カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

才能と天職

2008年01月16日 | 音楽
才能のある人というのはいるものである。音楽の世界、絵画の世界、芸術の世界には、たくさんの人がその才能を華咲かせている。そして彼らの作品に触れると、多くの人々が美しいと思ったり、心を惹かれたりするものだ。

今Sarah McLachlanの曲を聴いているが、この人も実に才能に恵まれた逸材であって、その才能が見事に彼女の音楽に表現されている。聴いていて何とも心が気持ち良くなるのである。彼女はカナダのノバスコシア出身のシンガーソングライターで、90年代後半から多くのヒット曲を出しているので、ご存じの方もいらっしゃるであろう。前にも彼女の音楽についてこのブログで書いたことがある。今は二児出産のため休暇中である。

もう一人カナダ出身の音楽家を紹介するとすると、やはりピアニストのGlenn Gouldであろう。バッハを生涯にわたって愛し続け弾き続けた。その数々のレパートリーにはつくづく感心させられる。毎日聞いていても全く飽きることのない完成された音楽なのである。この才能も実に見事な花を咲かせている。

それからカナダの音楽家で忘れてならないのが、昨年暮れに惜しまれて他界したジャズの巨匠オスカー・ピーターソンである。素晴らしい才能の持ち主であった。彼の自宅のあるミシサガは私の家から30分足らずのところである。

一方で、才能がありながらそれを発見するチャンスを逸して生涯を閉じる人もたくさんいる違いない。才能を自ら見出し(もしくは誰かに見出されて)天職を全うできた人たちは幸せであろう。そのかげで、そうでない人々も少なからずいることを忘れてはならない。できることなら、すべての人が才能を見つけ出して自分の道を見出せたらいいのだが、こればかりはどうにもならないのか...

言えることは、自分の才能がなんであるかわからないからと言って躊躇したり、引っ込み思案になってはいけないと思う。少しでもひらめきがあったり、興味を持てるものがあるのなら、それをさらに磨くためにその世界に飛び込んでみてほしい。才能はやはり努力によってさらに磨きをかけられるものだ。躊躇することなく、自分を試してみてほしい。もし仮にうまくいかなかったとしても、自分が信じたものにチャレンジできたのなら、きっと後悔はしないと思う。

科学を目指す諸君にも、このメッセージを送りたいと思うから、そしてエールを送りたいと思うから、思いつくままに書いてみた。最後まで読んでくれてありがとう。


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1 コメント

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ありがとうございます (とあるポスドク)
2008-01-18 18:13:31
 いつも楽しみに拝見させて頂いております。以前グランとの記事のときに投稿させて頂きました。
 海外の滞在期間が長くなるとあらゆる方面で摩擦がおこり、研究の持続が困難に感じることがあります。この記事を見て原点に戻り頑張ろうという意欲がわいてきました。ありがとうございました。
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