Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

ゴーギャン、井上洋介、ボルタンスキー

2016年12月19日 09時32分00秒 | おすすめ展覧会


とある友人、というか尊敬する作家さんとの恒例の展覧会めぐり。

ボルタンスキーで合流するが、その前に
個人的に見たかった「ゴッホとゴーギャン展」と「井上洋介展」を見る。

「ゴッホとゴーギャン展」はゴーギャンがとても良かった。
西洋的遠近法破壊への命がけの苦闘と言いたい。
そのための、不思議で意図的な1本の線、置かなくてはならなかったのだろう色面
慎重で隙のない画面…筆致に見とれてしばらく動けませんでした。
風景に溶け込み、描き手を無視するように描かれていた人物像は
タヒチに入ってからは、こちらを睨む挑戦的な視線に変わった。

私は、タヒチに行く前の作品が好きだ。

川辺で遊ぶ少年、鵞鳥と農婦、牧歌的なテーマに苦戦の跡を見たんです。

しばらく都美館でゴーギャンに見とれてから
次なる渋谷、アツコバルーという画廊に向かう。
かつて人人展にも出展したことのある故井上洋介 氏の個展を見る。

(撮影OKとのことで)








ジャン・ドュビュッフェ的な画面に圧倒される。
画面は厚塗り、黒い線でしっかりと描かれた裸で丸坊主な人間群像
エロティシズムとユーモア…めちゃくちゃ自由です。

ただし、画面のエネルギーが強すぎて、落ち着いて鑑賞できない。
気が散るというか。
数が減ってもいいので
もう少し作品の間に隙間が欲しかった、というのが正直な感想です。

そして目黒へ。





いよいよボルタンスキー「アニミタスーさざめく亡霊たち」を体験しました。

ホロコーストを根っこに持つ作家の展示は
人間という幽霊が主役かもしれません。

目黒の庭園美術館 は建物自体が素晴らしい。
1階、各部屋にはセンサーによる音声のインスタレーション。
反響の仕方が部屋によって違う。
亡霊?たちの会話 にもならない「つぶやき」が
気になるでも無く重複して聞こえ、だけど素晴らしい調度品鑑賞の邪魔にはならない。

アネックスのインスタレーションは
作品の中に潜り込む、草の匂い、風鈴の音、そして映像
五感にビンビンくる作品。
特に匂いは強烈な印象を残しました。

ボルタンスキーの作品は、昨年の越後妻有トリエンナーレでも見ることができた。
その展示が良い、と勧めてくれた とある知り合いが
目黒の会場に居たような気がした。
その人は、既に亡くなった作家さんのパートナー。

まるで霊に導かれたような、ちょっと怖い感じになってしまって
だから声はかけなかった。





私は幽霊に実体があるとは思わないけど
縁という繋がりはあると思う。
不思議な縁を霊と感じることがあるのだと、信じたい
信じたいが…


3週間ほど上海の恩師が帰国していた。
度々ご飯をうちで食べたりした。

今までも、恩師が帰国するたびに左肩が痛くなる。
恩師は、中国の霊媒師に「オニ」(日本では幽霊のこと)を持っていると言われ
何度か除霊はしたそうだが、私はまだちょっと変だと思う。
今回は左から始まり、極めつけに右肩まで激痛になり
首が動かなくなってしまいました。
文字通り 首が回らない(笑)


 

ボルタンスキー@目黒庭園美術館 ~12月25日まで

井上洋介展@アツコバルー ~12月25日まで
21日にはイベントも。
◉2016年12月21日(水) 19:00~21:00 ¥1000 (1drink付)
『こんなにすごい画家がいた!井上洋介さんのこと』
桑原茂夫(詩人・アリス研究家)×土井章史(絵本編集者・トムズボックス主宰)

是非ご覧ください。