愛知県の奥三河から長野県南部一帯にかけては、クロスズメバチを食べる習慣があり、地元の料理店などでは「蜂の子」として佃煮などの形でメニューに並ぶこともあります。
クロスズメバチ
地元ではこのクロスズメバチのことを、愛着を持って「へぼ」と呼び、この地域のへぼ愛好者たちは、夏の間は「へぼの巣」を探し求めて山野を駆け回っています。
見つけたへぼの巣は、持ち帰って箱に入れ、巣を大きくするために巣の近くに鶏肉などをおいて、へぼに食べさせ養殖(?)するのです。
そして、毎年秋になると、奥三河の各地では「へぼサミット」との名前で「へぼの巣」の品評会兼即売会を行っています。
11月3日(祝)に、北設楽郡設楽町名倉で行われた「へぼサミット」をのぞいてきました。
計量を待つ巣箱
この日は100近いへぼの巣が持ち込まれ、煙で燻されたあと順番に計量されていきました。実際に箱を開け、計量するまで、どのぐらいの大きさの巣に成長しているのか外観だけではわかりません。
巣箱の中身を確認
計量の終わった巣は、持ち主が販売を希望する場合には、相対で取引されていきます。販売価格の目安は1kg1万円が目安とのことですが、巣の幼虫の入り方や交渉によって値段は結構まちまちのようです。
へぼの巣
へぼは、この地域の人たちにとって、夏の間の娯楽兼小遣い稼ぎといったところでしょうか。
さすがに「へぼの巣」を買っても自分で処理ができないので、ここで売っている「へぼ五平」を食べて帰りました。
へぼ五平の販売風景
この地域の五平餅は、赤味噌だれを付け焼きしているのですが、この「へぼ五平」はへぼをすり潰し醤油だれで仕上げにしたもので、ここでしか食べられないものです。
会場の入り口
「へぼサミット」や「へぼ五平」に興味のある方は、毎年11月3日の文化の日に行っています。北設楽郡設楽町名倉の喫茶店「峠」をめざしてお越しください。