カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

札幌のレストラン・ハイチ

2010年01月30日 | カナダ
ハイチの悲惨な惨状に心を痛めている。国際的な支援活動が進んでいるとは聞くが、一刻も早く復旧が進むように願ってやまない。そして、被災して亡くなった方々の冥福を心からお祈りします。

ハイチという国が、カリブ海に浮かぶ小さな国であることを知ったのは、大学時代のことだった。札幌に「ハイチ」という名前のレストランがあって、その独特の異国情緒が好きで、友達と何度か訪れて食事をしたことがあった。もう30年以上も前の話しである。

大通り西16丁目あたりの角地に、ひっそりと木造の建物があって、外見も何だか異様な雰囲気を持っていたように記憶している。どんなものを食べたかまでは、今となっては記憶が脳みそのしわから完全に消えてしまっていて、思い出せない。

そこで、少しでも脳みそを活性化するために、早速Google MapのStreet View(これはすごい!)を使って、いま「ハイチ」のあったあたりがどうなっているか調べてみた。木造の建物は見当たらなかった。ところが、何とその角地には現在「大通ハイチ」と言う名の学生用マンションが建っているので、びっくりした。まさしく、これがレストラン「ハイチ」があった場所に違いないと確信を持った。

遠い学生時代の思い出は、つい最近のことのようにも思い出されるのだが、それと同時に、30年という時間の流れを感じざるを得ないでいる。ぽっかりと口をあけて、Google Mapを見ている自分がそこにいる。


犬の追っかけっこ

2010年01月25日 | ペット
ナナちゃんの散歩は毎日の日課です。週末は朝と夜の二回、私が必ず行きます。家族で行くことも良くあります。週日は、朝が家人、夜は夕食の後、私が連れ出します。

週末の朝の散歩はとりわけ、ナナちゃんのお気に入りです。というのは、いつもより少し遠くまで散歩をして、ボールや小枝を投げて遊ばせてあげるからです。日曜の朝、私が少しゆっくりしていると、催促に来ます。

日曜日の今朝は、近所の犬と大はしゃぎで追っかけっこをやりました。やはり犬も人間もですが、こういう同種の間でのコミュニケーションというかスキンシップは健全な成長に不可欠なような気がします。

先日(1月18日)で一歳になったナナちゃんです。元気が有り余っている様子で、ナナちゃんを見ているだけで、こちらもその元気を少しだけおすそ分けされた気分になれます。

帰宅、そしてあれこれ

2010年01月19日 | カナダ
週末にヨーロッパの出張から帰宅しました。トロントは暖かい!どうなっているのでしょうか?雪がほとんど解けてしまいました。

このところ暗いニュースが続いています。ハイチの大地震は本当にすさまじかったのですね。現地では被災者の救出、援助が続いていますが、一人でも多くの方々が救われるように願っています。

そして、日本航空が倒産しました。航空業界は今様々なチャレンジに遭遇していますが、何とか日本の航空会社も生き残っていってほしいと思います。やはり世界各地の空港で、JALやANAの翼を見るとほっとします。遠い空から応援しています。

帰宅すると様々な仕事が待ち構えていました。研究所の運営に関することや、グラント、論文、それにとある科学書の出版のことなど、いろいろあります。身体を鍛えて、がんばらなければ!

ドイツからオーストリアへ列車の旅

2010年01月14日 | 旅の徒然
Halle大学でのセミナーを終えて、昨日は一日列車の旅をしました。Halleから二回列車を乗り換えて、オーストリアのLinzまで来ました。約8時間の長い列車の旅でしたが、ドイツとオーストリアの田舎の風景を車窓に見ながら、物思いにふけったり、本を読んだり、コンピュータで仕事をしたり、またiPODで音楽を聴いたりしながら、過ごしていると、あっという間の時間でした。ヨーロッパの列車の旅は悪くありません。

Linzに着いて、R教授の出迎えを受けて、またLinz大学の宿舎にやって来ました。この宿舎は1年ほど前にも泊まって、記事を書いたことがあります。設備の行き届いた素晴らしいレジデンスで、快適に過ごしています。

オーストリアの食事も気に入っています。ダンプリングの入ったスープ、アプリコットをふんだんに使った料理がよく出ます。今日いただいたシュニッツェルの中にハムとチーズが入っていた料理も、とても美味でした。

R教授の親切なもてなしのせいもありますが、オーストリアが大変気に入っています。持つものは友です。科学が授けてくれる科学者にとっての大きな喜びと楽しみは、いろんな国のいろんな人々と仲良くなれることです。

スカイ・ディスクって何?

2010年01月12日 | 旅の徒然
今、ドイツのHalle大学のあるHalleという町にセミナーで来ています。

来るまで知らなかったのですが、招待してくれたのはこの大学の大学院生のトーマス君で、彼は昨年イタリアであったゴードン会議で私の講演を聴いて、大学院生の主催するセミナーシリーズに招待してくれたのだそうです。若い研究者に私の研究が共鳴を与え、こういう機会でドイツの今まで来たことのなかった町へ来ることができることは、大変光栄なことです。多くの研究者と一日ディスカッションして、楽しいひと時でした。

昨日は、トーマス君の案内でHalleの町を歩きました。とにかく雪が多く、除雪が行き届いていないのには驚きました。大学時代札幌で暮らしていたときのことを思い出しました。札幌も雪が多かったし、幹線道路以外は当時まだまだ除雪が不完全でした。今は変わっているのでしょうが。

ここの博物館で、スカイ・ディスクという古代人が使っていたと考えられる天文地図のことをはじめて知りました。何でも10年前に発見されたそうです。このあたりの地形が自然に恵まれていたのでしょう。何百万年前からの石器が膨大な数発見されています。天文学の知識もかなり発達していたらしく、月と太陽に動きをかなり詳細に調べて、一年の周期を見極めていたようです。これは、すごい!


分子生物学から人類学へ

2010年01月09日 | サイエンス
最近読んだ本にSpencer Wellsの「Deep Ancestry - in side the genographic project」というのがある。高速DNAシークエンシングの技術を用いて、人類がどのように多種多様な「民族」に分かれていったのかを解明しようというプロジェクトのお話しである。

私は以前から、分子生物学が生物の起源、さらには人類の進化、さらには各民族の歴史や文化の背景にまでつながっていると信じている。それを解き明かすことができたら、どんなに面白いかと考えている。そういうわけで、DNAの配列から人類の系統樹を作ろうとするこの膨大なプロジェクトには、私も大いに興味を持っている。

まだまだデータの蓄積が必要なようではあるが、いつかきっと意外な真事実が科学的根拠を持って明らかにされる時が来ると思う。

同様に、DNAシークエンシング技術の目ざましい高速化によって、癌をはじめとする遺伝子病の発現形態と多数の遺伝子変異のコンビネーションの関係が、ある程度説明がつく日が遠からず来るようだ。そして、診断にも応用される日がいつか来ることだろう。

そんなエキサイティングな時代に我々は生かされているのである。科学をやりながら、つくづく自然の不思議、素晴らしさ、面白さに感動するのである。

極寒のトロント

2010年01月03日 | カナダ
年末は雨続きで暖かったですし、元旦の昨日も穏やかな陽気でした。ところが、一転2日の今日は、朝起きると外気温は摂氏マイナス17度で、とても寒くなりました。

ナナちゃんのお散歩も今日は寒かった。でも、防寒さえきちんとしていれば、気持ちのいいモーニングウオークができます。張詰めた空気が気持ちいいくらいです。

話しはかわりますが、鳩山首相がブログを始めたとか。国民と対話する政治を目指すのは結構なことで、ブログがその一つの表現方法だということらしいですが、一国の首相がどこまで私的、公的なことをリアルタイムでパブリックに公表するべきか、ちょっと不安はありますね。

ともかく、張り切っていらっしゃるご様子なので、エールを送りたいと思います。事業仕分けをはじめとする国内行政の問題、経済・金融の諸問題、そして安全保障の大問題を抱えています。一国の首相と言うのは、一大オーケストラの指揮者のような存在で、個々の楽器の音色をよく理解し、全体としてのバランスを考えながら、リアルタイムで重要な判断をし、演奏者に指示を出していかなければならないわけです。こういうことをこなせる能力と知識を身につけるには大変な努力と才能が必要だと思います。

鳩山さん、がんばってください。