Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

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背景マニア

2016年03月20日 06時12分18秒 | 作品紹介


「タントラ」墨・岩絵の具・膠・和紙・金箔 P3 2016 亀井三千代

第40回人人展、同時開催の小さな人人展@羽黒洞に
出展いたしました。

この「タントラ」は2頭のユニコーンが主役です。

といってもはじめからユニコーンを描こうとしていたわけではありません。
私は身体を描く過程で周辺(フリンジ)に現れるものが主役となる、
そんな描き方をしていますので
タイトルも完成図も途中の段階では全くわかりません。

時々、絵では描きたいものを中心にはっきり描いて
周辺はすっきりさせろ、と言います。
言いたいことは一つだけに絞れと。

でも私はその逆です。
言いたいことを一つだけ、なんて無理です。
一つの言葉を発すれば、必ずその裏の意味が現れ、
さらに、その両方をすり抜けるような意味の可能性も現れてしまいます。
「○○は何々だ」などと
この世界で、どうして断言できることがあるんでしょうか。

このようなことを、日本画の恩師がよく言っていましたが
聞いているうちに私も影響を受けてしまったのか…
そうではなくて、実は私も、もともとこのタイプだったと思います。

「背景マニア」です

思えば、日本画の恩師とは長いつきあいで

今でも厳しくて怖い存在ですが、どこか私に理解を示してくれていた
有難い出合いだとつくづく思います。

話がずれましたが、この作品も
いつものように身体を描いているうちに、2頭のユニコーンが現れました。
それが今までになくとても強くやや恐ろしい形で出現したので
これは単なるユニコーンではなくて、もっと大きな何かだろうと思い、
「タントラ」というタイトルを付けました。

自分が何をしたいか
描く毎にだんだんはっきりしてくる
自分なりの曼荼羅世界を描いてみたいのだと思います。


「タントラ」は、現在お求めくださった方の所へ
旅立つのを待つばかりとなっています。