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猛禽類保護セミナー

2009-02-23 07:08:01 | 自然

 2月21日(土)は、名古屋市立大学川澄キャンパスで行われた、「猛禽類保護セミナー−傷病猛禽類保護の現状と課題-」に参加してきました。

 プログラムは、はじめに日本ワシタカ研究センター 所長の中島京也氏から「傷病猛禽類の保護について」と題して日本の現状紹介があり、続いて、
講演1「IFAW北京猛禽類救助センターにおける猛禽類保護のための研究の進捗」北京師範大学生命科学学院 教授 宋 杰 氏(鳥類学)
講演2「猛禽類の救助とリハビリテーションによる動物福祉の推進」国際動物福祉基金 北京猛禽救助センター 主管 孫 全輝 氏
講演3「北海道における希少野生猛禽類の保護活動」猛禽類医学研究所 代表 齊藤慶輔 氏
という内容でした。

 中国の2名の講師の方からは、中国には動物福祉の法律がない。この面では後進国であるということでしたが、実際に活動されている施設や設備、スタッフの多さは、国内の公共施設では考えられない程充しているものでした。
 例えば、佐渡のトキ、兵庫豊岡のコウノトリ、鳥海山のクマタカなど特定の地域の特定の種以外に保護施設を有しておらず、予算も人材もノウハウもないまま、地方自治体に丸投げしているいない、どこかの国の○○省とは大違いです。

 また、齋藤先生のお話からは、北海道での猛禽類医学研究所の活動や実際の治療現場の状況をよく理解することができました。そして、北海道における鉛散弾による大型猛禽類の鉛汚染の状況や風力発電のブレードによる大型猛禽類の死亡事故など、今後私たちが直面する問題について、実際起こっている問題について情報を提供いただきました。

 さて、傷病鳥の問題は、多くの考えがあり、多くの意見があると思います。
 私は、まず、傷病蝶を種類によって3種類に区分し、考えるべきではないかと思っています。
1.スズメやツバメ、ヒヨドリやキジバトなど、ごく普通にみられる種。
2.メジロやウグイス、オオルリ、フクロウ類などの鳴き声が姿が美しく、飼育マニアがいる種
3.生態系の頂点にあるとか、地域的に分布が限定されていて生息数が希少である種。または、自然環境の変化によって生息数が激減している種

 1に区分された種の傷病鳥が保護された場合には、その野鳥との関わりから自然保護の意識を深めることを目的に、ある程度保護者に委ねルことを認めてもよいかと思っています。もちろん、行政側のアフターケアがあってのことです。
 2に区分される野鳥については、違法飼養や違法捕獲を助長させることにつながることから、保護者の手に委ねることがないようにすべきでしょう。
 3に区分される野鳥は、行政が積極的に保護し、できるなら野生復帰できるまで回復させるべきでしょう。

 もちろん猛禽類に分類される野鳥たちのほとんどは、2または3の区分に該当します。

 これまで税金の多くは、道路やダムなどの社会基盤整備に使われてきました。確かに私たちの生活は豊かなものになりましたが、そのために多くの自然環境が破壊されたました。
 今私たちは、自分たちの生存のため自然環境の保全や社会福祉の充実を求めています。そろそろ、社会のシステムを見直して、自分たちの生存に必要な環境や福祉といった事業に予算配分をシフトしていただきたいものですね。


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