久しぶりにいい映画を見たというか、素晴らしい映画音楽を聴いた。最近私が映画を見るのは、ほとんどが飛行機の中であるが、先月の日本行きのフライトで見た「House of Flying Daggers」(日本でのタイトルはLOVERS)に用いられている音楽は、実に素晴らしかった。この映画は中国の人気監督・Yimou Zhangの作品で、主演女優のZiyi Zhangがこの作品で光り輝いていて、共演のTakeshi Kaneshiro、Andy Lauの二人を含めた、特撮による超人的なアクションには目を見張るものがあった。それから、背景の山々、竹林、季節の移り変わりが見事な色彩で表現されていて、その美しさに引き込まれそうである。ストーリー自身も、エッと驚かせる展開はあるものの比較的単純で分かりやすく、アクションとラブストーリーが、少しぎこちないものの、何とかうまくブレンドされていて、楽しめる作品に仕上がっている。音楽はShigeru Umebayashiという日本人作曲家で、テーマ曲Loversの美しい旋律が中国の壮大な風景と見事にマッチしている。その他の曲もどれも美しいメロディーばかりで、中国的というかアジア的というか、その雰囲気を見事にかもし出している。最後に同テーマ曲をキャサリン・バトルが歌っていて、その流れるようなソプラノと物悲しい二胡の旋律が何ともいえないハーモニーをかもし出している。東西の調和がうまく表現されていて、これはもうスタンダードの域に達している。同テーマ曲のオーケストラ・バージョンもラストシーンの深々と降る雪の景色と見事にマッチしていた。とにかく音楽が素晴らしかった。
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