メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

TIG溶接…

2016-01-10 11:30:53 | 整備
数ある溶接方法の一種でTIG溶接という工法があります…

Tungsten Inert Gasの頭文字を取ってTIG溶接。

その名の通り電極にタングステンを…シールドガスに不活性ガス(アルゴンやヘリウム)を用いて行う溶接方法なんですが、特徴としては…あらゆる金属の溶接が可能で、主にステンレスやアルミなどを溶接する際に使用されてます。

溶接の中でも難易度は高い方で…
上手な人が溶接すると、とても綺麗なビードになります。
逆に言えばビードを見ればその人の腕が分かります…

で、この自動車整備…という職業にも少なからず溶接の技術は必要だと思いますが、トラックも扱う会社なら尚更必要なスキルになってきます…

自動車整備工場にも棒溶接や半自動溶接機なんかはよく見るかも知れませんが…TIG溶接機を設備してる会社は少ないと思います…

うちの会社もそうでした…

自分が今の会社に入社した当時も、お客様からアルミ溶接などの仕事の依頼が結構あったんです…
でも、設備が無いので当然断るしかなく…
チャレンジしようとする人も居ませんでした…笑

それでもやっぱり依頼はあるのに断るしかない状況に納得出来ずに、自分から工場長に…TIG溶接機は必要な設備だ…と訴えましたが、理解してもらえませんでした…(単にプレゼンが下手なだけかも知れませんが…笑)

そこで、自分がアルミ溶接の技術を身につけたい…という思いと、仕事で活かせる需要もあったので、自分で買いました…中古のTIG溶接機。


デジタル制御式の300Aが理想だったけど、高くて手が出なかったので交直両用の200Aインバータ制御式を…笑

その当時なんだかんだで20万程しましたが、自分の技術向上の為でしたから…


そして工場長にはアルゴンガスだけは面倒見てくれ…と交渉して了承を得ました。

それからというもの、来る日も来る日も仕事が終わってからや、昼休憩の時間もアルミ溶接の練習をひたすら行いましたよ…笑
アルミ溶接はやった事無かったし、教えてくれる人も周りには居なかったから、ネットでいろいろ調べながら練習したり…
ヤフオクでアルミ溶接指南DVDを買おうか迷った事もありました…笑

そんな事もあり、数年経った今では…車に関わる溶接仕事から車に関係無い溶接の仕事まで頂く事も増えました…


特装車のパイプフランジが割れたので修理してくれ…とか



運送会社さんから荷下し用の専用台車の製作依頼や…


同じ物を相当数作りました…笑



他にも昭和40年代のパワーユニットエンジンの水漏れ修理。
もともと一本物のロアホースだったんですが、部品なんてあるはずも無く…汎用品のホースが使える位置まで、エンジン側からウォーターラインをステンレスパイプにて製作。




特殊工具作ったり…


こういう経験が出来たのもTIG溶接機があったからな訳です…

で、周りからよく言われるのが『会社の為に何でそこまでするの⁇』…と。

正直言わしてもらうと…


会社の為…なんて思った事は一度もありません…笑

もちろん、お世話になった方の為に一肌でもニ肌でも脱ぐ事はありますが、それ以外の早出や残業であったり、休日出勤や自己資金による設備投入なんかは雇われの身である現在では、8割が自分の為で、残り2割がお客様の為だと思ってます…
簡単に言えば自己投資みたいなもので…

もっと言えば、自分の為に一生懸命やる事が結果的にお客様の為だったり会社の為になる訳です。

この考え方を自己中心的…と思う方もいるでしょうが、自分の中では高いモチベーションを持つ為に必要なんです。
まあなんだかんだ言っても結局、自分の将来の為なので、言ってしまえば自己中ですね…笑

でも現在の自動車整備業界にも言われた事はやるけど自分から考えて行動する人って少ないんです…
責任を負うのが嫌だ…とか
やった事無い仕事だから…と断ったり
欲も無ければ向上心も無いんです…

どんな仕事にも言えると思いますが…考えて、行動して、時には失敗しないと成長出来ません。

失敗が怖くて挑戦しないからいつまでたっても成長しないんです…
成長しないまま経験年数だけ重ねていくんです…




自分でその事に気付けるか気付けないかでその後が大きく変わっていくんですけどね…
































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