応が必要」とした上で、緊急支援策を一刻も早く立法化するよう議会に求めた。
 また、
 「経済危機と同時に、新しい雇用を生み、中産階級を力づけ、米国経済の競争力を維持する新たな機会もある」と、希望を失わずに米国経済の再活性化へ団結するよう呼びかけた。
 オバマ氏の政権移行チームは当選直後から、公式な政府機関としてのインターネットサイト「CHANGE.GOV」を立ち上げた。
 政権交代で空く政府の職員ポストへの応募窓口を兼ねているほか、国民の声も募っており、ブログではさっそく、その紹介が始まった。


 <G20の国の紹介。>

 *先進8カ国(G8)
 日本、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
 
(G7の表記の場合は、ロシアを除く。)

 *新興11カ国国
 中国、韓国、インド、インドネシア、トルコ、サウジアラビア、
 オーストラリア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ 

 +欧州委員会(EC)?

 

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