カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

春節

2012年01月23日 | カナダ
今日(1月23日)は、旧暦のお正月、中国では「春節」という。

世界中の中国文化圏の人々が、この旧暦の正月を西暦の正月(1月1日)よりも大切にしている。Asahi.comによれば、「中国鉄道省は旧正月前後の40日間の旅客を延べ31億5800万人と見込む」そうである。すさまじい数で、驚くばかりである。この国のスケールは、並大抵ではない。

今年の春節は、トロントでは朝から雨で、先週まであった雪がすべて解けてしまった。日本では北海道や日本海側で豪雪が続いていると聞く。

雨の中、こちらはグラントの準備で大変ある。3月までに二つのグラントを完成させ、さらに二つのグラントのLOI(Letter of Intent)をサブミットしなければならない。この時期に重なってしまったのは致し方ない。

幸いここの所論文がアクセプトされるニュースが二つ続いて、ちょっとほっとしている。これを予算につなげるのが私の仕事でもある。さあ、グラント書きに戻らねば。。。

三島由紀夫の英語

2012年01月18日 | 日本
とあることから、三島由紀夫が武士道について英語で語っているYouTubeビデオに巡り会った。そして、驚いた。

日本人離れしたスムーズな発音で、少しBritish Englishなまりのある奇麗な英語なのである。発音がいいというだけならあまり驚かなくてもよいのだが、三島由紀夫の偉大さは、自分の意見を持っていて、それをはっきりと英語で表現している点である。武士道についてもしかり、ほかのインタビューでは、日本の軍事力について外国人記者に尋ねられ、はっきりとした口調で堂々と自分の考えを述べているのである。もちろん英語である。

三島由紀夫がこれほど語学力に長けていたことは知らなかった。おそらくイギリスに留学経験があるのだろうと勝手に想像し、早速その略歴を調べてみた。ところが三島は海外へ留学したことはないのである。世界一周旅行などの経験はあるようだが、長期に海外で暮らしたことはなさそうである。愛国主義者だったとすぐに思い出した。とすると、学習院時代に英語の教師からかなりのトレーニングを受けたのだろうか?親密な交流があったドナルド キーン博士の話では、三島は「会話によって英語をマスターした稀有な人」とのことである。三島の英語は確かに口語英語から入った人のものである。

ここで、三島自身の考えや意見について、私は特に善し悪しを述べるつもりはない。私が感心するのは、とにかく自分の意見、考えをしっかりと英語で表現できる才能を持った人だったということである。当時30代だったと思うが、三島はすでに「matureな大人の国際人」であったのである。そういう人間を、我々日本人の中から数多く輩出することが、今の国際社会の中で強く求められていると思うので、半世紀も前の三島由紀夫の英語でのインタビューを聞いて、鮮烈な印象を受けたのである。

蛇足かもしれないが、日本の首相や外務大臣が、三島のように、外国に向けてはっきりとしっかりした意見を言える能力を備えた人であってほしいと願うのは、私だけだろうか?

興味のある方は、こちらをご覧あれ。

カナダ一月の風物詩

2012年01月14日 | カナダ
クリスマス休暇が過ぎ、年も明けると、毎年近所の道路脇に現れるのがこれです(写真)。

何だかわかりますか?そうです、クリスマスツリーの残骸です。

毎年、多くの家庭ではクリスマスツリーを購入します。我が家も同様です。12月のはじめ頃から、店先にクリスマスツリーがたくさん並びます。一本約30ドルから50ドルぐらいします。
シダー(杉)の木が毎年クリスマスツリーの為に作られ、消費されます。

クリスマスが終わり、用がなくなると、このように各家庭ではツリーをゴミとして出す訳です。市の清掃局は毎年期間を設けて、これらの膨大な数の木の残骸を集めにきます。もちろん、リサイクルはされるのですが、木にとっては何だか可愛そうです。

これがカナダ、いや北米の冬の風物詩でもあります。

明けましておめでとうございます

2012年01月03日 | カナダ

2012年、明けましておめでとうございます。

今年は辰年、龍が天に昇る勢いで今年が皆さんにとっていい年となることを心から願っています。

昨年は本当に大変な年でした。いまでも東日本大震災と津波、そして原発事故の影響で不自由な暮らしを強いられている方々がいらっしゃると聞きます。東北地方の新しい未来に向けて、地震にも津波にも強く、しかもその土地、その土地の伝統と人々のつながりがうまく継続される、素晴らしい町づくりが進むことを祈っています。

話は変わりますが、紅白歌合戦を日本で見ました。久しぶりです。私が長年愛し続けてきた松任谷由実さんが初めてこのステージに姿を見せました。「春よこい」、とても素晴らしかった。呉服屋さんの娘らしく、和服での登場。いつものモダンで斬新なコスチュームとは違い、何となく優しいユーミンの素顔に接したように思いました。彼女も還暦、何か吹っ切れたような感じがします。自然体でいけばいいと思います。それから、長渕剛の歌がとてもよかった。ライティングも素晴らしかった。大晦日の夜を親類の家で楽しく過ごすことができました。

そして、年末年始の休暇を終え、私は家族とともにトロントへ帰宅しました。幸い昨日は暖かく0度前後でしたが、今の外気温度はマイナス12度、今日は寒くなりそうです。

さあ、気持ちを引き締めて、また新しい年のスタートです。仕事の面、プライベートなこと、両方ともが皆さんにとって、よい年となりますように願っています。