随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

制服の効用について

2005-02-13 22:25:16 | Weblog
私の勤める会社は、制服や作業服、ユニフォームを扱っているのですが、2月になると、各メーカーから、一斉に今年の春夏物のカタログが送られてきます。そのカタログをぱらぱらとめくりつつ、おすすめの商品をホームページに掲載する作業をはじめています。たかが、制服・作業服といえど、その機能性・デザイン性・多様性は拡大の一途をたどっており、ホームページでは紹介しきれないのが悩みの種です。

昔は作業服といえば、素材は「ポリエステル65%、綿35%」、色はアースグリーン、ネイビー、ベージュといったところでしたが、今では「防菌防臭」「制電加工(静電気を防ぐ)」「エコ素材(再生可能なポリエステルを使用)」「メッシュ生地使用」「携帯電話ポケット」「ロゴパイピング」などというキーワードが氾濫しています。また、女性がオフィスで着る制服(事務服)と呼ばれるものについても、色はグレーか紺、スカートまたはパンツとスモックまたはベスト、といったところでしたが、いまではカラーやバリエーションも豊富になっており、「制服を着回す」こともできるようになっています。

現在オフィス等では「カジュアルデー」も定着し、銀行などでも制服や背広・ネクタイを廃止するところも出始めています。そのため制服・作業服メーカーもマーケットの拡大(というより縮小の防止)のために必死になっています。そこで、カジュアル化、制服廃止が進む現状において、あえて「制服の効用とはなにか」を考えてみました。もちろん、私は制服・作業服に関わる者ゆえ、「制服肯定」の立場になるのですが。

制服の効用の第一は「カッコいい」ということ、つまり「働く人をかっこよく、美しく見せる」ということになるかと思います。「かっこよく見せる制服」の究極のものは「軍服」でしょう。あれは、ひたすら「軍人をかっこよく見せる」ために作られたきたものですから、軍人(もちろん将校、つまり貴族ですが)は軍服のまま、社交界やパーティーに参加できるほど、洗練されたものになっています。当然通常のファッションにも波及していきます。たとえば、「アクアスキュータム」や「バーバリー」のトレンチコートも、元は塹壕(トレンチ)で着た防水コートであり、肩やウエストラインを美しく見せるベルトや肩飾りも、実は銃や手榴弾などをぶら下げるために取り付けられたものです。また、セーラー服や学生服(詰め襟)、カーディガン、ブレザーといったアイテムも、元はといえば軍服でした。今では「パイロット」「スチュワーデス」「ホテルマン」等の制服にあこがれて、その職を目指す人も多いでしょうし、制服で学校を選ぶという時代にもなっています。これは、みんなが「制服」に「かっこよさ」を求めている証拠といえるでしょう。

制服の効用の第二は「機能性・象徴性」ということになるのでしょう。軍服が軍人に特化した機能を持つように、それぞれの職場に対応した機能を持つ制服を着用することで、職場の生産性・安全性が向上する、という効果があります。また、その制服を職場全体で、毎日着用しつづければ、それは「一つの職場、機能あるいは身分」を象徴するようになり、外部から見ると「職場、機能あるいは身分」に対する「信頼感」につながります。医者や看護士の「白衣」や「作業服」、「消防服」などはその機能性と象徴性の効用を併せ持つ制服といえます。

ほかにもあるかもしれませんが、最後の効用としては「公私の切り替え」ということになるかと思います。長くなるので、この続きは翌日にします(すいません)。