仲良し君の面接の場所は 東京中央郵便局だったそうだ
泊まり業務の為にお風呂場もあり 内部はなかなかのものだったらしい
「あの」東京駅を前にしたこの建物を初めて目にしたのは何時の事だったか
おそらくは若い頃のはずだが その記憶は一切無い
勿論 当時徘徊は勿論 建築にさえ興味が無かったのだが その事を差し引いても
私にとっては 何の変哲も無い 広告の垂れ幕が下がったただの郵便局でしかなかった ということだ
忠太に出会ったことが 建物を建築として見るきっかけになったというのは何度も書いている
そうして徘徊するようになってから 当然この東京駅近辺も散歩コースになった
今でこそ新丸ビルのお蔭なのか 買い物客も多くなったが 少し前までの週末にはほとんど人にも会わないような
大きなドブネズミが舗道を駆け抜ける姿を目撃することもある そんな場所だった
今もってそうなのだが ドシロウトの私は外観の天晴れさにまず目がいく
一部とはいえ保存された日本工業倶楽部会館などは まだ何も知識の無かった時に偶然出合ったこともあって
大いに興奮したことを今もはっきり覚えている
この郵便局が ただものでは無いとわかるまでには 時間がかかった
明治時代からの洋風建築(擬洋風も含め)や煉瓦造建築 帝冠様式といった明らかにレトロな外観を持つものと
敗戦からの復興期以降現代に至るまで 次々と建てられていく斬新なものとの狭間にあって
私の中ではもっとも平凡でありきたりなビルに見えたのも 今思うと仕方の無いことだった
そうでもないんじゃないか と思い始めたのは比較的最近の 再開発が始まってからのことだった
正直 此処ももうお仕舞だな そう思って歩いていた時 この今ではすっかり背の低いビルが目に入った
そして あまりにそっけないほど簡潔な姿に 何故か美しさを感じたのだ
竣工当時 赤レンガの東京駅の前 周囲には茶色の壁面を持つビル
そんな風景の中に この白いタイル壁と 水平垂直を強調するかのような柱梁を持った建物が現われたのだ
土地の形状にあわせたのか ゆるやかなカーブもユニークである
あのブルーノ・タウトやアントニン・レーモンドが絶賛したという話は 後になって知った
解体・建替えの話が本格的になり そのコンペの資料も見たことがある
ドコモモ100選(現在は135点)にも選ばれているというのに こんな風になっちゃうんだな
ヘルムート・ヤーンの手にかかるというパースを見て そう思った
最近よくある手法だが 案の定一部保存の腰巻建築
だが こんな物は似て非なるものになってしまう
一応 世間の目を考えて保存もしてみました という弁解がましい姿になってしまうのだ
どこかみじめったらしい
経済優先ならば いっそ壊しちまったほうがマシというもの
そのほうが潔く 失ったがゆえに一層愛着も生まれる(かもしれない^^)
それにしても これは当時の税金で建てたはず
それにすでに何年も前から取り沙汰されていたのに 今更反対という声が上がったのは?
ちょっと変なんじゃないかと思わなくも無いが 政治と経済に疎い私には 理解の域を超えている
個体数の多い昆虫は 個人が採集した程度では絶滅したりはしない
それが起こる多くの理由は 人間がもたらす環境の変化にある
それが必要悪ならば 残念ながらそれも仕方の無いこと
破壊と構築は 人の世の常
私は100年先まで生きているわけではない
100年後の人には ごめんなさい ざまあみろ の両方の気持ちがあるが
私だってそれは同じ目に遭っているのだから だから 許してね^^
泊まり業務の為にお風呂場もあり 内部はなかなかのものだったらしい
「あの」東京駅を前にしたこの建物を初めて目にしたのは何時の事だったか
おそらくは若い頃のはずだが その記憶は一切無い
勿論 当時徘徊は勿論 建築にさえ興味が無かったのだが その事を差し引いても
私にとっては 何の変哲も無い 広告の垂れ幕が下がったただの郵便局でしかなかった ということだ
忠太に出会ったことが 建物を建築として見るきっかけになったというのは何度も書いている
そうして徘徊するようになってから 当然この東京駅近辺も散歩コースになった
今でこそ新丸ビルのお蔭なのか 買い物客も多くなったが 少し前までの週末にはほとんど人にも会わないような
大きなドブネズミが舗道を駆け抜ける姿を目撃することもある そんな場所だった
今もってそうなのだが ドシロウトの私は外観の天晴れさにまず目がいく
一部とはいえ保存された日本工業倶楽部会館などは まだ何も知識の無かった時に偶然出合ったこともあって
大いに興奮したことを今もはっきり覚えている
この郵便局が ただものでは無いとわかるまでには 時間がかかった
明治時代からの洋風建築(擬洋風も含め)や煉瓦造建築 帝冠様式といった明らかにレトロな外観を持つものと
敗戦からの復興期以降現代に至るまで 次々と建てられていく斬新なものとの狭間にあって
私の中ではもっとも平凡でありきたりなビルに見えたのも 今思うと仕方の無いことだった
そうでもないんじゃないか と思い始めたのは比較的最近の 再開発が始まってからのことだった
正直 此処ももうお仕舞だな そう思って歩いていた時 この今ではすっかり背の低いビルが目に入った
そして あまりにそっけないほど簡潔な姿に 何故か美しさを感じたのだ
竣工当時 赤レンガの東京駅の前 周囲には茶色の壁面を持つビル
そんな風景の中に この白いタイル壁と 水平垂直を強調するかのような柱梁を持った建物が現われたのだ
土地の形状にあわせたのか ゆるやかなカーブもユニークである
あのブルーノ・タウトやアントニン・レーモンドが絶賛したという話は 後になって知った
解体・建替えの話が本格的になり そのコンペの資料も見たことがある
ドコモモ100選(現在は135点)にも選ばれているというのに こんな風になっちゃうんだな
ヘルムート・ヤーンの手にかかるというパースを見て そう思った
最近よくある手法だが 案の定一部保存の腰巻建築
だが こんな物は似て非なるものになってしまう
一応 世間の目を考えて保存もしてみました という弁解がましい姿になってしまうのだ
どこかみじめったらしい
経済優先ならば いっそ壊しちまったほうがマシというもの
そのほうが潔く 失ったがゆえに一層愛着も生まれる(かもしれない^^)
それにしても これは当時の税金で建てたはず
それにすでに何年も前から取り沙汰されていたのに 今更反対という声が上がったのは?
ちょっと変なんじゃないかと思わなくも無いが 政治と経済に疎い私には 理解の域を超えている
個体数の多い昆虫は 個人が採集した程度では絶滅したりはしない
それが起こる多くの理由は 人間がもたらす環境の変化にある
それが必要悪ならば 残念ながらそれも仕方の無いこと
破壊と構築は 人の世の常
私は100年先まで生きているわけではない
100年後の人には ごめんなさい ざまあみろ の両方の気持ちがあるが
私だってそれは同じ目に遭っているのだから だから 許してね^^