随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

パソコンについて

2005-02-28 23:14:46 | Weblog

私のパソコン歴も20年近くになります。初めてパソコンをさわったのが、父親が自分の仕事のために買った、たしか日立の「B16シリーズ」だったと思います。「日立初の16ビット機」というふれこみで、本体・ディスプレイ一体型、ディスプレイの脇にフロッピードライブがついていたような気がします。そのころは遊べるようなソフトは全くなく、しょうがないので、マニュアルを見ながら、BASICのプログラムなぞ作って遊んでいました。(ただ、円や図形を描くだけのプログラムですが・・・)。遊んではいたものの、ちっとも覚えていないところを見ると、あまりおもしろくなかったのかもしれません。

次が、これまた父親が買った、EPSONの初代286マシン。これまた父親の仕事用でしたが、父親が買ってきた「信長の野望」というパソコンゲームにすっかりハマってしまいました。このおかげで、学校の成績は急降下しましたが、すっかり歴史好きになってしまいました。ファミコンからはじまる家庭用ゲーム機はほとんどさわったことがなく、ゲームといえば、パソコンゲーム、ということで現在に至っています。この記念すべきマシンは、20年くらいたった今でも、ちゃんと現役で動いています。このころのパソコンの堅牢さと品質の高さがよくわかります。

次が、学生時代に買った、初めての自分専用のマシン・NECのPC9801-FA(5インチFDD版)。ちょうど、MS-DOSとWindows3.1の境目にあたる機種で、MS-DOSマシンとしては最高でしたが、Windowsを起動すると、とたんにHDDアクセスが増加し立ち上がるのに3分くらいかかる、という代物でした。このあたりから、ソフトの性能がハードを上回り、ブルーバックやハングアップが頻発するようになった気がします。MS-DOSマシンでは、ほとんどハングアップはなかったし、ソフトもサクサク動いたなぁ。そして、HDDやメモリ、3.5インチドライブなど、周辺機器を少しずつ揃えて、パワーアップしてきました。このマシンも15~6年後の現在、ちゃんと動いています。ただし、フロッピードライブやマウスが壊れはじめて困っています。中古パーツ屋さんにも9800シリーズのパーツはほとんどありません。ううむ、このまま少しずつ壊れて、やがて朽ち果ててしまうのか・・・・

今は、1年ばかり前に買ったばかりのマシン、ソニーのVAIO-HS23B。恥ずかしながら、最近までスタンドアロンのMS-DOSマシンを使っていたのに、突然のWindowsXP、インターネット接続(しかもADSL)、TVチューナ・録画機能、などなどで、そのギャップの激しさにとまどいながらも、TV映画の録画や編集、CDやアナログレコードの録音にいそしんでいます。

エプソンの初代286から見ると、このVAIOは何世代目にあたるのだろうか。しかし使い込んだパソコンは愛着があってなかなか捨てられないもの。9801FAも、286も時に電源を入れて動かしています。やがてこのVAIOも陳腐化してしまうのだろうが、大事に使っていきたいと思います。次にパソコン買うとしたらやっぱノートかな・・・・

深谷忠記~トラベル・ミステリーと歴史ミステリー

2005-02-27 20:46:24 | 読書談義

本のミステリー作家は数多くいますが、私はここ10年以上、「深谷忠記」を愛読しています。初めて読んだ作品は、確か、『「阿蘇・雲仙」逆転の殺人』だったかと思います。大仕掛けのアリバイ・トリックと、主人公が論理的に犯人を追いつめていくストーリーに感心した記憶があります。奇想天外なトリックを考えつくのも見事ですが、それを主人公が解明していく過程が、きちんと描かれていなければ、読者に対してフェアとは言えません。これは、そのトリックを考えた作者は、当然「答え」を知っているのですから、主人公の探偵にいきなり謎解きをさせることもできます。しかしそれでは読者がついていくことがでません。トリックを二段構え・三段構えに構成するとともに、論理的に一歩一歩犯人を追いつめて、ただ一つの答えに導いていくストーリーを作るのは、なかなかに大変であると思います。著者は、その辺のストーリーをきちんと押さえた上で、雲仙や阿蘇山等の観光地や、登場人物の人間模様などのエンタテイメント要素も織り込んでおり、丁寧に書き込まれた作品だと思います。

トラベル・ミステリーといえば、単に有名温泉・観光地で殺人が起こるだけ、という作品が多いのですが、やはり鉄道・航空機等の時刻表を活用するアリバイ崩しが醍醐味といえるでしょう。そういう観点では、『「雲仙・阿蘇」逆転の殺人』のほか、『「札幌・仙台」48秒の逆転』、『アリバイ特急+-の交叉』など、著者の初期の作品('86年~'87年ころ出版)が気に入っています。しかし、近頃では、ローカル線やブルートレインなどがどんどんと廃止され、鉄道のダイヤグラムも画一的・合理的に組まれるようになっています。時刻表1冊でアリバイ・トリックを作るのは難しくなっているのかもしれません。また、携帯・パソコン・インターネットの時代から見ると、一昔前の時刻表トリックは古くさく感じてしまうのも残念なことです。

著者のもう一つの柱として、「歴史ミステリー」と題する作品群があります。これは、「邪馬台国」「万葉集」など、日本の古代史そのもののミステリーと、現実の殺人事件を絡めたもので、その都合上、古代史研究者が被害者・加害者になっています。やはり殺人事件を論理的に解き明かしていくストーリーはもちろんですが、日本古代史の謎にも迫っており、様々な学説を紹介するばかりでなく、登場人物の著述を介して著者自身の仮説も展開するなど、著者の並はずれた教養を感じますし、歴史好きには楽しめる作品となっています。この分野では『「法隆寺の謎」殺人事件』や『人麻呂の悲劇』等が気に入っています。特に「法隆寺」の方は、時刻表のトリックも使われており、密度の濃い作品になっています。

著者の作品群の主人公は、ほとんどが「黒江壮」「笹谷美緒」のコンビですが、前者が大学の数学科の講師で後者が雑誌の編集者、そして恋人同士、との設定になっています。シャーロック・ホームズ等の、いわゆる私立探偵が活躍した時代と違い、一般人が殺人事件に関わるなどといったシチュエーションは滅多にありません。そのため、主人公の同僚の従兄弟が殺される、とか、たまたま殺人があった電車に乗り合わせるとか、友人の恋人が容疑者になる、などのきっかけで事件に巻き込まれ、事件の担当刑事と仲良くなればしめたもの、捜査情報をその担当刑事から教えてもらって、推理し、見事事件を解決に導くことになります。シリーズものになっているだけあって、時代劇の水戸黄門のごとく、毎度毎度のお約束事項もちゃんとちりばめられていることも、長続きするコツなのかもしれません。

ただ、惜しいかな、これだけ質の高い作品を量産するのは所詮無理な話なのでしょう、デビュー以来20年あまりで68作あまり、'86年~'95年くらいに傑作が集中しているものの、最近2~3年ではわずか2~3作しか出版されていません。とはいえ、ほかのミステリー作家に浮気することもできず、過去の作品を繰り返し読みつつ、新作が待ち遠しい状態が続いています。 

八王子のBAR

2005-02-26 23:24:48 | Weblog

八王子市は、八王子駅を中心に、歩いていける範囲内であらゆるエンターテイメントが楽しめる、コンパクトなよい街です。大学が集中していることもあり、学生向けの安くてお手ごろな店もたくさんあります。

今日は松本発9時55分発のあずさで八王子12時05分着。駅ビルのレストラン街はリニューアル工事中で半分の店が休業中。3月3日グランドオープンとのこと。開いていたてんぷら屋の「天はな」で昼食。混んでいたこともあり、ビールいっぱいとランチメニューでそそくさと出ました。

八王子で昼から落ち着いて飲むなら、三崎町の「シャーロック・ホームズ」でしょうか。2階建てで、1階が、パブ・スタイル、2階がレストラン・スタイルになっています。ランチメニューも充実しているし、イングリッシュ・パブ風でところどころに、シャーロック・ホームズに関する品々が飾られています。ティータイムのケーキやバータイムのメニューもあり、休日を一日飲んで楽しめます。

八王子の中心部はまさに繁華街で、お洒落なBAR、大衆的な居酒屋、ラーメン屋、ゲーセン、カラオケ、風俗店、パチンコ屋がひしめいています。その中で今夜は、悩んだ末に「甘太郎」にいきました。大学のサークル等の卒業パーティーの時期でもあり、学生特有の盛り上がりがありました。シックな大人の店ばかりでなく、たまにはこういう店で賑やかに飲むのもいいものです。魚の代わりに豚肉がたっぷり入った甘太郎風寄せ鍋などを食べつつ、焼酎の梅昆布茶割りを飲みました。やはり日本人、昆布茶のグルタミン酸と梅、とくればたまりません。今日は八王子も寒かったため、鍋もお酒も、おいしくいただきました。

帰りは、八王子発20時33分発の「スーパーあずさ」。車内販売でコーヒーを頼むと、販売員さんは、朝の電車と同じ人。こちらは酔っ払って赤い顔してるのに、彼女は今日いちにち、歩き通しで松本~新宿間を2往復くらいしているにちがいない。えらいなぁ、お疲れさまです。

松本着22時37分。今日も、よく飲み、よく食べました。

パスタについて

2005-02-25 21:55:28 | Weblog

今日の晩ご飯は、生バジルとトマトとシメジのパスタでした。もともとパスタ好きでもありますが、生のバジルの香りが良くて、ペロりと平らげました。そのせいもあって、パスタについて少し雑感を・・・・

【パスタの歴史】
小麦の栽培の歴史は数千年から一万年前にさかのぼるようですが、パスタの歴史というのは以外に新しく、中世以降になるようです。それまでは、小麦の主な食べ方はお粥(つまりオートミール)やパンだそうで、一般庶民まで、広くパスタが食べられるようになったのは、ルネッサンス以降とのこと。この当時、パスタは屋台などで販売され、粉チーズなどをかけて、手づかみで顔より持ち上げ、下の方から食べていたようです。こりゃお行儀が悪い食べ方だなぁ。フォークを使ってパスタを食べることを「発明」したのは、17世紀のナポリ王とか。パスタの革命は、やはり「トマト」との出会いでしょう。「トマト」は、コロンブスの新大陸発見により、唐辛子、ジャガイモとともにヨーロッパに持ち込まれたものです。最初は鑑賞用だったそうですが、やがてパスタどころか、イタリア料理に欠かせない食材となりました。

【パスタの種類・レシピ】
「パスタ」は「小麦粉の練り物」の総称だそうで、「スパゲッティ」は「紐」という意味のようです。そのほかにも、「マカロニ」とか「ペンネ」とか「ラザニア」とか「リングイネ」とか「タッリアテッレ」とか、「練り物」の形状により、バリエーションがあるようです。また、パスタ料理のレシピも「クリームソース系」「トマトソース系」「オイル系」「スープ系」「和風」などに分類され、バリエーションは数知れず、イタリアンレストランに入るたびに何を食べようか、楽しく悩んでいます。「寿司屋の善し悪しは卵焼きでわかる」などといいますが、パスタ屋さんの善し悪しは「カルボナーラ」でわかるのではないかと思います。ただのクリームスープスパゲッティだったり、卵が固まって炒り卵状態になっているのは論外。やはり、卵黄とチーズだけで、こってり濃厚でなめらかなパスタに、黒こしょうをたっぷりかけたカルボナーラが一番です。カロリーはえらく高そうですが。

【パスタの食べ方】
パスタの食べ方としては、やはりスプーンとフォークなのでしょうが、個人的にはフォークの金属的な味?はパスタを不味くするのではないか思っています。パスタを割り箸で食べさせてくれるパスタのチェーン店がありますが、結構気に入っています。日本人だから、ということもあるのでしょうが、箸の方が、パスタそのものをおいしく食べられるような気がします。ただし、ソースを全て食べたいときには、やはりスプーンが欲しいところです。どこか、箸とスプーンで食べさせてくれる店はないだろうか。

【パスタの永遠の課題】
パスタは大好きですが、どんなに慎重に食べても、必ずトマトソースが背広(特にクリーニングしたての時)にかかるのはなぜでしょうか。あの、絡まった麺がほどけるとき、フォークから麺が滑り落ちるときに飛び散るソースの運動法則を物理学的に解明してほしいと思っています。こってリソースの場合は麺同士が絡まり、ほどける時にソースが飛び散るし、あっさりソースの時は絡まらない代わりにフォークから麺が滑り落ちてソースが飛び散るため、どうしようもありません。効果的な対策はないのでしょうか。割り子そばのように一口ずつ分けて盛りつけるとか、防護服なみに上半身全てを覆うエプロンとか、食べ方にも何かコツがあるのか・・・。未だこの課題は解決されていません。

カラーブレザー・警備服・セーフティーシューズ

2005-02-23 22:19:42 | 仕事・ひと

本日も2社の営業の方が来社。

午前はS社。こちらは、イベントスタッフ用のカラーブレザー等でお世話になっています。近頃は、高校の吹奏楽部などで、コンクールなどに出場するときのユニフォームとして、カラーブレザーを買っていただくケースが増えてきました。カラーブルゾンのようなぺらぺらしたものではなく、本格的なつくりのブレザーです。カラーはいろいろあるのですが、やはり高校生らしい?オフホワイトが人気です。新入生の勧誘が終わる毎年4~5月に注文が集中し、品薄気味となります。また、量販店やショップでは、スプリングセールとかのイベント時のユニフォームとして購入いただいています。ショップ名を印刷したブルゾンなども人気ですが、ブレザーの方が、やはり高級感が出るようです。

またこの会社では、数年ぶりくらいに「警備服」カタログをリニューアルしたそうで、そのカタログを紹介してもらいました。このような世の中ですから、ビルや駐車場などはもちろん、学校やスーパーなどにも警備員を配置するようになっており、その方の制服も必要になっています。基本的には警察官風のスタイルが主流ですが、いやいや、いろいろあります。ほとんど軍服に近いようなスタイルやグリーンベレー風のスタイルやら・・・・アクセサリとして、肩章や金モールなどもあり、なかなかゴージャスです。最もゴージャスな制服は、やはり、ホテルのドアマン用のコートでしょうか。熟練したドアマンが、びしっとコートを着てきびきび動く姿はなかなかかっこよく、さすが「ホテルの顔」とでもいうべきドアマン、重厚感・高級感・信頼感を演出しています。そのうち、スーパーなどでも、最も入り口の近くにいる「警備員」が「スーパーの顔」になるのかもしれません。

午後はJ社。こちらは、当社の最大の取引先だけあって、担当の方も毎月のように来社されますが、申し訳ないことに、進行中の大型案件・大型実績がなく、話のタネに困ってしまいます。春夏の新製品の概要については先月説明してもらったし・・・・こちらは、今年から「セーフティーシューズ」のブランドを立ち上げています。セーフティーシューズは、「安全靴」と同じく、つま先に鋼鉄の板が入って、重量物の落下から足の指を守る作業用の靴ですが、「安全靴」が牛革製の頑丈・無骨なデザインであるのに対し、スニーカーのようなカジュアルなデザインになっています。価格も「カジュアル」で、工場やトラックドライバー向けというべきものです。まあ、作業服だけじゃなくて、セーフティーシューズもセットで売り込んでいく必要があると感じました。

いろいろとお話を聞いて、またまたイメージがふくらんで来ました。ひとくちに作業服・ユニフォームといっても、多種多様で、まだまだ潜在需要があるのではないかと思えてきます。ひとつでもそれらの潜在需要を顕在化できれば、と思いました。


レインコート・作業服

2005-02-22 21:13:37 | 仕事・ひと

本日も、取引先のメーカの方々が来社されました。ちょうど、2005年の春夏物の新製品の紹介ということで、この時期、来社されるメーカーの方が集中します。

最初はレインコートや防水の作業服・エプロンなどのメーカーK社。こちらは、最近ISO9000の認証を取得されたそうで、近頃、ISO9000とかISO14000の認証を取得する企業が増えてきました。また、セキュリティーポリシーや、プライバシーマークなど、企業のコンプライアンスや品質・環境への取り組みなど、社会が企業に「要求」する項目が増えてきました。企業側でも、「真っ当な企業」であることのシンボルとしてこれらの認証を取得する傾向にあります。当社では、税務署から「法人税の優良納税者」とのお墨付きをもらっていますが、それ以外では・・・の状況です。そのうち、経理や総務、人事などのあらゆる業務に対する要求項目が標準化・ISO化される時代が来るのかもしれません。

ところで、そのK社ですが、当社では、特に園児用のナイロンレインコート関連でお世話になっています。近頃では、園児の送迎は車やスクールバスが増えており、なかなかレインコートは着てもらえなくなっています。たしかに、私もほとんどが傘で、ここ20年くらい、レインコートを着たことはないなぁ・・・。レインコートの分野での注目商品としは、東レの透湿素材「エントラント」を使った高級レインウェアだそうで、外部からは「防水」、内部からは汗や湿気を排出する「透湿」を兼ね備えたレインウェアとのことでした。たしかに、あのレインコート内部の湿気は不快なもので、梅雨時などまるでサウナスーツのようになってしまいます。まだまだ、屋外で働く人は多いはず。雨の多い日本では、きっと売れるに違いないと思います。

2社目は作業服のA社。今回は春夏物新商品の紹介でしたが、2ヶ月とおかず来社していただいており、何か新しい引き合いの話とか、進行中の案件の話でもできればいいのですが、なかなかそうはうまくいきません。せっかく来ていただいているのに、世間話で終わってしまうのは残念なこと。お互いにいろいろな話を持ち寄れるようになればと思いました。

明日も2社ほど、営業の方が来社される予定。明日も、いろいろな話を聞いて、何か新しいヒントがつかめれば、と思っています。

堺屋太一 「豊臣秀長~ある補佐役の生涯」

2005-02-20 23:50:11 | 読書談義

この本は、太閤秀吉の弟、「豊臣秀長」の生涯を描いたものです。戦国時代というのは、「戦争ばかりしていた悲惨な時代」ではなく、戦後の高度成長期のような、活気に溢れた時代だったようです。その証拠に、豊臣秀吉の存在があげられます。日本の歴史の中で、一庶民が天下をとったという例は秀吉しかなく、そのようなことが起こりえるのがこの時代の特徴と言えそうです。

秀吉がなぜ織田信長の元であれだけ出世し、そして天下統一を成し遂げることができたのか、秀吉の人格や能力も当然あるのでしょうが、著者は、秀吉の弟であり、豊臣家の「補佐役」としての秀長の存在をあげています。著者がいう「補佐役」とは、組織における序列としてはトップ(社長)に次ぐNo2の身分になりますが、ブレーン(秘書室)でもなく、専門家(技師長)でもなく、次期トップでもなく、部門長(中間管理職)でもない、ということで、現在の企業組織上では相当する役職が見あたりません。まあ、トップ機能をサポートする役割だが、次期トップではない、といった所になるのでしょう。そのため、補佐役に相当する人は、「No2としての能力・人格」が要求されるのですが、決してトップには立たないという「節度」が求められています。

豊臣秀長は、秀吉の最初の部下になったときから、死ぬまで、「補佐役」に徹した人です。その「節度」たるや、秀長も一庶民から最後は従二位権大納言まで出世し、秀吉の次に出世街道をばく進した人でありながら、目立った功績もエピソードも伝記も残されていない、という見事さです。その「節度」があればこそ、「社長派VS専務派」といった豊臣家内での派閥抗争もなく、天下取りに邁進できたのでしょう。また、トップたる秀吉も、秀長に対して「完全なる信頼」をもって報いました。本書では、秀長自身のエピソードはほとんどなく、秀長から見た秀吉・信長像を描くという形になっていますが、読み通してみると、いろいろと考えさせられます。

まずは、「信長社長の下で働くのはシンドそう」ということです。一代で尾張半国の領主程度から天下の7部を制するような、超成長企業だけに、秀吉の勤務ぶりは「過酷なノルマと信賞必罰」「残業につぐ残業」「新規顧客開拓・新規事業開拓」「社長(信長)への頻繁な報・連・相や贈り物」等のオンパレード。秀吉の補佐役たる秀長は、常に胃の痛い思いをしたのではないかと思います。とても私には無理だなぁ。かといって、ジリ貧企業の浅井・朝倉会社にいつまでもいると、倒産して文字通り首が飛ぶことになりかねないし。戦国時代に生きた人たちは武将も、部下の足軽も、「自分の身の振り方」を考えに考え抜いたのでしょう。信長→秀吉→家康と天下が順繰りに移行していくのも、日本中の多くの人たちが「自分の身の振り方」を考え抜いて、一斉に「次の天下人候補」になびいた結果かもしれません。

次は、やはり「補佐役」の重要性についてでしょう。歴史上、名参謀や名武将と呼ばれる人は沢山いますが、「名補佐役」と呼ばれる人はほとんどいません。そして、古今を問わず、組織が衰退する要因のひとつが、「内紛」ですが、これは、「参謀」や「一部門長」や「次期トップ」の利害がからんで暴走し、それをトップが抑えきれない場合に起こるのだといえるでしょう。補佐役はトップとの完全な信頼関係のもとで、トップと協力して各部門間を調整し、内紛を抑え、組織を強化していく役割を担っており、その重要性は現在の企業等においても変わらないのではないかと思います。

長野県経済の動向について

2005-02-18 23:44:18 | 仕事・ひと

今日は、。松本法人会の例会で、。帝国データバンク松本支店長の方を講師に迎えた講演会に参加しました。テーマは「2005年長野県経済の動向」。レジメをめくると、一ページ目が「最近の倒産の動向」・・・・・・さすが帝国データバンク。

「最近の倒産の動向」によると、全国の倒産件数が最も多かった年が、円高不況とよばれた1984年で20,000件強。それから、バブルの絶頂期の80年代後半は、ぐっと減って6,000~7,000件あまり。バブルが崩壊した1990年代からは14.000~19,000件あまり。倒産件数が増加傾向にある中で、がくんと減った年が1999年と2004年の2回。いずれも国の中小企業安定化法などによる特別保障制度が実施された年になるとのこと。確かに、まじめにがんばっている中小企業は、日々の資金繰りさえなんとかなれば、なんとか倒産せずに経営していけるものですが、このように数字に表れたことには驚きました。バブルの時も、土地や株の値上がりによる利益というよりは、銀行がお金をどんどん貸してくれるのですから、倒産件数が少ないのも当然でしょう。カッコいい言葉でいうと、「キャッシュフロー経営」なのですが、中小企業では、もっと切実に、「資金繰り」が経営の基本になるのがよくわかる「倒産の動向」でした。

あと、典型的な倒産の「ケーススタディ」として、2例ほど、解説していただきました。一つは「天才的な起業家」と呼ばれる人が、時流に乗って、10年で400億円弱を売り上げるのですが、(1)災害があって、仕入れに支障を来し、売り上げ大幅減→(2)あわてて新たなマーケットに挑戦→(3)在庫が増えて資金繰り悪化→(4)民事再生法申請、となったケースです。特に(3)→(4)への転落はわずか1ヶ月あまり、取引先も気がつかないほどの早さでした。教訓としては、資金繰りが悪化したとき、「天才起業家」が災いして、取引先に「すいません、支払いは1ヶ月待ってください」と言えず、あっさり会社を投げ出してしまったことが倒産の原因、つまり(1)→(3)のようなケースはどこにでも起こりうること、そこからの会社を保全するための粘り・努力にこそ、経営者の真価が問われるのでしょう。

もう一つは、業績が悪化した時に、経営者が責任を従業員に転嫁したため、従業員がどんどん退職し、結局立ち直ることができなかったケースです。大企業などでは、「リストラ」を盛んに行い、経費の削減・生産性向上に成果を上げているところもありますし、リストラされた側の悲しみも取り上げられます。それはリストラした人の代わりになる経営資源がある場合に有効なのしょう。中小企業の場合は、特に20年この道一筋といった「ベテラン社員」の代わりが勤まる人材はいないことが多く、リストラは、経費の削減効果以上の売り上げ減につながりかねないということです。

このほかにも、いろいろな話をうかがい、いずれの話もうなずかされることばかりでした。世間ではさまざまな起業家、ニュー・リーダーの活躍ぶりがもてはやされていますが、そのような成功事例ばかりではなく、このような失敗事例に鑑み、経営の基本に立ち返ることも必要であると感じました。いい勉強になりました。

白衣・レディース制服

2005-02-17 21:31:10 | 仕事・ひと

昨日に続いて、本日もユニフォームメーカーの営業の方が来社されました。

最初は、作業服ではトップメーカーのJ社。数年前から、白衣(ナースやドクターが着る白衣で、食品工場やクリーンルームなどで使用する白衣は別のカテゴリになります)のブランドを立ち上げていますが、作業服ではトップメーカーとして一目置かれていても、白衣については後発ということで、いろいろと苦労されているようです。白衣はコンサバティブなマーケットで、製品のバリエーションは極めて少ないのが特徴です。カラーは名前通りの白とせいぜい薄いピンク、サックス程度で無地の製品がほとんどです。そんなマーケットなので、後発のこの会社が前面に打ち出したのが、作業服で培った技術を活かした「銀の糸の白衣」とのこと。糸に銀を織り込み、銀のもつ「抗菌・防臭」および「制電(静電気のパチパチを防ぐ)」機能を活用するというものです。たしかに病院等での「抗菌」は必須ですし、この技術をもつのはこの会社だけとのことで、これはお客様にお勧めしやすいと思いました。当社のホームページにも「銀の糸」を前面に出そう。

また白衣は病院関係者だけでなく、ヘルパー、美容室、エステ、看護学校など、さまざまな職業にも適用できるといった、広がり・可能性があることも確かです。ただし、たとえばエステの方にカタログを配っても、一目見て、「私はナースではないから・・・」といわれてしまうのがオチで、提案の仕方にも工夫が必要になってきます。

2社目は、レディースの制服(いわゆる事務服)のメーカー、J社。こちらは、最近取引を始めたばかりで、初対面ということになります。当社から事前にFAXした、あやしげな地図を頼りに来社されたのは20代後半と、この業界にしては若い方でした。それだけに、さまざまな「自作」の資料でプレゼンしたり、メルマガなども(たぶん)手弁当で発行するなど、なかなか活動的なタイプの方でした。他のレディース制服メーカーが「シック」な路線を歩むのに対し、この会社は「キュート」なタイプの制服が多いとのこと。また、低価格の商品は思い切った価格設定とする一方、高品質・高価格の商品も充実させ、さまざまな組み合わせ・アレンジが可能なカタログ構成になっています。平成元年設立の若い会社とあって、老舗のメーカーとはひと味違ったイキイキとした雰囲気を感じました。当社も創業ウン十年の古~い会社ですが、こういう雰囲気がほしいところです。

昨日、今日と、様々なメーカーの方にお会いして、ご縁が広がりましたし勉強にもなりました。まあ、勉強ばかりでなく、メーカーさんの期待に応えて、当社の売り上げを増やさないといけないのですが・・・・・。

作業服、ユニフォーム、つなぎ

2005-02-16 21:07:46 | 仕事・ひと

今日は、松本市内も雪でした。そんな中、当社の仕入れ先の営業の方が来社されました。当社が取り扱う作業服・ユニフォームメーカーの営業の方が2~3ヶ月に1回程度は来社され、情報交換をするわけですが、アパレル業界修行中の私にとって、様々な知識が得られるチャンスなので、仕入れ担当でもないのですが、打ち合わせには参加するようにしています。

午前中のS社の営業の方とは、初めてお会いしました。こちらの会社は、今年の夏から、「扇風機付き作業服」を本格的に始めたようです。冗談かと思いきや、本当に、作業服に電池で稼働するファンを取り付け、外部からの空気を採り入れ、首や袖口から風を抜くことで、体温を下げる作業服を作ったようです。上半身を扇風機にあて続けたような感じになるそうで、確かに涼しくなるし、エアコン代も節約できるかも。こういう「アイディア商品」は、売れなくても話題作りにはなりますね。今年の夏は扇風機付き作業服を着て営業活動に行こうかと思い始めました。

やはり作業服業界もマーケットが縮小傾向にあるせいか、画一的な作業服を提供するのではなく、さまざまなワーキングシーンを想定したニッチなユニフォームのマーケットの開拓を始めているようです。今年から販売を開始する、という「カジュアル・サービスユニフォーム」のカタログを紹介してもらいました。ここでは、シャツ、ポロシャツからトレーナー、エプロンにいたるまで、様々なショップやサービス業用のユニフォームのラインアップで、カタログとしてよくまとまっていると思いました。「着るとやせる(かも)」とか「着ると肌がすべすべになる(らしい)」とかいうポロシャツもあるし、さっそく当社のホームページに掲載しようと思っています。このカタログを見ていると、いろいろなワーキングシーンが想像できます。どんな職場(お客様)に、どんなユニフォームを提案できるか、ある意味、当社の提案力が問われることになりそうです。

午後来社されたのはK社の営業の方。こちらの会社は「つなぎ(オーバーオール)」が有名なメーカーです。こちらも、昔ながらの「つなぎ」だけではなく、「ノースリーブつなぎ」やら「キッズつなぎ」やら「Casual Active Tsunagi」やら、F1レーサーが着るような「ピットスーツ」など様々なつなぎを発表してます。つなぎは、職場での統一のユニフォームというより、個人が趣味で買う、という面もあるようで、これまた、さまざまなワーキングシーンに提案できる可能性を感じました。「つなぎ」はトイレの関係があって、女性にはなかなか売れないそうです。そこで「お尻が開く」つなぎを開発したそうですが、つなぎは開いても、その下の下着がおろしにくくてやっぱり売れなかったそうです。そんな話を聞くと、有名メーカーの陰には、いろいろな苦労や試行錯誤や、そして笑い話があるんだなと感心しました。

いま、日本全体が、そんな試行錯誤をしていますが、当社もしかり、今までも、そしてこれからも試行錯誤が続きそうです。