日本に一時帰国して、街の景観や習慣に基づいたインフラに関して気になることが時々ある。安部首相がビジョンとして掲げる「美しい日本」になってほしいから、あえて北米生活者の目で見たときに感ずる「これはちょっと...」を書いてみることにしよう。
日本の大学で(おそらくすべての大学がそうだと思うのだが)トイレを使用したあと、「これは外国人は困るだろうなあ」と思うことがある。今回もH大の国際交流会館のトイレでも、また同様であった。それは、手洗いにペーパータオルが備え付けられていないことである。これは、以前私が世話になったT大学に新設された研究施設でも気づいたことである。10年前の話しではあるが。北米では公共設備のトイレにはペーパータオルがあり、ハンカチを探したり、ぬれた手のままでトイレを出ることはない。
もちろん、ハンカチを一枚持っていれば済む話しであり、資源保護の立場からもペーパータオルを乱用するのは感心できないと思われるだろう。私も個人的にはその意見に賛成であるが、私がここで問題にしているのは、欧米の人たちがどうのように日本を見たり感じたりするかということである。ペーパータオルに慣れきっている外国人が訪れるような場所のトイレにはペーパータオルを置き、ハンカチを持ち歩かない習慣の人々への配慮も考えたほうがよいのでは?ということである。好印象を隅々まで持って帰ってほしいのである。
トイレに限らず、建物のメインテナンスや構内の美化が不十分である大学や研究所が今でも多い。H大は構内の美観において誇るべき地位にあるが、観光客が訪れるH大は例外中の例外であろう。
それから、日本国内に乱れる散る間違った英語表現が気になってしょうがない。公共機関に特にひどい英語が見られる。教育の中枢である大学をもってしても同様である。今も関空の出発ゲートのところに、「Departures」とあった。この場合、Departureは複数にはなり得ない。「Departure」でなければならない。「Furniture」にsを付けないの同じである。ネイティブスピーカーには見苦しいのである。もちろん、彼らは、ご愛嬌ということで何も言わないだろうし、意味は通ずるのであるから大した問題にはならない。しかし、こういう間違った英語表現を香港やシンガポール、インドなどでみたことはない。公共の場所の看板ぐらい、きちんとした英語にしてほしいものだ。概して、このような間違った英語表現は、デパートや商品の広告ではお目にかかったことがない。すべて空港とか学校、公園、美術館、博物館なで公共の施設ばかりである。役所の仕事に不完全なものがあるのではないだろうか?
数年前成田で大雪が降り、私はその翌日成田に降り立った。空港は混乱していて、空港近辺のホテルに行くことさえ大変であった。雪がまだちらつく中、ホテルのシャトルバスにようやく乗ることができた。空港で足止めされていたアメリカの航空会社の添乗員たちも大挙して同じバスに乗り込んできた。バスが走り出して前を見ると、トラックの荷台に数人の年老いた作業員の方々が後ろ向きに座り、素手で塩を撒いていた。アメリカ人のスチュワーデスがそれを見て、「なんてこと!ソルトを素手でばらまいているは!」と言って他の同僚と一緒に驚いていた。彼らには「人権侵害」的な感覚があったにちがいない。雪になれていない首都圏ということはあるだろうが、これは機械散布の用意をしておいてほしかった。彼らが話している内容や感情がわかるだけに、日本人としてやるせない思いがした。
日本は国民の大半が携帯でメールをやり取りしている。若者は音楽やビデオをダウンロードして楽しんでいる。ほとんどの車にはナビゲーター付いているし、街には新車が溢れかえっている。そして大都市には高層ビル群が立ち並んでる。これも日本の一側面であるが、前述のこととはあまりにもアンバランスな様相であるとしかいいようがない。日本のいい文化を守りつつ、見せかけだけではなく根底から成熟した国際的な先進国に進化していってほしいものである。
最後に申し添えておくが、日本には世界に誇るべき文化や習慣が多々あり、私はこの国で生まれ育ったことを誇りに思っている。
この稿を書くにあたりコメントをいただいたsmitsuiさんに感謝する。
日本の大学で(おそらくすべての大学がそうだと思うのだが)トイレを使用したあと、「これは外国人は困るだろうなあ」と思うことがある。今回もH大の国際交流会館のトイレでも、また同様であった。それは、手洗いにペーパータオルが備え付けられていないことである。これは、以前私が世話になったT大学に新設された研究施設でも気づいたことである。10年前の話しではあるが。北米では公共設備のトイレにはペーパータオルがあり、ハンカチを探したり、ぬれた手のままでトイレを出ることはない。
もちろん、ハンカチを一枚持っていれば済む話しであり、資源保護の立場からもペーパータオルを乱用するのは感心できないと思われるだろう。私も個人的にはその意見に賛成であるが、私がここで問題にしているのは、欧米の人たちがどうのように日本を見たり感じたりするかということである。ペーパータオルに慣れきっている外国人が訪れるような場所のトイレにはペーパータオルを置き、ハンカチを持ち歩かない習慣の人々への配慮も考えたほうがよいのでは?ということである。好印象を隅々まで持って帰ってほしいのである。
トイレに限らず、建物のメインテナンスや構内の美化が不十分である大学や研究所が今でも多い。H大は構内の美観において誇るべき地位にあるが、観光客が訪れるH大は例外中の例外であろう。
それから、日本国内に乱れる散る間違った英語表現が気になってしょうがない。公共機関に特にひどい英語が見られる。教育の中枢である大学をもってしても同様である。今も関空の出発ゲートのところに、「Departures」とあった。この場合、Departureは複数にはなり得ない。「Departure」でなければならない。「Furniture」にsを付けないの同じである。ネイティブスピーカーには見苦しいのである。もちろん、彼らは、ご愛嬌ということで何も言わないだろうし、意味は通ずるのであるから大した問題にはならない。しかし、こういう間違った英語表現を香港やシンガポール、インドなどでみたことはない。公共の場所の看板ぐらい、きちんとした英語にしてほしいものだ。概して、このような間違った英語表現は、デパートや商品の広告ではお目にかかったことがない。すべて空港とか学校、公園、美術館、博物館なで公共の施設ばかりである。役所の仕事に不完全なものがあるのではないだろうか?
数年前成田で大雪が降り、私はその翌日成田に降り立った。空港は混乱していて、空港近辺のホテルに行くことさえ大変であった。雪がまだちらつく中、ホテルのシャトルバスにようやく乗ることができた。空港で足止めされていたアメリカの航空会社の添乗員たちも大挙して同じバスに乗り込んできた。バスが走り出して前を見ると、トラックの荷台に数人の年老いた作業員の方々が後ろ向きに座り、素手で塩を撒いていた。アメリカ人のスチュワーデスがそれを見て、「なんてこと!ソルトを素手でばらまいているは!」と言って他の同僚と一緒に驚いていた。彼らには「人権侵害」的な感覚があったにちがいない。雪になれていない首都圏ということはあるだろうが、これは機械散布の用意をしておいてほしかった。彼らが話している内容や感情がわかるだけに、日本人としてやるせない思いがした。
日本は国民の大半が携帯でメールをやり取りしている。若者は音楽やビデオをダウンロードして楽しんでいる。ほとんどの車にはナビゲーター付いているし、街には新車が溢れかえっている。そして大都市には高層ビル群が立ち並んでる。これも日本の一側面であるが、前述のこととはあまりにもアンバランスな様相であるとしかいいようがない。日本のいい文化を守りつつ、見せかけだけではなく根底から成熟した国際的な先進国に進化していってほしいものである。
最後に申し添えておくが、日本には世界に誇るべき文化や習慣が多々あり、私はこの国で生まれ育ったことを誇りに思っている。
この稿を書くにあたりコメントをいただいたsmitsuiさんに感謝する。
ところで、公共施設における英語表記の件は全く同感ですが、ペーパータオルについては北米に行くといつも逆の違和感を覚えていたのでコメントさせていただきます。「もったいない」を大切に感じるとペーパータオルの普及にはあまり賛成できません。各自がハンカチを持っていれば事足りるのに、あれほどのエネルギーと資源を使って、世の中便利にしなければいけないものかと不思議に思います。今でも我が家では、出かける際に子供に「ハンカチ持った?」と聞いています。フードコートでの使い捨ての食器にも違和感を覚えます。日本のフードコートでは食器などは結構洗って再利用しています。
融雪剤の話は、生粋の日本人には今ひとつピンとこない話です。が、アメリカンスタンダードがグローバルスタンダードだとする見解に似ている気がしました。
それから、「uncizilized」は「Depaertures」への布石なのでしょうか?
上記のsmitsuiさんのコメントも伊倉先生のコメントも互いに一理あると思いますが、資源の無駄という点で云えば、日本の過剰包装、どうにかならないでしょうか?
カナダみたいな国は紙は安いですよね。
あと北米の良くわからない日本語表記もかなり見苦しいですよ。
カナダないずも結構ですが、もう少し相手のことも思いやってみてはいかがでしょうか?あなたもそういう変な英語を書いていた時分があるでしょう。
しかし、トイレ等の紙の問題はいかがなものかと思っています。日本ではタオルペーパーが無い以上に、トイレットペーパーが無い公衆トイレが多いです。外出時に利用もしないパチンコ店やファーストフード店のトイレを利用していました。現在、小さな子供を持つ親として、トイレにトイレットペーパーやタオルペーパー(ドライヤー)が有るのは非常に助かります。私は、日本が先進国の一つだと自負しています。しかし、一部の公衆衛生面でやはり引けをとっていると思います。近い将来、海外から友人を招くとしても、この紙問題は気なる点です。
補足ですが、カナダの紙(トイレットペーパー、ティシュペーパー等)の値段は日本と比べて高く、質も悪いです。