AXIS GALLERYにて 

2006-11-02 23:45:53 | ・アート・展覧会
六本木、芋洗坂を下ればSTB139ライブハウス。
今日はそうじゃなくて、外苑東通りをまっすぐ歩いた。
目的はAXISギャラリーの吉岡徳仁展-スーパーレボリューション-
11/5まで開催。

会場に入るやいなや、「あら、雪かきしたのね。」とふと思った。
よくよくみるとコットン、白い綿だった。ふわふわわたあめみたい。 
壁にはストローが幾重にも積み重ねられ、いったいいくつあるのか・・。
近寄ると曖昧にぼやけて目がヘンになる・・。
まっす正面をとらえてじっと見すえると、ストローの断面が蜂の巣みたい。
離れて全体をみると雲だ。水蒸気をたっぷり含んでいるような。

会場の真ん中、ところところに置かれたあの椅子、ソファー。
触ってもすわっても、ふんわりゆらゆら気持ちイイ。
゛PANE chair゛ パンの椅子
用意した材料はまるで耳のないサンドイッチ用の食パンみたい。
近づいて目を向けると、たたみいわしみたいな(笑)、
ビーフンみたいな、ツヤのあるミルク色の繊維が無数に絡みあってる。
クッション性があって身体ごと包み込まれる心地よさがある。
いったん座るとはなれられなーい。立ちたくない。
゛極上のふんわり感を実現した゛なるほど本当にそうだ。
これは型に入れて形状記憶するらしい。
制作過程、プロセスそのものもデザインにしてしまう。
硬いもので強度を作り出すいわば常識を覆した。
ソフトで繊維組織から作られる構造体を生み出す。

そういえば昨年の今ごろ、神宮の聖徳絵画館のエントランスで何やらやってた。
あれが゛STARDUST゛だったのだ。スワロスキーの先端に光がともる。
インテリア・プロダクトデザイナー吉岡徳仁さん。
゛とくじん゛は、音読みのそのままが本名なのかな。
桑沢デザイン研究所卒業。
倉俣史朗氏、三宅一生氏に師事していたのか、
なるほどプリーツと結びつかなくない。なんていったら単純すぎるか。

それにしてもクリエイティブだ。オリジナリティーにあふれている。
ハイテクファイバーにそのインスピレーションの源を見いだす。
白い綿に囲まれた会場奥でそれまでのプロジェクト、
インスタレーションが映像で紹介され、流れていたが、
ヒーリングミュージックにのせて、神秘的で美しく釘付けになった。
豆腐→「Tofu」ヤマギワの照明プロダクト。
水の中にガラス片を入れるとその輪郭がだんだんと消えていくように・・
「雨に消える椅子」。
メゾンエルメスのガラスブロック、風になびきながらのエルメスのスカーフ

訪れていたのは若者が多い。外国人さんも多い。通訳にも耳を傾けている。
吉岡さんの人気ぶりがうかがえる。
なんとなくみなさん静かに見入っている。
あまりのすばらしさにがしぜんと無口になるのかもしれない。
デザインの仕事関係か、受付には名刺を置いていく方がたくさん。
とにかく斬新で五感が刺激された。とてもおもしろかった。
紙の椅子「Honey-pop」はMoMAのパーマネントコレクションとなっている。