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カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

進化する巻き寿司

2011年01月01日 | 食いしん坊
皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて、話は変わりますが、巻き寿司のことを考えます。

私が幼年のころ、祖母が近くのお寿司屋さんで太巻きを買って食べさせてくれたのを、よく覚えています。一本の太巻きを4等分ぐらいにした大物でした。それはおいしかった。

巻き寿司といえば、たまご、きゅうり、かんぴょう、などが入ったものが定番ですね。そして、日本では、やはりかっぱ巻き、鉄火巻きと続くでしょう。

ところが、寿司ブームが世界中に広がった今日、巻き寿司は進化を続けています。

カリフォルニアロールは誰でも知っているアメリカが発祥の地を思われる古典的な変異体ですが、最近ではそれはたくさんの種類をこちらのレストランでは見かけます。

スパイシーサーモン、スパイシーツナ、シュリンプマヨ、サーモンスキン、シュリンプてんぷら、BBQイール&アボガド、スパイシーソフトシェルクラブなどなど。

カナダではBCロールとかバンクーバーロールと称して、様々な変異体を作り出して進化し続けています。これがどれもおいしいのです。

私はアボガドが入った変異体巻き寿司がすきです。それから、スパイシーサーモンやシュリンプてんぷらなども好きです。

日本の本格的なお寿司屋さんでは、こういう変異体はあまり好まれないのでしょうが、日本でも回転寿司などでは出現していますね。逆輸入といったところでしょうか?

皆さんの近所ではどんな巻き寿司変異体があるか教えてください。

はやくも師走

2010年12月01日 | 食いしん坊
2010年もすでに12月、「先生も走る」という師走に突入しました。

トロント地方は昨日まで雨が降ったりやんだりで、浮かない天気でした。今日は雪が舞い始めました。気温が下がってきました。いよいよ冬の季節の到来です。

「銀座・鉢巻岡田で鮟鱇鍋を食べなくちゃあ、冬が来ない」といったのは山口瞳氏ですが、鍋の食べたくなる季節になったのは当地も同じです。ちなみに、私は山口氏の感性に大いに共感するとともに、それをうまいせりふにされた同氏の才能に敬意の念を抱いています。

世界のどこにいても、季節によって恋しくなる食べ物があります。そして、ありがたいことに、今ではほぼ何でも食材が手に入るので、トロントでも鮟鱇鍋を楽しめます。確か去年の今頃、同じようなことを書いたような記憶があります。銀座・鉢巻岡田の鮟鱇鍋とまでは行かないでしょうが、家族で箸を伸ばし突っつきあっていただく鍋は、世界のどこで食べても格別なのだと思います。

今夜も冷えてきそうです。暖かくして寝ることにします。

韓国の「三時のおやつ」

2010年10月20日 | 食いしん坊
BL先生の研究室のポスドクSB君の案内で、ソウル近郊にある韓国民族村に行ってきました。

韓国民族の伝統的な暮らし方や文化を紹介sるテーマパークといった感じです。以前高松に行ったときに立ち寄った「四国村」を思い出しました。

紅葉がきれいで、古い民家によくマッチしていました。風車のある民家をバックにとった写真をアップロードします。

広い館内を一回りして、韓国の民族舞踊や騎馬隊のデモンストレーションを観覧して、ちょっと疲れたので館内にある露天の店で一休みをしました。

SB君に「おやつに食べるようなもの、買ってきて」と頼んだら、現れたのが写真のチジミと冷たい甘酒でした。チジミは山菜のようなものが入っていました。そして生地にかぼちゃが入っているそうで、ほのかな甘みがソースとよくマッチでしていて、大変美味でした。甘酒ものど元を冷やしながら、スーッとおなかに入っていく感じがとてもよかった。

韓国の伝統的な「三時のおやつ」をいただきまました。

私の好きな日本の食材

2010年05月17日 | 食いしん坊
海外に住んでいる日本人がどんなものを食べているのか、聞かれることがあります。本当に最近は何でも手に入るようになって、日本の家庭の食卓に出てくるようなものを海外に住んでいる私たちも気軽に楽しめるようになりました。

たとえば、今夜の我が家の食卓には、私の大好物の「ひじきの炒め煮」が登場しました。グリーンピースとサケの缶詰を入れるのが我が家の定番です。味はしょうゆとみりんがベースで、あまり余計なものは入れません。これは、私が祖母から受け継いだレシピで、今では家人にその伝統を伝えてあります。

私のもうひとつの好物は、「切り干し大根の炒め煮」です。こちらも、しょうゆとみりんがベースです。こちらは、にんじんとお揚げの千切りが入るだけの質素なものです。これも祖母から伝授されたものです。

この二つのメニューが同時に食卓に上がることはめったにありませんが、どちらかが出てくると私は大満足で、ご飯をいっそうおいしくいただけます。

ひじきも切り干し大根も、近所にある日本食材の店で手に入れることができます。感謝、感謝!

鮟鱇鍋

2009年11月15日 | 食いしん坊
「銀座鉢巻岡田の鮟鱇鍋を食べないと冬がこない」と言ったのは山口瞳氏である。東京界隈では、鮟鱇鍋の季節が始まるのは11月下旬だそうだが、こちら北緯44どにあるトロントは、すでに鮟鱇を入手できる季節となり、寒空にはもってこいの鍋の季節が始まった。

今日は早速「Munk fish」を日本の魚屋さん(Taro Fish)で購入し、味噌味の鮟鱇鍋に仕上げた。歯ごたえがある鮟鱇の肉質を楽しみながら、出汁のよく出たスープをすする。白菜、豆腐、それにしめじとしいたけ、どれもこれも美味である。

やはり、冬は鍋に限る。そして、鮟鱇鍋がカナダでもいただけることに感謝せざるをえない。本当においしかった。

栗の季節

2009年11月13日 | 食いしん坊
秋といえば、栗の季節です。日本では栗のお菓子がたくさん出回り、季節を感じさせてくれるのでいいですね。

私が小さい頃、祖母が手に入れるのを楽しみにしていたのが、中津川の「すや」のくりきんとん。季節限定で、この時期にしか味わえない味でした。私も大好きなお菓子でした。

こういう季節を感じさせてくれるお菓子や料理が、こちらにはあまりありません。強いてあげるなら、サンクスギビングのターキーとかでしょうが、ターキーの丸焼きは食べたければいつでも食べられます。

四季のものを大切にする日本の心は忘れたくないですね。

團伊玖磨氏の『パイプのけむり選集・食』を読んで

2009年10月08日 | 食いしん坊
壮絶たる食の達人。日本を代表する作曲家であった團伊玖磨氏の『パイプのけむり選集・食』を読んで、そう思った。

37年もの長期にわたってアサヒグラフに連載された『パイプのけむり』という同氏のエッセイはあまりにも有名で、私もおそらく過去に何度かその一遍をかじったことはあるとは思うが、膨大な数のエッセイの中から食に関するものをうまく集めたこの新装本(小学館文庫)を今回大いに楽しませてもらった。

この人の食に対するあくなき好奇心、探究心は、科学するこころに通じている。また、職業柄世界中を旅されて、各地で出会う食の文化をきわめて独自の食感で持って心から楽しみ、それをうまく文章として表現された才能には感服するほかない。科学者もコンフェランスなどで世界中を旅する幸運に恵まれた職業であるが、團氏のような著名な作曲家の「出張」の多さには驚嘆するとともに同情せざるをえない。同氏は、2001年旅先の蘇州で心不全を発症し、帰らぬ人となった。享年77歳。最後に何を食されたのだろう。

九州の財閥の家に生まれ、祖父、父ともに男爵であった家柄だった。文章の節々に認められる気骨さは、家庭環境の中からはぐくまれたものに違いない。その独断と偏見にも近い自己の主張が、あまりにもセルフ・コンシステントというか自己的に筋が通っているので、滑稽であるはが納得させる力をもっている。

久しぶりに読んでいて楽しい文章にめぐり合うことができて、こちらもお腹が満腹になったような気がした。

Rudy's "Country Store" and BBQ

2009年02月17日 | 食いしん坊
トロントからサンタフェへはデンバー経由でアルバカーキー空港に入ります。そしてそこからレンタカーをしてサンタフェに向かいました。学会に参加するラボのメンバー3人と一緒にハイウエー25に乗りました。

ちょうどお昼時でおなかもすいてきたので、ランチをどこかで食べることにしました。運よく大変ローカル色豊かな看板を見つけ、早速入ることにしました。テキサススタイルのBBQの店でした。

店は広くて、玄関を入るとセルフサービスの列が目に入りましたが、まずは自分たちでテーブルを探しました。そしてポスドクのP君とC君に適当に4人分の食べ物をゲットするように頼んで私はテーブルで待っていました。テーブルの上にはRudy特製のBBQソースがおいてあります。そして、現れたのはビーフ、ポーク、チキンの三種類のBBQと、食パンの山。食器はありません。かわりに、大きな白い紙を各自がテーブルに敷いて、そこで自分でサンドイッチを作ります。好きな肉をとって、その上にオニオンのスライスとピクルスのスライスをおき、BBQソースをたっぷりかけて出来上がりです。これはうまい!

店の壁に大きなサインがありました。それにはこう書いてありました。
「Your mother is not here. Please clean up your own mess!」
こんなそっけない店ですが、行列ができていました。ひっきりなしに土地の人たちが入ってきました。

アメリカにきたという実感がわいてきました。おなかが一杯になってから、サンタフェに向かいました。約1時間のドライブでした。

三平の味噌ラーメン

2008年12月27日 | 食いしん坊
札幌は今冬の雪嵐が舞っている。到着したときは、雨模様で地面に雪はほとんどなかったが、今はあたり一面の銀世界。そして、ビュービューと北風が吹いている。

こんなときは、暖かい札幌ラーメンにかぎる。久しぶりに味の三平に行く機会をえた。この店は先代の店主が日本で始めて考案した味噌ラーメンが有名で、その味を今でも息子二人が継いでいる。昼過ぎ一時ごろ藤井セントラルビル4階にある店を訪れたが、店は満員で何十年も前と同じように待つ人で行列ができている。客の回転が速いので、待つこと15分ほどでカウンター席に案内された。

こういう活気のある店は分業がはっきりしている。注文をとり客の席を決める人、接客をする人、流しで汚れ物を洗う人、そして厨房でラーメンを作る人だ。店の店主がもちろん厨房に立っている。そして、うれしいことに店主兄弟とよく似た20台と思しき青年が接客がかりをしていた。この店は三代目を得ることができそうだ。これは悪までも私の推測。

着席するのを待っていたかのように、味噌ラーメンが運ばれてきた。タイミングが計られているようだ。太目の麺も濃厚な出汁も以前のまま。実においしかった。店の味を頑固に保ち続ける。そして、こつこつと同じことを繰り返す。なかなかできない業だ。こういう店に拍手を送りたいし、これからもがんばってほしい。

幸せな気持ちになって三平を後にした。また来ようと思う。

鮟鱇鍋

2008年10月06日 | 食いしん坊
「鉢巻岡田の鮟鱇鍋を食べないと、私の冬はこない。」という名セルフを残したのは、作家山口瞳氏である。

カナダ在住の私は、残念ながら銀座まで簡単には足を運べない。ただ、まだ10月だというのに、こちらではもう鮟鱇が出回る季節になった。今日、いきつけの魚屋さんでモンクフィッシュ(鮟鱇の英名)を仕入れて、ちょっと気が早いとは思ったが、早速鮟鱇鍋をいただいた。今日は天気は悪くはなかったが、朝の気温は8度近くまで落ち込んだので、鍋をするにはもってこいの日和になった。

アサリとハマチのあらを一緒にいれたので、益々よいだしになった。鮟鱇は新鮮で、こりこりとした食感がたまらない。最後のスープがこれまた、おいしかった。満足、満足。

氏の本では、11月下旬に鉢巻岡田に出かけている。日本で鮟鱇鍋の季節が来るのは少し先のことなので、寒い国から初冬の風物詩をいち早くお送りする。

冬はやっぱりおでん

2008年02月24日 | 食いしん坊
トロントも冬の真っ只中ですが、こんな時は冬を楽しむにかぎります。スキーへ行くのもいいし、アイスフィッシングもいいですね。我が家では、こういうときはおでんを作ることにしています(笑)。

今日のおでんの種は紀文のおでんセットに、牛肉、たこ、大根、ジャガイモ、それにちくわぶ、卵、銀杏を加えた豪華版で行きました。実はこのメニューは息子からのリクエストでした。この一週間「Reading Week」で帰省していたのですが、明日から大学の寮に戻るので、最後の晩餐のメニューに彼はおでんを選びました。やはり、日本人の血が流れているのか...

久しぶりにおでんを食べて家族みな満足。あったまりました。寒い冬はこれに限ります。

トロントの洋菓子店「Rahier」

2008年01月22日 | 食いしん坊
何となくアップルパイが無性に食べたくなって、そう思った時は「よし作るぞ」という意気込みは持っていたのに、ついトロントにも洋菓子の名店があることを思い出し、家人の勧めでBayview Avenueにある「Rahier」に直行した。

日曜日の午前11時だったが、店内は一杯の人だかり。ケーキを買う人、小さなカフェコーナーでコーヒーを飲みながら語らう人たち、活気のある店だ。何種類もあるケーキの中からリンゴがぎっしり盛られたタルトを購入(写真)、パイではないがこの上にホイップクリームをのせて食べたら、おいしそう。同時に、ナスと乾燥トマトのキッシュも購入。

早速家に帰り、アップルタルトをオーブンで温めて、その間にホイップクリームを泡立てて、準備完了。紅茶を入れて着席し、まずキッシュからいただきました。これが実にうまい。ゴーダチーズのまろやかな味の中に野菜のほのかな香り、ちょうどいい塩加減で、口の中でとろけるようでした。

そして、今日の本命、アップルタルト。見た目はかなり甘そうですが、ちょうどいい甘さ。ホイップクリームと一緒にいただくとまた格別。午後の紅茶によくマッチして、ゆったりとした日曜の昼食を取ることができました。

この洋菓子店はお勧めです。トロントにいらっしゃったら、一度是非お試しあれ。

帯広銘菓「三方六」

2008年01月15日 | 食いしん坊
帯広にはおいしいお菓子を作る店がたくさんあるのですね。六花亭はあまりにも有名ですが、柳月という店の「三方六」という名のバームクーヘンもとびきりおいしいですね。白樺の丸太を輪切りにしたような形をしていて、柔らかさと甘さがちょうどよい具合に仕上げてあります。帯広という街の文化の香りが伝わってきます。

また今度北海道へ行ったら、ぜひとも食べてみたいと思っています。

中神駅前の食堂

2007年07月14日 | 食いしん坊
また昔の話しになります。ごめんなさい。

1979年のことですから、かれこれ28年も前のことです。私は昭島市にあるJ社にマススペクトロメトリーの研修に行きました。その際、中神駅前の通りを少し歩いて左手にあった「18番」という名前の食堂に毎晩のようにお世話になりました。

そこのメニューはすべで番号で書かれていて、注文も「8番と36番!」とかいう風にします。膨大な数のメニューのなかで私がとりわけ好きだったのが、写真の豚肉とトマトとたまごの炒め物でした。この正確な番号は今は思い出せませんが、私も「13番!」とかいう風に注文していたのを思い出します。トマトと豚肉の相性がとてもよく、それにたまごの甘味が実にうまくからまりあった一品で、私は大ファンになりました。

口数が少なく腕の立つ職人といった感じのご主人がコックさんで、奥さんは都はるみにとてもよく似た小柄で気さくな方だったことを今でもはっきり記憶しています。今はどうされていますか。確か数年前にJ社を訪れた時、すでにこの店が中神から姿を消したということを知りました。とても寂しく思いました。

30年近くたった今でも、この料理が我が家の食卓に上ります。家人も大好きです。今日は私が腕をふるって作りました。おいしかった。