Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

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友人宅探訪 2 ・坦雪埋井(たんせつまいせい)

2016年04月13日 08時57分56秒 | 日記


友人のお宅を訪ねたら 硯がやってきた話 をいたしました。

その時に、硯を下さったお父様から
こんな言葉もいただいた。

「坦雪埋井・たんせつまいせい」
担いできた重い雪を、井戸に埋めても、それは瞬時に溶けて
決して埋まることはない。
埋めても埋めても溶けてしまう、それは無意味なことかもしれないけど
それでもやり続けるのだと

生きるとはなんてつらいことなんだろう。

何より、これが座右の銘だという、お父様の人生を思った。

「あなたにもこの言葉を贈る」と言って
私の手帳に書いて下さった。

それは、昼間のワインにちょっと酔っ払って
つまらない愚痴をこぼした時だった。
愚痴ったことを恥じたりはしないが
今後愚痴りたくなったときは、必ずやこの言葉を思い出すだろう。
人生が変わるというのは、こういうことを言うのだ。






ところで、これは埋める雪が純粋に雪の場合はこれで良いと思う。
雪がすっかり溶けて消えてくれるなら
常に新しい気持ちで始めることができるかもしれない。

でも、ここに少しでも泥が混ざれば
井戸はいつか泥で一杯になるだろう。

だからこの言葉には、もう一つの意味があると思う。
自分にとっての雪とは何なのか。
泥も混じるだろう、その泥はどんな泥なのか、
そんな時どうしたら??

なんてね。

でも、もしかしたら
担いで埋める、担いで埋める、を必死に繰り返す時には
泥がまざる暇なんて、なくなるのかもしれませんね。