カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

小石原焼

2009年11月29日 | 旅の徒然
素敵な湯呑み茶碗を手に入れました。福岡県の小石原焼です。

九州北部に窯元が数多く存在するのは、申すまでもなく、豊臣秀吉が16世紀後半に朝鮮出兵を行って(文禄・慶長の役)、膨大な数の陶芸職人を朝鮮半島から連れて帰ってきたことに始まります。有名な有田焼、伊万里焼も歴史の根底はそこにあります。もちろん、400年余の歳月をかけて、その土地独自の素晴らしい作品になってきたことも事実です。

小石原焼もその例外ではありません。朝鮮系の技術がこの地に入り、当初現存する高取窯として始まったとのことです。おそらく村落には今でも先祖代々伝えられてきた朝鮮職人の家伝のたぐいが残っていることでしょう。高取窯に小石原窯が加わり、両者切磋宅なしあいながらよりよいものを作り上げてきたということです。

私の手に入れた小石原の茶碗は、現代の陶工の作品ですが、この地に伝わる独特の文様(連続的な点線)が施してあり、濃い土色と黄土色の色合いもうまく調和し、心休まる作品に仕上がっていて、大変気に入っています。

おそらく意思に反して朝鮮半島から連れてこられた陶工の人々、そしてそれを受け継いできた後の人々の努力に心から敬意を表しつつ、カナダの地で小石原焼の湯呑み茶碗でお茶を楽しませてもらえることに大変感謝しています。

「まんぷく」で満腹

2009年11月28日 | カナダ
同僚のウニ先生を誘って、久しぶりにVillage By The Grangeにある「まんぷく」までランチに行ってきました。(ウニ先生はSea urchinを研究材料に使っているので、ニックネームになりました。)

オーナーのSakiさんがいつも通り店の中を走り回って大活躍していました。12時半ごろ到着したのですが、店は満杯でした。Sakiさんは京都からカナダに移住されたお嬢さんですが、英語も達者でよく気がつくので、そういう店の雰囲気がお客さんを引き止めているのだと思います。ウニ先生もSakiさんの大ファンで、ちょくちょく一人で来ているそうです。「Japanese woman is the best!」と言っています。私も、彼女の一生懸命働く姿を見ていると、エネルギーをもらったように思えて、何だか元気が出てきます。

私の定番は「肉うどん」です。確か$6.99です。大変ボリュームがあり、出汁の味もよくて、讃岐うどんもうまく茹で上がっています。牛肉の時雨煮もうどんとよく調和していて、大満足です!

トロント在住の皆さん、「まんぷく」をぜひ一度お試しください。Sakiさん、がんばれ!

Puconから帰宅

2009年11月22日 | 旅の徒然
南米のチりから帰宅しました。Puconでは雨続きで、結局噴煙を上げる火山の姿を見ることはできませんでした。Puconという町は、どうもチりでは結構人気のある避暑地のようで、日本でいうと軽井沢のようなところでしょうか。

町は大きくはありませんが、ほとんどか観光客目当てのレストランやショップでした。ホテルの前では、アルパカを使った様々な衣類とか、そのほか南米ならではのアクセサリーなどを売るインディーの屋台が何台も出ていて、外国人観光客目当てに商売をしていました。

ホテルの前にあったインディーの彫刻を写真におさめました。このあたりのインディーらしき人々の歴史をじっくりと調べたかったのですが、学会でいそがしく結局そういう時間がありませんでした。

チリ・プーコンより

2009年11月19日 | 旅の徒然
カルシウムの国際会議でチリに来ています。首都サンティエゴから南へ750kmのところにあるPuconというリゾートホテルにいます。

到着した日から雨が降ったりやんだりです。カルデラ湖畔にあるホテルで眺めは素晴らしいのですが、天気がぱっとしないので残念です。

文化や習慣がかなり違うので、驚かされることが多いのですが、幸い特に不自由することもなく、会議に出席しています。

鮟鱇鍋

2009年11月15日 | 食いしん坊
「銀座鉢巻岡田の鮟鱇鍋を食べないと冬がこない」と言ったのは山口瞳氏である。東京界隈では、鮟鱇鍋の季節が始まるのは11月下旬だそうだが、こちら北緯44どにあるトロントは、すでに鮟鱇を入手できる季節となり、寒空にはもってこいの鍋の季節が始まった。

今日は早速「Munk fish」を日本の魚屋さん(Taro Fish)で購入し、味噌味の鮟鱇鍋に仕上げた。歯ごたえがある鮟鱇の肉質を楽しみながら、出汁のよく出たスープをすする。白菜、豆腐、それにしめじとしいたけ、どれもこれも美味である。

やはり、冬は鍋に限る。そして、鮟鱇鍋がカナダでもいただけることに感謝せざるをえない。本当においしかった。

栗の季節

2009年11月13日 | 食いしん坊
秋といえば、栗の季節です。日本では栗のお菓子がたくさん出回り、季節を感じさせてくれるのでいいですね。

私が小さい頃、祖母が手に入れるのを楽しみにしていたのが、中津川の「すや」のくりきんとん。季節限定で、この時期にしか味わえない味でした。私も大好きなお菓子でした。

こういう季節を感じさせてくれるお菓子や料理が、こちらにはあまりありません。強いてあげるなら、サンクスギビングのターキーとかでしょうが、ターキーの丸焼きは食べたければいつでも食べられます。

四季のものを大切にする日本の心は忘れたくないですね。

鉄の箸

2009年11月09日 | 旅の徒然
韓国では食事のときに出される箸はどこへ行っても鉄製である。そのこともあって旅行中は、この国の木、石、鉄の文化のことを考えていた。そのことは10月23日の「ソウル到着」の記事でも書いた。朝鮮半島にはこれの素材が昔から豊富に存在した。高句麗、新羅、百済の時代のことである。

太古の昔、鉄はどのように作っていたのか?それは、花崗岩に含まれる砂鉄分を高温で熱することで、鉄を精製する。この技術を昔の人たちは持っていた。高温に熱するには燃料がいる。すなわち、薪が必要だったのだ。だから、花崗岩が豊富に存在し、そこから生まれる砂鉄がとれる朝鮮半島には鉄の文化が早くからあったのだ。もちろん、山々の森には豊富な材木が存在することも重要である。

日本列島にも花崗岩は存在する。森もある。鉄は四国で多く取れるが、技術力も未熟だったろうし、その量は十分でなかったのだろう。鉄の文化は半島、大陸から流れてきた優れた鉄の加工品をうらやましく思った人々がいたに違いない。

みぞれ降るトロント

2009年11月06日 | カナダ
今日の午後3時半ごろ、トロント市内では今年初めてのみぞれを観測しました。冬がもうそこまで来ているのですね。

そういえば読者の皆さんに、遅ればせながら報告があります。私の撮った風景写真が雑誌『旅サライ』のコンテストで金賞を受賞しました!

写真は昨年暮れ家族で北海道旅行をしたときのもので、知床連山の風景写真です。見事な冬晴れで、素晴らしい写真が撮れたので我ながら感動したのですが、その写真を一枚何となく気まぐれにサライに送っておいたら、9月暮れに出版社からうれしいニュースが入ってきて、家族皆で大喜びしました。

何でも試してみるものですね。自分で撮った写真をコンテストに出すのは初めてです。まぐれですが、励まされます。

詳しくは、店頭ででも2009年秋号の97ページをご覧ください。表紙に「癒される日本の聖地へ」と書いてある増刊号です。


帰宅するとハローウイン

2009年11月02日 | カナダ
韓国から帰宅すると、カナダはハローウインでした。

行く前は見事に紅葉していた自宅近くのカナディアンメープルの木々は、すっかり枝ばかりになっていました。いたるところ落ち葉のじゅうたんです。

今年のハローウインは子供の数が少なかったようです。H1N1インフルエンザの影響かとも思われますが、買ってあったキャンディがバスケットの中にたくさん残ってしまいました。ちょっとさびしい限りです。

ハローウインは北米の秋の風物詩です。