メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…16

2018-03-16 00:18:51 | 整備

まずはPB-MK35Aコンドル…

チェックランプが点灯した…という事で入庫。

現在点灯中です。


早速故障コードを確認すると…



P2002…DPR異常と…
P0404…EGRバルブ固着。

DPRのステータスを確認すると触媒劣化フラグと昇温不良フラグがオンになっています…




これはECUが再生中に燃焼温度が上がらない為に触媒が劣化してる…と判定してます。

EGRバルブも固着エラーが入っておりアクティブテストでは反応は悪いものの一応動いてます…


が、各開度での誤差は許容範囲ですがなにせ動きが遅いので…


EGRバルブは交換する事に。


DPRの方は差圧は特に問題無さそうですが…


問題は触媒が本当に劣化してるのかどうか。

これまたアクティブテストでも排気シャッターはちゃんと閉まっており、インジェクターの補正値も問題があるような数字ではありませんでした…


とりあえず、一旦ステータスをリセットし強制再生を行い温度変化を見ていきます。


ところが途中までは順調に昇温してたんですが…




400℃を超えた付近から一向に温度が上がらず…



この時点で明らかに昇温不良ですが、そのまましばらく再生させておくと…
終了と同時に再度チェックランプ点灯…


故障コードはP2002…


ステータスはやはり昇温不良と触媒劣化がオンになってます…




一次昇温は順調に上がりましたが、ニ次昇温では温度が上がりきらないので、触媒が劣化してる可能性は高いです…
シャッターバルブの開度不良とかだともう少し低い温度で停滞する事が多いですからね…

酸化触媒だけ交換出来ればいいんですが、残念ながらPMフィルターと酸化触媒が一体式の為ASSY交換以外に方法はありません…


お客様には現状の説明と見積りを出すと…
高額修理に嘆いておられましたが作業の承認を頂き、早速作業をする事に。

ゴソゴソしてフィルターASSYを降ろします…


前後のフランジを取り外すと、PMフィルター出口側は変色してます…


触媒入口側はススによる汚れは見られませんが…


そのかわりなにやら灰色の小さな物体がセルの間にも沢山詰まってます…
何か化学変化を起こした物質でしょうか…


走行距離23000kmにしては見るからに触媒の状態はあまり良くなさそうですね…
異常昇温で劣化したようにも見えません…

おまけにスタッドボルトは折れこんだまま取り付けられてるし…


コレは私が外す段階で折れたスタッドでは無く、もともと数カ所はナットも付いて無い状態で取り付けられてました…

どこかでDPRを分解清掃した時に折れ込んだまま取り付けたんでしょう。

シルバーも塗ってあるし…


まあいい加減な整備ですね…
折れたまま取り付ける神経も理解出来ませんし…
そんな業者が作業したとなると、もしかしたら得体の知れない薬剤使って洗浄したかもしれません…
それが原因で触媒が劣化した…なんて可能性も無きにしも非ず…

ウチにもたまに飛び込みで来るんですよ…
怪しいケミカル商品の営業が…

以前来たのはDPRの洗浄剤。

水で薄めて付け置きしておけばフィルターの再生率は驚異の98%‼︎…とか謳ってましたが。

まあ商品もさることながらその人の言動が胡散臭い。
まず乗ってきた車がゲレンデ…
来客用の駐車場に停めずに社用車専用って書いてある場所に平気で停めて、停めていいかどうかも聞いてこない。

『是非ご検討ください』って言ってましたが…

検討するしないの以前にそんな気遣いも出来ない人間からは仮にどんなに魅力的な商品だったとしてもその人からは買いませんよ…

決してゲレンデが悪い訳じゃないですよ…笑
ただ、初対面って行動に対するイメージが凄く大事だと思うんです。
最低限の礼儀というかマナーというか…

例えば混み合ってるコンビニの駐車場に1台の高級車が2台分使って停めてたら、だいたいどんな人間性か想像つきますよね…
周りの事を考えず自分の事しか考えてない人間でしょう…
それと同じです。

そんな人間と良好な関係を築く自信は私にはありません…





話が逸れましたが…

届いた新品のフィルターASSY


ウン十万しますが…
やはり新品は気持ちがいいです。




シャッターバルブは再使用するのでスタッドボルトを交換…








ガスケットも勿論新品にして…


組み付けます。


シャッターバルブも取り付け…


で、車両にドッキング。


あとはEGRバルブの交換…





ここから再度、強制再生をして昇温不良が改善されたかを見ていきます…






順調に上がり…




最終的に580℃付近まで上がり無事に再生も終了。


ステータスに異常が無いことを確認して…






これにてコンドルは無事完了です。


お次は普段付き合いのあるディーラーさんから別の営業所までリフトアクスルが上がらないトレーラーを見に行って欲しいとの依頼があり…

少々遠方のディーラーさんまで出張…
話変わりますが、ここのディーラーさん最近建て替えしたようでピカピカの最新工場でした。

素晴らしい設備で仕事が出来る事が羨ましいですね…
今やトラックも立って整備が出来るのがスタンダードですからね…
ウチみたいなオンボロ工場とは雲泥の差でしたよ…笑

早速故障コードを調べると…
ハイトセンサーの整合性エラーが…


話を聞くとどうやらハイトセンサーを交換したようでそれ以降リフトしなくなったとの事。

トレーラーのリフトアクスルでもWABCOのECASと呼ばれる電子制御を採用してるタイプはセンサーを交換した場合、専用診断機によるキャリブレーション作業が必要になってしまいます…




キャリブレーションデータを確認するとやはり現在の数値とかなりズレてます…


という事でセンサーのキャリブレーションを行い…


無事に故障コードも消え、リフトするようになりました。


あとは念のため他の部分も点検をして…


問題無さそうなのでこちらも完了です…




それから最近仕事でiPadを活用しており…
過去に集めた紙の資料を見たい時に見たいページが見れるようにとスキャナーでPDFに変換して保存してるんですが…





ファイネスはトヨタやいすゞは見れるけど…


殆どのメーカーがタブレットだと見れないんですねぇ…

やっぱりWindowsじゃないと無理か…




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