お休み。
昼間、ずっと洗濯していて朝寝も昼寝もせず。
夜、自由劇場にて「間奏曲」を観る。
ジロドゥを観たのは初めて。
なぜか、難解な古典という先入観があったし、
たいして期待していなかったのだが・・・
ものすごくいい戯曲だった!
こんなにおもしろい作家だったとは思わなかった。
(ストレートプレイを観るのなら、
わざわざ四季である必要はないと思っていたが)
思わず4000円もする「ジロドゥ戯曲集」に
手がのびかけたほど。
朝寝も昼寝もしなかったのが祟って、
1幕、ちょっとまぶたがあやしくなりかかったが、
台詞のおもしろさに、引き込まれてしまった。
人生観がとても健全なのだ。
ゆっくり確実に死への道を歩む方法は、
1日1日を生きること、とか・・・。
ああ、もっといろいろいい台詞があったのに、
私が思い出しながら書くと陳腐になる。
ひとつひとつの台詞に言う人間の信念があるので、
(役者以前の問題です)
聞いているだけでおもしろい。
とても哲学的で、理屈っぽい人たちの飲み会に
まぎれこんで話を聞いているような感じ。
その、しごくまっとうで健全な人生観をもって、
坂本里咲さんに愛の告白をする味方さんは、
ちょっとなさけないのだが、血が通っていてよかった。
こういうなさけない男を演じられるのが、
本物の男性の役者のいい所だよね。
(などと、ヴァルモン様が頭をかすめる)
ただ、それだけ濃い内容を台詞で伝える芝居なので、
何度もとちられると、観ていてつらい。
一人危ない方がいて、とちらないまでも、
あっ、今一瞬、飛びそうになった!・・・と、
わかる場面が何ヶ所もあった。
坂本里咲さんのイザベルは、完璧だった!
藤田晶子さん、北村昌子さんの
マンジュボア姉妹も、ものすごくよかった。
どうか、ダンサーや歌手ばかり育てていないで、
ちゃんとした芝居ができる若手も育ててほしい。
柳瀬大輔さんの幽霊は、すごくおもしろい。
気持ち悪くておもしろくて、象徴的。
有名な日本製アニメの、○○○○にソックリだった。
(失礼過ぎて言えない。わかる方いますか?)
期待せずに行った舞台で、思わぬ収穫を得て、
うんと得した気分だよ。
なんでも機会があったら、触れておくべきだわねぇ。
ちょっと、嫌な思いもしたのだが、
それはまた別の話なので、改める。