Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

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誘惑

2012年04月03日 17時31分48秒 | 日記


暴風雨…
ベランダを台風仕様にした。


昨年の台風6号の教訓を活かす。

ゴンゴンという音はひっきりなしで、
ド ド ド ド …と
時折大きく、地響きのように風が唸り、
窓にぶつかる。


このゴンゴンは
洗濯竿が、くくりつけられたベランダの桟に当たる音。

今日は、午前中から準備を始める。

ラティスの上の鉢は
全て降ろして土嚢をのせる。

土嚢は最低3個は必要だ。
私は、古い土をビニールに入れて作っておく。
(運ぶときは腰に注意だ!)

薔薇は自分のトゲで自分の葉を傷つけ、
ぼろぼろにしてしまう。
したくもない自傷行為は
ビジュアル的にも悲劇だから
絶対にさせないよう部屋へ入れる。

でも何より辛いのは
音にあおられて
外の様子が気になり
見に行きたくなるのを堪えること。

暴風域に入ったら、
どんな音がしようとも
決して外に出てはならない。





「後ろにいる妻の姿を見てはいけない」という
ギリシャ神話があったと思う*。
でも、結局は見てしまって
妻とは別れ別れになる。

禁止の言葉とそれを守れない人の心理
そんな神話や昔話は数限りなくあるのだが
この恐ろしい風の音を聞いていると
ふと、それらを思い出す。

無力で何もできないにもかかわらず、
外の様子が気になって
ついつい扉を開け、事故にあう。

そこには何か誘惑めいたものが渦巻く
あるいは、危険と誘惑を勘違いする
あるいは、禁止の言葉の中に誘惑が潜んでいる

Jean-Baptiste-Camille Corot - Orphée
* 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%82%A6%E3%82%B9