今回のモンゴル行きの目的のひとつが「植林」であることから、昼はただただ広い草原で植林、夜はホテルぐらしになってしまい、「モンゴルそのもの」に触れる機会が少なかったのが残念でした。モンゴルの人たちが何を食べ、何を考え、どのように暮らしているのか、などをもっと知りたかったです。
それでも、今回のスケジュールの中で、たった半日ですが、「モンゴル『環境・教育・経済』フォーラム」が行われ、私にとっては非常に有益でした。講師はモンゴル中央銀行取締役や、モンゴル国環境省副大臣といった方でしたが、2~3時間の講義でどれだけモンゴルが理解できたかはアヤシイところですが。
特に(私にとって)おもしろかったのが「経済」で、テーマは(1)資本主義化の経緯と方法 (2)現在のモンゴルの経済状況 でした。
まず(1)について、
急激な近代化や、共産主義から資本主義への移行、といった急激な社会の変化には、当然大きな混乱が発生するものですが、モンゴルもその混乱の時期を乗り越えてきたことが分かりました。共産主義の時代(~1990年)には、ソ連・東欧人の「アドバイザー」が2万人以上(総人口の1%)もいて、ソ連・東欧の援助の総額がGDPの30%を占めていたわけですが、1991年の民主主義移行でこれらが全てなくなってしまい、1991(?1993?)年には完全にインフラがストップし、職場から自宅に帰れず凍死する人もいて、ほとんど内戦状態に陥ったそうです。GDPの「成長率」が1%なのか2%なのかで大騒ぎになる日本にいると、「30%減」というのは想像を絶するところです。
全てが国有の共産主義から民営化(資本主義化)するために、モンゴルでは3段階に分け、10数年をかけたそうです。第1段階は1991年の「国営企業の民営化」で、全国民(?)に、200$相当の投資バウチャーを無償で配布(!)し、好きな国営企業に投資させることにしたそうです。第2段階は1994年の「現金の民営化」で、そのバウチャーを現金と交換できるようにした、ということです(???)。第3段階が「土地の民営化」で、これは(なんと)申請すれば、都会であれば0.07ha、地方であれば0.15haが貰える(!)というものでした。・・・ここまでについて、私としてはまじめに講義を聞いてきちんとメモしたつもりですが、聞き間違いもあるかもしれませんので内容の正確さについてはあまり保証できません。。。
なんというか、シンプルかつ大胆、そして「計画経済的な民営化」のプロセスですが、それでも2006年時点でGDPにおける「民営化のシェア」は78%あまり、ということですから、民営化の移行は順調に進んでいるということなのでしょう。
そして(2)ですが、
平均的な「モンゴル人像」というのが紹介されました。「都会人」だと「市内のマンション、小さな夏の別荘と車を持っている」で、「地方の人」だと「ゲルに住み、200頭以上の家畜を持ち、車かバイクを持っている」ということでした。当然ながら貧富の格差は南米なみに広がっているようですが、世界一の炭坑と世界二位の銅山を有するなど、資源が豊富であり、失業率も減少傾向、2006年は経済成長率8.6%、国家財政、貿易ともに黒字ということでした。人口が200万人あまりで、「小回り」がきくこともあるでしょうし、国民の7割が若年者という「若さ」のせいかもしれませんが、モンゴルの将来は明るいのではないかと思われます。
それでも、今回のスケジュールの中で、たった半日ですが、「モンゴル『環境・教育・経済』フォーラム」が行われ、私にとっては非常に有益でした。講師はモンゴル中央銀行取締役や、モンゴル国環境省副大臣といった方でしたが、2~3時間の講義でどれだけモンゴルが理解できたかはアヤシイところですが。
特に(私にとって)おもしろかったのが「経済」で、テーマは(1)資本主義化の経緯と方法 (2)現在のモンゴルの経済状況 でした。
まず(1)について、
急激な近代化や、共産主義から資本主義への移行、といった急激な社会の変化には、当然大きな混乱が発生するものですが、モンゴルもその混乱の時期を乗り越えてきたことが分かりました。共産主義の時代(~1990年)には、ソ連・東欧人の「アドバイザー」が2万人以上(総人口の1%)もいて、ソ連・東欧の援助の総額がGDPの30%を占めていたわけですが、1991年の民主主義移行でこれらが全てなくなってしまい、1991(?1993?)年には完全にインフラがストップし、職場から自宅に帰れず凍死する人もいて、ほとんど内戦状態に陥ったそうです。GDPの「成長率」が1%なのか2%なのかで大騒ぎになる日本にいると、「30%減」というのは想像を絶するところです。
全てが国有の共産主義から民営化(資本主義化)するために、モンゴルでは3段階に分け、10数年をかけたそうです。第1段階は1991年の「国営企業の民営化」で、全国民(?)に、200$相当の投資バウチャーを無償で配布(!)し、好きな国営企業に投資させることにしたそうです。第2段階は1994年の「現金の民営化」で、そのバウチャーを現金と交換できるようにした、ということです(???)。第3段階が「土地の民営化」で、これは(なんと)申請すれば、都会であれば0.07ha、地方であれば0.15haが貰える(!)というものでした。・・・ここまでについて、私としてはまじめに講義を聞いてきちんとメモしたつもりですが、聞き間違いもあるかもしれませんので内容の正確さについてはあまり保証できません。。。
なんというか、シンプルかつ大胆、そして「計画経済的な民営化」のプロセスですが、それでも2006年時点でGDPにおける「民営化のシェア」は78%あまり、ということですから、民営化の移行は順調に進んでいるということなのでしょう。
そして(2)ですが、
平均的な「モンゴル人像」というのが紹介されました。「都会人」だと「市内のマンション、小さな夏の別荘と車を持っている」で、「地方の人」だと「ゲルに住み、200頭以上の家畜を持ち、車かバイクを持っている」ということでした。当然ながら貧富の格差は南米なみに広がっているようですが、世界一の炭坑と世界二位の銅山を有するなど、資源が豊富であり、失業率も減少傾向、2006年は経済成長率8.6%、国家財政、貿易ともに黒字ということでした。人口が200万人あまりで、「小回り」がきくこともあるでしょうし、国民の7割が若年者という「若さ」のせいかもしれませんが、モンゴルの将来は明るいのではないかと思われます。