ブレーキが引きずっている…というダイナ。
ブレーキテスターで制動力の変化を確認してみるとフロント右側だけ若干の引きずりが…
クルマはADG-XZUダイナ。
フロントはディスクブレーキ、リヤはドラムブレーキのタイプ。
リヤは引きずりも無いので今回はフロントだけO/Hする事に…
エンジンはS05D…(エンジン型式は関係無いけど…)
ただ、このエンジンもオイルクーラー廻りが怪しいですが…
サブタンク、エンジン共、冷却水は入っているのでとりあえず冷却水の量に注意しながら乗ってもらう事に。
本題のブレーキを。
フロントのキャリパーをO/Hする為に取り外していきます…
外したキャリパーからピストンを抜き取り、シールやダストカバー類を取り外して洗浄。
ピストンは大きなサビや傷も無く再使用可能でした…
で、キャリパーを外す時にドラッグリンクとタイロッドエンドのブーツが破れている事に気付いたので、お客様に説明してついでに修理する事に。
ドラッグリンクの取り外し…
タイロッドも取り外し…
自作のリムーバー…
通常のリムーバーが使えない箇所に役立ちます。
ハスコーでも売ってますが、高いですからね…笑
ボルトと車種別のピッチのナットを溶接するだけなので簡単に作れます…
セットして…
後はハンマーで叩くだけ。
タイロッドを取り外すと…
曲がってる…
下廻りでもぶつけたのかな…
タイロッドに当たった様な跡は見受けられませんが…
放置しておくと当然アライメントがズレるので…
こちらは修正しておきます。
修正完了…
ドラッグ、タイロッド共ブーツを交換して完了。
キャリパーにピストンやスライドピンなどを組み付け…
ブレーキパッドも片減りしていたので新品に交換。
シムやフィッティングも同時に新品にしておきます。
ブレーキ専用の耐熱グリスを塗り…
ちなみにブレーキパッドに付いてるコレ…
センサーやモニターなんて言ったりしてるんですが…
一般の方は何の為に付いてるのかはまず知らないと思います…
これはブレーキパッドがギリギリまで減ってくると、この金属のプレートがディスクローターと接触してブレーキを踏む度にキーキーと金属音が鳴るようになっていて、その音でドライバーに注意を促す為にあるんです…
なので…
普段乗っているマイカーなんかでも異音に気付いたら早めに点検する事をお勧めします。
キャリパーを規定トルクにて取り付け…
完成…
後はエア抜きをして、ブレーキテスターにて引きずりの確認とタイロッドを修正してるのでトー角の調整をして完了です。
で、作業を終え車内を掃除している時にホーンが鳴らない事に気付き…
調べる事に…
ヒューズは切れてないし電源も来てる。
ハンドルのカバーを外し、ホーンスイッチのコネクタを点検すると電気が来てない…
更にハンドルを取り外してスリップリングの接点を点検。
ちゃんと電気は来てます。
なのでスリップリングの接点が減り過ぎてギャップができてしまってるんでしょう…
古い年式にはよくある故障ですね…笑
スリップリングも接点も単品では部品供給されないので修理で対応。
真鍮製の接点にハンダを盛って…
高さをかさ上げ…
コレでスリップリングと接触するようになります。
後は接点専用グリスを薄く塗ってハンドルの取り付け…
無事通電するようになりました。
カバーも付けて完成です。