8月を顧みて

2006-08-31 23:56:52 | ・今月のまとめ
長かった夏休み学童もようやく終わりました。
この夏は振り返るといろいろありました。
あっちもちっちも一番しんどい夏でした。
衝撃的な夏と言ってもまちがいはないです。
ずっと抱きしめられたい想いをもちながら、
けっきょく抱きしめる大事さのほうが大きいと
気づいたのでした。
語るよりも耳を傾ける方が必要なのだと。
なかなかむずかしいんだけどね。

もうすぐ夏は終わってしまいそうですが、
それでも小さな夏の透明なキラメキ・トキメキは、
見つけられたのでうれしかった。
この胸にいつまでも残る。
ありがとう。忘れない。


やわらかい感性

2006-08-31 23:54:19 | ・講演・セミナー・シンポ
建築家・石上純也さんの講演会。
インタビュアーは建築批評家の五十嵐太郎さん。
とても充実した時間で素晴らしかった。楽しかった。
紹介されるプロジェクトはどれもクリエイティブで、発想が大胆でユニーク。
東京芸大建築科の出身で妹島さんの事務所にいたのか、なるほど。
プロフィールの写真より髪が伸びていて、若いながらも風貌も個性的で、
石上さんはまさしくアーティストのようだった。

水面に波が立つように揺れる見事に超薄くて大きいテーブル。
レクサスの哲学を表現してとのインスタレーションでは、
霧で満たされたあいまいな境界線の会場、部分によって空気の密度を変えた
発砲スチロールの手作り椅子の表面に・・・白いレースをかけたら、
きれいな質感で、可愛いなぁ、と思った。とは本人のことば。
他にも木洩れ日体験として、生け花するように敷地に木々を植えていく。
高く積み上げた建物、気が向いたら階段で上に上がる11階建てのハウス。
そして描かれた数々のドローイングの色づかいが美しくラブリーだった。
全体的に作品の印象としては、すごくやわらかくて優しい雰囲気、
リラックスした空気が流れていると思った。
もちろん至るところ、緻密に計算されているけれど。
ヨージ・ヤマモトのニューヨークのショップの敷地を
三角のケーキの形だと表現していた。
それをどう切るか、最終形は切った感じがしないのだが。
ケーキ、それも女性的モチーフ表現のようでかわいらしいと思った。
コンセプトの方向性はない、ゴールに向かうのではなく、
どこから考えてもOK、ループみたいにぐるぐる回って磨き上げていく。
どこで終わってもイイと言う考え方だと石神さんは話していた。

若い現代っ子、才能ある今の時代の人って感じがした。
その石上さんに続けとばかり、大勢の学生が講演に聞き入っていた。
それに交じって、私も話がうかがえて大変満足でうれしかった。
やはり最先端のフレッシュな風を浴びるのも大切なことだと思う。

会場は品川インターシティの大林組のホールだった。
品川グランドコモンズ、向かい合う窓の位置さえ揃わぬと、
建築評論家の松葉さんが辛口だったのをふと思い出した。
一階はたくさんの緑の木々が植えられ、そこから虫の声がして、
風もいくぶん涼しく秋の気配が感じられた。
都会の夜の景色をあじわいながら、私としてはとても気持ちがよかった。


CI (コーポレートアイディンティティ)

2006-08-31 23:45:08 | ・とにかくラブリ~☆
資生堂のCIはおなじみのあの椿マーク。

日本工房のCIは
ふたつの正方形を斜めに配したシンプルな形。
バウハウスや構成主義に親しんだ原弘ならではのもの。
日本の伝統的な市松模様も想起させる。
モダンデザインと日本の伝統の双方を視野に入れた
日本工房の立ち位置を示すもの。


NIPPON

2006-08-30 23:47:44 | ・アート・展覧会
多摩川を越えるとそこは東京ではない。
武蔵小杉からバスに揺られて川崎市市民ミュージアムへ。
あの広くて大きな建物は誰が設計したのだろう。

名取洋之介と日本工房[1931-45]
報道写真とグラフィックデザインの青春時代

名取洋之助は報道写真とグラフィック・デザインの両面にわたり
新たな次元を切り拓いた先駆者。
1933年「日本工房」結成。土門拳や河野鷹思、亀倉雄策などの
若き才能ある写真家・デザイナーが結集していた。

展覧会では日本文化がテーマの英文のグラフ誌「NIPPON」の
創刊号から36号まですべて展示されていた。
3号には井伏鱒二の「浦島太郎」に山名文夫の挿図が
あどけないようでいて妖艶なような不思議な乙姫さまだった。
7号には岸田日出刀による「法隆寺」の紹介があった。
名取本人曰く「レイアウトの面と高級印刷の技術指導の面で
時代感覚の先駆をしたつもり。」

復刻版の豪華セットが出ていたが、残念ながらバラ売りはない。
そうね、何冊か手に入れるとすれば、表紙が気に入ったのは創刊号と
あざやかな和服姿の女性が目を引く11号とおひな様かの21号
裏はすべて洒落た鐘紡の広告だった。

「日本工房」の最初の事務所は銀座の徳田ビル、あれ土浦亀城さん設計。
バウハウスラーの山脇のみっちゃんこと道子さん巌夫婦がお住まいだった。
以後、交殉社ビルに移って、それから木挽町の鈴木ビルへ移った。

どれも斬新でモダンでカッコよさが伝わる。
たくさんの写真や雑誌を通して、その熱いまなざしや真剣な姿勢がうかがえた。

オリンピックの戦い

2006-08-30 23:11:22 | ・大好き☆建築あれこれ
2016年国内五輪招致、そっかぁ、東京かぁ。
夕方、外出先のバスの中で結果が気になってソワソワしていた。
福岡の方がイイなと、私は密かに思っていたのだけれど。
発表したとき、石原都知事は隣の安藤さんと握手していたね。

福岡サイド・・・
思想家、理論派の磯崎さんは、
寿命の短い建築の物体そのものより、コンセプトやイマジネーション、
そのあたりにこだわるんだったよね。
今回も、実現されないだろう?計画に魅力を感じていたのかもしれないな。
もしかしたらね。

今週末、岡倉天心の国際シンポに磯崎さんが登場される。

MG5

2006-08-29 23:34:20 | ・映画・ドラマ・舞台
作日、CMディレクター杉山登志を描いたTVドラマが放送された。
藤木直人が杉山を、弟の伝命の現在の姿を藤竜也が演じていた。
この番組のスポンサーは資生堂だった。
過去のCMと2006リアルタイムのCMが交錯して、
とても興味深い構成でヨカッタ。
「ウソじゃないものをつくりたい・・」内山理名も好演だった。

雑誌「広告批評」の200号記念(1996・12)
「日本の広告をつくった50人」にも杉山さんは紹介されている。
以下本文より。
「CMを作品にした映像作家。
 ディテールをゆるがせにしない緊張感のある映像美と、
 品のいいユーモアが、その世界には同居している。
 広告はものを売るための単なる道具であるだけでなく、
 それ自体が一つの独立した表現として鑑賞に耐えるものであることを、
 彼の送り出すCMは私たちに印象づけた。 
 匿名性に依っていたCM制作者の中で、その作品を通じて、
 自ずと作者の存在を意識させた広告クリエーターの一人でもあった。
 カンヌCM映画祭での日本人受賞の第一号でもある。」

おそらくあれは昭和40年代だったと思う。
従姉の高校生のおねえさん、
遊びに行った彼女の部屋に大きな草刈正雄のポスターが貼られていた。
私はまだ幼い小学生だったので、その魅力には気づかなかったが、
従姉はとても熱をあげていることだけはわかった。
私が初めて本物の草刈正雄をみたのは舞台作品「ヴィクターヴィクトリア 」。
そして、団次郎と言えば私にはウルトラマンだった。
実はカッコイイモデルだったとずいぶん後から知った。

彼らが出演したCMに『MG5』があった(らしい)。
前田美波里の資生堂サンオイルに続く杉山登志の作品。
それは残念ながら昨日のドラマのなかでは流れなかった。
1963年発売、資生堂の男性初の化粧品『MG5』は今もまだ販売されている。
ウチの地元の商店街の小さな化粧品店にも店頭に並んでいる。
ちょっとほこりをかぶったようなレトロさが漂う。
男性用なので、購入には至らないのだが、
あのパッケージのブロックチェックのデザインにはなぜか惹かれるのだ。

脂が乗りきっていると思われた37歳の冬、杉山登志は突然この世を去った。
「夢がないのに夢うれぬ(遺書)」とタイトルして、
1973年12月26日の朝日新聞が、その自殺をコラムで伝えている。

夜の美術館

2006-08-29 00:21:16 | ・お気に入り空間・街並み
先週金曜日に
旧朝香の宮邸こと庭園美術館で行われた
夜のパーティー
「とってもよかったよ」って、建築友からメールもらった。
ラリックの女神の像の玄関扉が開かれて、
ラパンの香水塔に灯りがともって・・・ 

でも、そういうのは、やっぱ特別好きなひとと行きたいの。
スペシャルなんだからドレスアップしてさ。
あの美しい空間でグラスをかたむける。ステキだろうな。

なんとなくぼんやり見上げた・・・ウチのリビングライト。→↑

百日紅

2006-08-28 23:44:22 | ・子どもの世界
校庭の百日紅のピンクが目に映る。
「ほら、あのピンクのはサルスベリだよ。
幹がすべすべしていて、お猿さんも滑っちゃうんだよ。
だから、サルスベリって言うの。」って言ったら、
さわちゃんと、れいちゃんと、はるちゃんが、確かめに走った。
木を触りまくって、「ほんとだぁ~ツルツルしてる、すべすべしてる。」
「ほらね。」
そして、彼女たちが、おとなりの飼育小屋の
うさぎのもさこに暴言はいたら、
見事にプイとあっち向いた。(その瞬間めっちゃおもしろかった。)
アハハ、もさこも女の子だからね。
イケズはイヤヤねんよ。 ちゃんとやさしくしてよね、ってさ。

♪西瓜の名産地(手遊び歌)

2006-08-26 23:55:41 | ・その他・暮らし・日常
今日は涼しかったなぁ~。
気温が30度を下回ると、ずいぶん違うのね。
でも、やっぱ夏が終わりに近づくとさみしいわぁ。
もちろん、ずっと暑いのは困るんねんけどさ。

今日もスイカを食べたよ。
スーパーで買った山形産のカットスイカだけど、
ちゃんと糖度12度以上と表示されていて、甘さ信じられる。
だからけっこうおいしかったよ。

子どもの頃は、おばぁちゃんちの畑で作っていたから、
夏は遊びに行って いつも食べてた。
スイカのまるいのを指でポンポンとはじくのよ。
その音で出来具合、善し悪しを確かめる。
鈍い音より、しまって弾けた感じが甘くてイイヤツ。
それが子ども心に不思議でさ、なんでわかるのかなぁって。
そして、お勝手でしばらく丸ごと水に浸して冷やしておくのさ。
水道水と違って、井戸水はすごく冷たいからね。
食べてたら、チリンチリンって風鈴の音が鳴ってるの。

そうそう あれなんだっけ、ガシャガシャして水出すの。
井戸水を汲みあげる手動式のポンプだわ。
この前、たてもの園で見つけて懐かしかった。
今でもお墓のあるお寺なんかでたまに見かけるけど。
のんびりした夏の情景ってイイね。
あとどれだけ、今年の夏を味わえるかな。
NO.100

ムリじゃなくて・・パリ♪

2006-08-25 22:53:20 | ・子どもの世界
ひらばやしくん、こちらが何か言うと、すぐ「無理ぃ」と返す。
それがくちぐせになってしまってる。
無理じゃないでしょう、あーヤダなぁ。

じゃぁさ、ミッチの前では、
「無理」のかわりに「巴里」と言っておくれ。
パリはフランスの首都だよ、その方がグッとオシャレだし。
耳にしても♪花の都パリ~で気持ちが明るくなる。
そしたら、すぐムリぃ~とかえってきた。 

パリ生まれの建築批評家・五十嵐太郎さんがインタビュアーの講演会。
建築家・石上純也氏のデザインの発想に触れる。
メール受講券が今日届いた。
早く行かないと立ち見か別室モニター受講になるらしい。
また学生さんでいっぱいなんだろうなぁ。
会場でワタシ浮いてたらどうしょう、これも勉強っす!?

とっておきの美術案内

2006-08-24 23:56:14 | ・講演・セミナー・シンポ
NHK日曜美術館30年展 東京芸大大学美術館
さきがけての講演会に行きました。
講師は五島美術館学芸部長 名児耶明氏です。
ご専門は「書」だそうです。
展覧会チケットの招待券をプレゼントしてくださるとのことで、
会場の500のキャパはほぼ埋まっていました。
私も実はチケットが目的でした。

さすがに連日のハードスケジュールが響いて、案の定
アンケート用紙を回収してから、帰りの際にチケットを配布。
最初に配ると講演聞かずにもらってすぐトンズラするかもしれないしね。
仕事帰りで疲れていましたが、がんばった甲斐がありゲットできました。★
講演は美術鑑賞に関するポイントを聞かせてくださったような・・・。
そういえば昨日訪れた前川國男邸の書斎に棟方志功の作品がありました。
東急の五島慶太氏が棟方をかなりバックアップしていたらしいです。
作家が作家を語るコーナーでは、
池田満寿夫が棟方志功を語っているとのことです。
そのほかにも盛りたくさんの充実した展覧会の内容のようです。

美術品、古くて傷ついても守りたいもの、
残したいもの、大事にしようと思うもの、
それが本物だと、おっしゃっていました。
なるほど納得です。

展覧会が楽しみです。9月9日~10月15日まで。