カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

明日への希望

2012年03月11日 | 日本
東日本大震災から1年が過ぎた。被災地では、復旧、復興に向けてまだまだ多くの人々が苦労をされている。国や地方自治体の支援をいかに具体化していくか、時間がかかる作業が続いている。被災された方々の思いをできるだけたくさんくみ上げて、なんとか一刻も早く被災された方々が平常の生活に戻れるように、国や地方自治体が速く動いてほしいと願う。

震災と津波で肉親を亡くしたり、家をなくした人々のお話をテレビで聞くと、心が痛む。目頭が熱くなる。同時に、多くの方々の話は前向きなものが多く、こちらの方が励まされずにはいられない。自分の力で一日も早く普通の生活を取り戻そうと一生懸命働く人たち、不自由な仮設住宅で暮らす老人の明るい笑顔、仮設校舎で元気に笑顔で勉強する子供たち、皆さんの顔には明日への希望がはっきりと見える。親が子を心配する。子供が親の健康を気遣う。町内の皆が隣近所の人々のことを思う。人と人の絆がこういう状況ではよりいっそう強くなる。それが人間の強さだと思う。特に、人への思いやりの心を持つ日本人のたぐいまれな気質には感嘆させられる。本当に素晴らしい。

一方で、いつ起こるとも知れない地震や津波などの天災を思うとき、人間の築き上げてきた文明が自然の前ではいかに非力なものかを思い知らされる。人は自然とともに行きていくしかない。自然の鼓動を注意深く聞きながら、それに逆らうことなくともに生きる心が大切ではないか?原発をはじめてとして、科学と経済の力が押し進めてきた文明の力を、我々人間がコントロールしていかなくてはならない。

一日も早い被災地の復旧、復興と、被災された方々の安らぎある生活の回復を心から祈るばかりである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿