ケ時々ハレ・2

楽しむために、「晴れ」のために「褻」を生きてます。左脚も人工股関節にしました。右人工股関節はライト、左はエルといいます。

2021年7月9日(金) 「アナと雪の女王」

2021-07-12 20:42:00 | 劇団四季


四季劇場・春に新作「アナと雪の女王」を観に行く。






新しい四季劇場に行くのも初めてだし「アナと雪の女王」も初めて。






新劇場は和式トイレが激減し(もしかしたらないかもしれない)、それがとてもありがたかった。

和式が空いているのに、洋式しか使えない人や使いたくない人で、無駄にトイレが混まなくてすむ。


座席の列と列の間が狭くなった。

これでは、人が座ってしまったら、真ん中の方の座席の人は入れない。

ここまで狭くすることはなかったんじゃないか。

足元はゆったりしていてほしい。


1幕はほぼ最初から泣いていた。


新作をこうして観られているという喜び。


なぜ姉に会えないのかわからずにノックし続ける妹。


妹を傷つけるのが怖くて会えない姉。


私の好きな(というか注目している)山本道さんは、多田野さんの演った役。

博士の時にはわからなかったけど、こんなに小柄だったっけ?

動きも表情もとても好き。


破天荒な三平アナはとてもよかった。

ちょっと下品だったり、姉を気遣ったり、真っ逆さまに吊り橋からぶら下がったり。


ハンスもちゃちな小悪党な感じで、うさん臭くてとてもよかった。


エルサがブチ切れて国中を凍りつかせる演出は前評判通り素晴らしかった。


スワロフスキービーズをふんだんに使ったエルサのドレス、髪をほどいて歌うレリゴーは、顔が痙攣して震えるほどに泣いた。

このシーンは映画でも泣いたのだけど。


照明が落ちた途端に客席がどよめいた。


2幕始めの、噂の竹内オーケンは「新境地を開いたね!」という感じ。

このままいけば、道口さんの路線もありなんじゃないかと思った。

王子様なんかより、ずっといい。


オーケンのサウナ小屋のシーンも、パッと華やかで嬉しい。


あとスヴェンは可愛い。

特に目が。


本当はスヴェンにここで大活躍してもらえるといいよね~というシーンも、ハイエナ方式で動いているので走ることはできない。

そこは残念だった。

でも目、目が生きている。


全体的な舞台のイメージが「平たい」感じがした。

吊り橋の上のアナとクリストフのやり取り以外は、全体的に平たい。


プロジェクションマッピングは本当に見事なのだが、エルサの氷の宮殿への階段ぐらいはプライドロックのような装置があってもよかったのではないか。

駆け上がるエルサが観たい。


場面転換が地味というか、おもしろくないのだ。

その分、プロジェクションマッピングを堪能すればいいのだろうけど。


岡本エルサが、ちょっと弱い。


エルサは力を抑えている芝居をしているのだから、それはしかたないのだけど、抑えても抑えても溢れてくる爆発力みたいなもの(エルファバが飛んだ時のような)が見たかった。

期待値が高いのかもしれない。

きっと次に観る時には、ずっと良くなっていると思う。


小林オラフもなんだか弱い。


場の雰囲気をぶち壊しにしたり、かっさらったりすることができるキャラだと思うのだが、なんとなくどことなく遠慮がち。

それができるのはオラフだけでしょう。

ジーニーぐらいにはっちゃけてほしい。

「あのロバの名前はなんていうの?」

「あっちのトナカイは?」

という台詞の間はとてもよかったなぁ。


神永クリストフもなんだか弱い。


最初に出てきた時には、ああ、いいね! と思った。

だけど、ずっとなんだか同じ色調なので飽きてくる。

こちらも新境地だろうと思うので、この先に期待する。

もっともっとむんむん匂い立つほどにトナカイ臭くなってほしい。


アナが凍りついた演出はよかったね。

一瞬で凍りついたようにしか見えなかったね。


アナ雪は、もしかしたらあまり舞台には向かないのかもしれないと思った。


でもエンディングの。


ありのままに!

自由に!

というあたりは、意味深でじ~んと来ました。


皆さん、ありのままに、自由に生きましょう。

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2021年6月3日(木) 「ビッカビカの一年生」

2021-06-04 12:09:00 | 演劇
ネタバレがあります。







小林晴香改め秋月はるかさんの舞台「ビッカビカの一年生」を観る。


最近はどこでも感染対策で、ペットボトルの水は飲んでもいいと言われるので助かる。

東京医大の研修では、10分おきに口内の汚れを胃に流し込めと教わったものね。


シュールだけど、おもしろかった~!

なんだこれ、なんだこれ、と思っている間にどんどん引きずり込まれる。


「土曜日の深夜の1:00に子どもの学芸会を観に来たつもりでご覧ください」

という脚本・演出の女性の前説。


「ミュージカル オニ―」

鬼の女の子、小練ネコさんの歌がうまいと思ったらミュージカル畑の方だった。


「役者がものすごく暴れます」

という説明通り、本当にはるかさんはじめ全員が大暴れ。

むしろ暴れていないはるかさんを観たことの方が少ない。


「接吻」

演出助手役のまるさんを見て、渡辺芽以を思い出した。

おもしろい。


すごく好みだったのは、3回に分かれていた「だ~れだ」

これもシュール。

焦っておびえながら怒り出す男性がめちゃくちゃ笑えるし、真顔で目を隠し続けるネコさんとはるかさんの表情が怖くて最高。

ネコさん、どこかで観たことがあるような気がするんだけど。


「これからのひと」

これも大好きだった。

暇で暇で騒がずにいられない女1(舞薗ミチルさん)。

おとなしくしててと言う女2(まるさん)。

この人たち、監禁されてるのかなと思いきや女3(小練ネコさん)が散歩から帰ってきたところで気づく。


散歩といってもそんなに歩く場所ないじゃない。

紐がからまったら大変なんだよ。

そして壁の外から聴こえてくる「乙女のポリシー」。


(『はばたくチャンスが食べたいよう』とカレーのことだと思い込んで言っていた4歳の頃の娘を思い出す)


三つ子なのね!

胎内で退屈してるのね!


壁の外で始まる両親の喧嘩。

あ~、きついよね。

胎動止まるぐらいのショックだよね。


いや、おもしろいな~~!


換気休憩後の「PEEPER!」、これもおもしろかった。

あいのり、ラブワゴンを彷彿させる。

見ながら解説する舞薗ミチルさん、おもしろかった。


はるかさんのスピ村さんが、また最高におもしろかった。

はるかさんも歌ったのよ。

そしてうまいのよ。


ああ、歌うまくなりたいなぁ。


世にも奇妙な物語的な展開になったあとの、はるかさんのサービス精神満点なスケベ先生。


旦那様、観にいらしたりするのかしら。

背が高くて、胸も綺麗だから、いいなぁ。


ちょうど、どの年齢でもできるお年頃だね。


全体的に圧倒されつつもおもしろかったのだが、気になることが2つ。


ひとつは、みんなが本当に暴れて大騒ぎするので、聞きたい台詞を言っている人の声が聞こえないこと。

最後の最後の舞薗さんの台詞も、前半が聞き取れなくて残念だった。

あれ、決め台詞なのに。

なんて言っていたのか知りたい。


あと、もうひとつは芝居とは関係ない話なのだけど、最近よく見聞きする丁寧語の誤用。

(若い方だけでなく、じいさんばあさんでもやる)


とても誠実な丁寧な主宰の方だったので、そこだけ残念でした。


「いる」の丁寧語  「います」「おります」

「ある」の丁寧語  「ございます」


「お願いしています」  「お願いしております」 

「思っています」  「思っております」〇

「お願いしてございます」、「思ってございます」は日本語として妙です。


具体例が思い出せないけど「おります」の場面で「ございます」が頻発されていたので、気になりました。


芝居自体がおもしろかったので、日本語を生業とする方々には美しい日本語を使っていただけると嬉しく存じます。(こんな感じ)


テアトルエコー「ら抜きの殺意」のDVDを観ると、わかりやすいです。

けっこう詳しく説明されております。

(これも『ございます』ではなくてね)

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11月22日(日) 「マツリワタリ2020〜マツリを止めない〜」2日目

2020-11-24 15:42:00 | 6-dim+

 https://youtu.be/vNv9TIvX0GI


 https://youtu.be/fZ5NYfsiKD0


 https://youtu.be/s_NHdglQIFY


 https://youtu.be/2SbmDXkmfRA


 https://youtu.be/WY0juPLWFKA


 https://youtu.be/j5yDIVZO9X4


13:00の回】 


渡猛+岡本学志 


今までに観たことのない静かなギターと即興劇のコラボ。 

ゲストによって、こんなにも変わる渡猛の即興。 

超幻想的だった。 


YouTube配信の方で不思議なことがあったらしい。 

紅天女を思わせる自然界の神のような、人智を超越したような存在が出てきて、そこももうチャネリング。 

ワタリが時を戻したのだが(ぺこぱとは違う壮大な時の戻し方)その時を戻している数秒間、音声がピタッと消えて無音になった。

音響は何もしていない。 

時空の歪みが生じたらしい。

後で見てみたら本当にピタッと無音になって、時が動き始めた途端に音が戻っていた。











16:00の回】 


渡猛+笑福亭べ瓶 


鶴瓶さんのお弟子さんで、3度も破門されているそうだ。 


2人で即興落語を交代で(もちろん何も決めずに)語ったのだが、いや、凄まじい頭の回転の速さ。 


べ瓶さんは、ちゃんとたけしさんの投げたボールをきちんと受け止めて、頼らずに自分でぐいぐいシーンを作っていく。 

すごかった。 











19:00の回】 


ゲストなし、完全ヒトリワタリ。 


始まった途端に、会場の引き戸が音をたてた。 

遅れてきたお客さんが来たのかな?と思ったが…… 


たけしさんが「ん?」と天上を見上げた。 


地震だった。 

思わず自分に「大丈夫だ」と言った言葉が入ってしまった。 


でも騒がずにいられた。 

よしよし、ほめてやろう。 


1間ノンストップの即興芝居。 


パッと動き始めた自分を見つめて、そこからシーンを作って行く。 


いくつの場面があっただろう。 

何人の人格があっただろう。 


一番好きだったのは、磔にされたジーザス。 


凄まじかった。 

どんどん次の高みへ行く。 











何度も同じことを書いてしまう自分の語彙の貧しさに泣けるが、ものすごい瞬間に立ち会っていた。 


最後まで無事に見届けたな。 

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11月21日(土) 「マツリワタリ2020〜マツリを止めない〜」1日目

2020-11-24 12:42:00 | 6-dim+

無料でYouTube配信。  

会場では限定10席。 

2日間で6回の即興の公演。 

これを1回でも見逃したら後悔するのは目に見えていた。 


 https://youtu.be/vNv9TIvX0GI


 https://youtu.be/fZ5NYfsiKD0


 https://youtu.be/s_NHdglQIFY


 https://youtu.be/2SbmDXkmfRA


 https://youtu.be/WY0juPLWFKA


 https://youtu.be/j5yDIVZO9X4




13:00の回】 


渡猛+山本圭祐+小西真理 


この山本さんが期待をことごとく裏切り続けるのが、全然嫌じゃなくておもしろい。 

元気よく、きっぱりと、すがすがしく嘘をつくキャラ。  

存在自体がとても魅力的。 

コニタンのピアノの素晴らしさと言ったら。











16:00の回】 


ヒトリワタリ。 


ペーパーズから始まった「ガス」みたいな名優のシーン。 


主人公を「20歳」に設定して始まった成人式での告白2景。 


猿の編みぐるみを相手役に選んだ「ゴミ捨て場」のシーン。 

この子は渡家に生息しているお猿さんらしいのだが、いじらしい可愛さがタングと重なった。 


もちろん最後にはそのすべての登場人物が再登場してスクランブル。 








19:00の回】 


ヒトリワタリ。 

なんだけど、 

「自分ができることをやっていたらつまんない」 

ということで、できるかできないか、ギリギリの崖っぷちにまで自分を追い込んだことをするという。 

題して「三つのワタリ」。 


最初に1人目のワタリが即興芝居をする。 

それを撮った動画を流しながら、その録画の中の自分と2人目のワタリが即興で会話をする。 

数秒前に自分が言ったことを忘れてしまう私には無理。 

ここまでは昔、ヒトリワタリで観たことがあるのだが、今日はそのさらに上を行く。 


2人目までが即興芝居している動画を流しながら、3人目のワタリが即興芝居をする。 


すんごいよ! 

もう本当にすんごかったよ! 

毎回、限界突破してくる。 


さらにすごかった次のバージョンは、1人目のワタリがサイレントで即興芝居をする。 

その録画した動画を流しながら、2人目のワタリがサイレントで即興芝居をする。 

さらにその録画した動画を流しながら、3人目のワタリが、2人分のサイレント芝居に吹き替えをしてシーンを作っていく。 


もうね、頭おかしいでしょ。 

(もちろん誉め言葉) 


その後のモモコのやかましさ、一瞬でしおらしく変わる色っぽさ、これは芝居ではなくチャネリング。











必ずや何かやってくれるってわかっているのに、あまりにも凄くて。 


6-dim+ライブの凄さとは少し違っていて、もっとストイックで、娯楽よりはもはや神の芸術。 


1日目からこんだけやっちゃったら、明日どうなんの。 


すごいものが生まれる瞬間に私は立ち会っている。

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令和2年1月11日(火) 映画版「CATS」

2020-02-13 17:47:00 | 映画




周囲では賛否両論。 

娘などは 
「見ない方がいい」 
とまで言った。 
曲のテンポや、流れが違っていて気持ち悪いのだそうだ。 

この娘は四季「CATS」初演の頃には影も形もなかったし、当然観ているわけではないのだが、一種のインプリンティングなのか、頑なに 
「初演の『CATS』を超える『CATS』はない」 
とまで言う。 
ワークショップでお世話になった先生方への思い入れもあるのだろうけど。 

「次にいいのは五反田の『CATS』」 
って、それはあなたが最初に観たCATSだからでしょうよ。 

上映後に若い2人組の女性が怒気を孕んだ口調で、 
「全然違う! 全然違うね!」 
と語り合っていた。 

同じであるはずがないのです。 

四季の「CATS」を求めて映画を見るから不満が噴き出すのであって。 
ロンドン版『CATS』でさえ圧があっさりしていて違うといえば違うもんね。 
もっと言えば、今の「CATS」と初演の「CATS」も、なまじ「全然違うわけではない」からタチが良くない別物です。 
それぞれ楽しみ方はあるのです。 

私は映画の「CATS」おもしろかった。 

以下、なるべくネタバレしないように書きますが、敏感に感じ取ってしまった方はごめんなさい。 

主役がヴィクトリアだと聞いていたが・・・なるほど、ヴィクトリア兼シラバブなのね。 
容姿はシラバブそのもの。 

観客の視線で、観客と同じ立場で、猫たちにいろいろ教えられて、猫の世界へ入り込んで行く役割。 
とても可愛い仔猫でした。 
仔猫を袋に詰めて投げ捨てた奴は許さん。 

驚いたのは【彼】が【彼】と対決してやっつけたこと。 
あの2匹が同時に存在するんだ! 
(私の愛する【彼】です) 

大笑いしたのは【ヤツ】が【彼女】とデュエットして、自画自賛してたこと。 
宝塚の大階段みたいだったわよ。 
もう1匹の【彼女】はどうした? 

そして【ヤツ】がジェリクル志望・天上行き志望だったとは。
たぶんキミが行っても天上、楽しくないと思うよ。 

デュトロノミーが雌猫なのも、別に違和感はなかったけれど、丹靖子さんにしか見えなかった。 
雌デュトロノミーは、やっぱりキーが苦しいのではないか。
オクターブ、上に行ったり、下に行ったり、しばしば行ったり来たりしていた。 

ミストフェリーズは自信のない気弱な感じが強調されていた。

タガーはもっとチャラくてもいいかも。 

グリザベラ。 
凄かったです。 

「Touch me~♪」 
で泣いたのは初めてです。 
そもそも「CATS」で泣いたことなかった。 

うちで飼っていた真っ白猫の響子が死んだ後に、グリドルボーンを見てメソメソしたことはあったけれど。 
光枝さんの退団後のライブで「ガス」を聴いて嬉しくてボロ泣きしたけれど。 

「CATS」の本筋で泣いたことはなかった。 

あんなに心からの「Touch me~♪」は聞いたことがない。 
あれを聴けただけでもよかった。 

そんなこんなで、違いも含めてたっぷり楽しみました。 
応援上映ないかな~。 
一緒に歌いたい。 
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平成31年4月16日(火) 「半永久的WIFE」

2019-04-20 14:37:05 | 劇団NLT
‪劇団NLT「半永久的なWIFE」を観てきました。










‪かの「人造人間キカイダー」こそ、私がNLTを観るようになったきっかけの作品です。‬
‪AIや、AIと関わる人間たちの切なさはよくわかる……ような気がします。

‪死に瀕した妻の脳を、すっかりAIにインストールすることで、妻は永遠の命を得る。‬
‪果たして、妻そのものの記憶や思考回路を持つAIは、妻なのか。‬

‪思考実験のようなテーマです。‬

私だったら、キラをAIにするだろうか。

「ペットセメタリー」をちょっと思い出しました。

‪演出兼主演(そんなことが可能なんですね❗️)の川端さんは、眠っている人が呼吸しているかのような、うるさくない、余計な思考を波立たせない、作品に集中させてくれる、そんな芝居をなさいます。
本当に本当にうまいです。
自由自在にご自身の身も心も操ってらっしゃいます。‬

‪私が川端さんの舞台を初めて観た45年前から、ずーっと川端さんはパーフェクトにうまい俳優さんでいらしたので、もはや、あたりまえになってしまっていて感動すらしないほど。
それほどの川端さんクォリティ。‬

‪壁にかけられたパッチワークに触れる川端さんの手や指の動きで、クラークの葛藤や苦悩が見えてしまう。‬

‪元気な妻の人格が、そのままコピーされたAIとして再生されて、二度と死ぬことのない妻と共に過ごせるというロボット会社のセールスウーマン。

凪ともこさん、ナイスバディで綺麗でカッコよくて、可愛らしい。
でも普段は少年のように飾らなくて好き。‬

‪凪さんとAIの話をしている川端さん、愛妻を亡くした直後でさえも、人間の思考はひとつところにとどまってはいないことがわかる。‬

‪AIに落胆し、受け入れようと決心し、AIとの間に情が通い、しかし妻の死を見つめる勇気を持つ。‬

‪AIと人間の間に情が生まれたら、それはハッピーエンドにはなりにくい、というよりはハッピーエンドになっては不健全な気がします。‬
‪川端さん演じる資産家の老人は、健全な人間として生きるために、ハッピーエンドを捨てたのだけど……観客は、それが一番ハッピーな終わり方だと感じるのではないかと。‬

‪泉関奈津子さんのAIっぷりといったら!‬
‪このAI妻はAI妻で、可愛らしいなと。‬
あんなに可愛い「嫌よ」は聞いたことがない。

ロボットとして便利に使うつもりでいた夫が、心に血の通った妻として感じる第一歩が、この「『嫌よ、嫌よ』で使えねえ」エピソードだったのではないか。

ロボットのアフターケアに訪れた阪本竜太さんが、なんだかすごく変わりました‼️
今まで観た舞台では、なんとなく線が細くて、居心地が悪そうだったのですが……

今回の舞台、どっしりとその場にいらっしゃる感じがしました。
(太ったとか、そういうわけではないですよ)
余裕が感じられるいい目をしていました。

‪まさかコメディ路線51年のNLTを観て嗚咽が漏れるほど泣かされるとは思いませんでした。

また観たい。‬
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7月6日(金) 「恋におちたシェイクスピア」

2018-07-16 22:11:16 | 劇団四季
午後休とって、浜松町へ。

劇団四季の新作ストレートプレイ「恋におちたシェイクスピア」を観に行った。
お昼ご飯を食べる時間がなかったが、さいわいコンサータのおかげで、過食が治まっている。
(食欲がないとまではいかない)





マチネで、ストレートプレイ。
間違いなくマチネの呪いにかかるパターンだったが・・・・・
コンサータ様様。

映画の「恋におちたシェイクスピア」を見ていなかったのだが、実によくできている。
シェイクスピア作品を芯にして、芝居好きな人たちが舞台を作り上げていく様子に、シェイクスピアの恋がからむ。

阿久津さんと田邉さんが、しみじみうまい。
両巨頭という貫禄だ。
片や火のような、片や水のような。
お二人ともスカイの頃より、歳を重ねた今の方がずっと素敵。

女性は舞台に立てないという時代で、芝居好きなヴァイオラは男装してオーディションに潜り込む。

ロミオとジュリエットが完成する前に、その種になっただろう会話が散りばめられる。

ジュリエット役をやることになっていた男優、菱山さん、凄かった。
1幕までは完全に女優だと思っていた。

観ている時はあれこれ感じていたのに、なぜ感想が書けないんだろう。
(観てすぐに書かないからだよ)

すごく印象的でよかったのは、代役で急遽ジュリエットに立ったヴァイオラの舞台を裏で見ている仲間たちの眼。

ドタバタしながら、舞台を作り上げて、劇中劇として上演する。
おもしろいパターンだ。

ヴァイオラの婚約者、飯村さんはとてもとても気持ち悪くて、ヴァイオラが抱いているであろう嫌悪感がリアルだった。

読み終えたばかりの中山可穂の「ゼロアワー」の、殺し屋集団のボス、キング・リアがシェイクスピアオタクという設定だった。



プロの殺し屋たちのコードネームは、全員がシェイクスピア作品の登場人物の名前から選ぶというルールだった。

そのへんも思い出しつつ、なんだか最近はシェイクスピアが私の周りをふわふわしているなぁと思った。





シェイクスピア、読みたくなった。
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6月29日(金) 「ノートルダムの鐘」

2018-07-10 19:29:23 | 劇団四季
夫と「ノートルダムの鐘」を観に行く。





初の泰淳カジ、デカい。
何もかもデカい。

印象的だったのが、ガーゴイルたちと会話する時に、不自由さがないこと。
これはカジモドの世界での会話だからなんだな。

鐘を鳴らす時に、えらく高く跳んでいた。

最後にフロローを投げ下ろす時に、超人ハルクのように、めきめきと身体がデカくなったのには驚いた。
こういう怒りの表現なんだ。
このシーン、どうやらカジモドは、歪んだ背中の骨を自分自身で砕きながらまっすぐ立ってフロローを見下ろすらしい。
凄味がある。

「僕はとても強いんです」が生きる。

ところどころ光るカジモド、今後に期待したい。

個人的には達郎カジモドがなんといっても大好きです。

「サンクチュアリ! 聖域だ!」が一番心に響く。

手の指の動かし方がキュートだし。
ぜひまた観たい。

できれば横浜じゃなくて、浜松町の新劇場で観たいな。
KAATって、劇場内の動線が悪くて好きじゃない。

初の川口フロロー。
(川口雄二さんのお兄さんだってこと全然知りませんでした)
ベテランだし、とてもうまい。
多くの四季友達は「フロローの狂気」が一番出ていると言う。

でも.これも個人的な好みだが、私は芝さんの気持ち悪さが大好き。
あんなエロ気持ち悪いフロロー、他にいない。
(褒めています)

光枝さんの特別講習でご一緒していたおっくーがアンサンブル。
(前と同じ枠です)

彼は元々歌の方なのに、バリバリダンスも踊るし、コミカルな芝居もこなす。
初めて会った時から10年以上たっているが、すごくいい大人の俳優になられた。
ご本人のめざしている光枝さんのように、きっとなれると思う。

ノートルダムの音楽はやはり、圧倒されます。
聴いていて心地よい。

暑い暑い日だったが、楽しい1日だった。
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6月27日(水) 「アラジン」

2018-07-09 18:54:29 | 劇団四季
娘と一緒に「アラジン」。

私、ついていた。



2週間前に道口スカーを満喫したばかりなのに、今日は道口ジーニー!
ついてるったらありゃしない。

キャラ的にジーニーに近いわけではないのだが、なにしろうまい。
やっぱりうまい。

タッキーはジーニーそのものだし、期待以上に素晴らしかった。
開幕からの数ヶ月を、たったひとりでジーニーを背負って突っ走ったのは称賛に値する。
一夜にしてスターになったのも当然だし、ものすごく魅力的だと思う。

でもロングランが続き、道口さんの総合力、底力がめきめき光ってきたように思う。

そしてMW優で一緒だった◯◯くんが、とてもいい役でデビュー。
私は、右脚の手術後に、何回かご一緒している。
娘は一緒にレッスンしたことはないそうだ。

本当におめでとう!

ああ、もっと早く感想を書いておくべきだった。
12日も経っちゃったら、すべてがもやの中だよ。

アラジンが初めて観る小林唯アラジン。
歌のうまいアラジンだった。
そして、大人のアラジン。
よかったと思う。

三井ジャスミンも初めて。
お姫様らしくないジャスミンだった。
やんちゃとか、そういう意味じゃなくて、どことなく庶民的。

とにかく道口さんは、理想の相棒でも、とても楽にこなしていて(手抜きというわけではなく)、自然に呼吸していて、観ている方も楽。

アラジンは本当に楽しいね。
特に今日はもう、完璧に楽しかった。
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6月13日(水) 「ライオンキング」

2018-06-14 17:59:27 | 劇団四季
1時間休を取って、3年3ヶ月ぶりに「ライオンキング」を観て来た。
夏劇場に移ってからは初めてなので、新演出を観るのも初めて。












念願の道口スカーだった!
私は観たい観たいとは口に出すものの「あの方が出ているからなんとかして行こう」という熱意はない。
(2回だけ道口ジーニーと奥田セバスチャンが観たくて、がんばった経験があるが)
何ヶ月も前に取ったチケットで、たまたまその日に観たい方が出ていたらラッキー程度。

今まで縁がなくて一度も観たことがなかった道口スカーが観られて、とても嬉しかった。

他にも、世界くん(元ヤングシンバのエグザイルメンバーではありません)が出ていたり、お友達のお嬢さんが出ていたり、安定の小原哲夫さんがエドだったり、嬉しいキャスト。

新演出に変わったところがわからないかもしれないと思っていた。
自分の記憶力が曖昧なのだ。

しかし、ずいぶん歌が変わった。
まず気づいたのが雌ライオンの狩り。

激しく変わったのがワンバイワン。
別の歌みたい。

草たちのパフォーマンスがなかったり。

ザズーの歌が富士サファリパークになったり。

シャドウランドでは最後に「ふるさとに」という歌詞が入った。

あとキャンユーのバレエが全面カット。
あの場面だけは、観るたびに恥ずかしかったので(手塚治虫の『アポロの歌』の一場面のような)、なくてもいいのだけど。
ただ、あの曲の間にナラは、エンディングに登場する子ライオンを孕むはずなので、そこはぼやかしたらもったいないのかなとも思う。

新演出になった一番大きなきっかけは、舞台のサイズなのかなと思う。
それぐらい、夏はコンパクトだった。
象の骨ははみ出していたし、もしかしたらプライドロックも小さくなったのかな?

道口スカーは期待を裏切らなかった。
かなり悪そうなのに、愛嬌があってかわいそうになる。

ハイエナダンスの時のはしゃぎ方は、ついじーっと見入ってしまった。

そしてザズーに心中を吐露する場面では、胎児のように丸くなる。

こんなスカー、観たことないのだが、私が気づいていなかっただけ?
それとも道口さんだけ?

これがスカーの孤独で不幸な生い立ちを、台詞としてではなく、心で一瞬で観客に伝えた。
胸に響いた。
そのせいか、ザズーとの間にもある種の情の交流が感じられる。

それから、ずっと観たかったお友達のお嬢さん。
シンガーなのだが、沁みる芝居をなさっていた。
特にエンディング間近、闘いの前のあたり。
どんなに、ああ、どんなに、と泣ける芝居。
とても美しい。

娘がこんなにがんばって舞台で輝いていたら、お母様はどんなに嬉しかろうと思うと、勝手に母親気分になって涙が出た。

世界くんも同様。

ムファサとヤングシンバとのやり取りを聞いていると、ああ、世界くんの世界もきっと180度変わった景色になったのだろうなぁと。

小原さんのエドの表情がよく見えて、とても素晴らしかった。
美声も聞こえたし、ポカンとする間がとてもいい。

あらゆる世代に、あらゆる局面で響く、ライオンキングは深い。
こうして数年に一度、観たくなるのだ。

大人のシンバは、ある著名な人物に似てるなと思ったら、もうその人にしか見えなくなった。
大人のナラ、とても美人だったし、日本語が完璧。

私も夫も、
「彼女は間違っている!」
というシンバの台詞を聞いて、李涛を思い出していた。

なにしろ舞台がちっちゃい。

カーテンコールでは、お友達のお嬢さんがこちらに向かって手を振ってくれて、とても嬉しかった。
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3月9日(金) 「LOST PIANO CHILDREN」

2018-03-09 22:22:24 | 演劇
「LOST PIANO CHILDREN」を観て来た。
先月、石川寛美ワンコイン演劇ワークショップを行なったワテラスのコモンホールにて。








キャラメルファンのマルコさんからのお花が。





キャラメルボックスの真柴あずきさんが脚本家。
石川寛美ちゃんが演出、と同時に出演。
「ピアノを巡る物語を一緒に作ってほしい」
と、寛美ちゃんが真柴あずきさんに頼んで生まれた物語であるらしい。

私はキャラメル慣れしていないのだが(今までに4〜5回しか観ていない)、すっと入れた。
客席にはファンであろうリピーターの方が多く、最初のシーンからすでに泣いている。
きっと反芻しているのだろうね。

坂口理恵さんには引き込まれた。
甘露のような余韻のある声と芝居。
エコーの澤山さんは、昔の寛美ちゃんに似ている。

終始、ピアノが鳴っているような世界で、あまりに綺麗なので私はきっと泣かないだろうと思っていたが、終盤、坂口さんにやられた。
坂口さんの内面が唐突にバッと溢れる場面で、胸の痛みも眉間の皺もなく、あれっ?と思うと涙がこぼれていた。
こんな泣き方したの2度目だ。
(前はいつだったか覚えていないが、たぶん映画か舞台を観たとき)

劇団ぷちの演出家に強く勧められて観たのだが、観てよかった。

3月3日には、おこちゃんプロデュース、おこちゃん原案の芝居を観て来た。
今日は寛美ちゃんプロデュース、寛美ちゃん演出の芝居を観て来た。
魅力的な大人になっている2人。
多くの後輩を育てている2人。
同期生たちの上に流れたのと同じ長い時間を、私はどう過ごして来たのだろうね。
でも大丈夫、今からでもできるから。
これからの人生で、今が一番若いから。

蛇足。
今日のキャラメルボックスの若い俳優さんが、話題の人物によく似ていたなぁ。
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2018年3月1日(木) 「毒薬と老嬢」

2018-03-07 21:07:32 | 劇団NLT
博品館劇場へ劇団NLTの「毒薬と老嬢」を観に行く。
NLTはコメディ路線50周年を迎える。




「毒薬と老嬢」は31年前の初演時に観ている。
ツワリ明けで、久しぶりにお出かけらしいお出かけをした時だった。
たぶん不安がある外出で、気もそぞろだったのだろう。
ストーリーをまったく覚えていない。

中嶋しゅうさんが悪役で出ていたのと、賀原さんがアビィ伯母様だったのと、金田賢一氏と藤尾美紀嬢が客演で出ていたことだけは覚えている。

今回、31年ぶりに観て、
「こんなにおもしろい芝居だったのか!」
とびっくりたまげた。
何を観てたんだ、31年前の私。
ぼーーーーーーーっとしていたんだろうなぁ、たぶん。

今回は客演なしで、NLTの俳優だけで上演された「毒薬と老嬢」だった。
これが嬉しい。

伯母様たちを有里さんと阿知波さん。
可愛い甥のモーティマーを小泉駿也さん。
私の一押し。
「毒薬と老嬢」の笑いの第一歩は、まずモーティマーがどれだけ愛らしいかにかかっているのではないだろうか。

本当に綺麗で可愛らしい小泉さん。
伯母様たちが彼を愛するのも、彼が伯母様たちを大切にするのも、とてもよくわかる。

その可愛くて愛されているモーティマーが、伯母様たちを守るために2時間強の上演中、ほとんどずっとテンパりっぱなし。
困って必死になっている人を見るのは、楽しいし嬉しい。
応援してあげたくなるじゃないですか。

平松さんの神父は、川端さんのマッドドクター・アインシュタイン(初演はしゅうさん)がメイクを始める頃には、すでにメイクを落とし始めているという話だったが、最初に顔を出しておくことで、ずーっと「エレーンの陰にあの神父あり」と印象づける。
それがなければ、モーティマーももしかしたら、あそこまで親族の性癖の傾向を思い悩まなかったかもしれないので、とても重要。

考えてみたら伯母様ふたりの禁じられた慈善運動といい、一番上の甥、殺人鬼のジョナサン(初演は平松さん)といい、自分をルーズベルト大統領だと信じ込んでいる二番目の甥のテディといい、言われてみれば確かに「あれ?」という感じではあるのだ。

エレーンはダブルキャストで、私が観た日は吉越千帆さん。
モーティマーとエレーンのキスシーンで、わざわざモーティマーがふたりの立ち位置を交換する動きがあって、なんの意味があるのかよくわからなかったが、もうひとりのエレーン・三井千寿さんの時に、ここは笑いが起きるシーンなのだった。
三井さんは背が高いので。
もうひとりのエレーンも観たかった。

川端さんのアインシュタインと、池田さんのジョナサンとてもいいコンビネーションで、遠い記憶のしゅうさん&平松さんのごつごつした感じとは違った。

何をしていても、川端さんと有里さんのすばらしいこと。
おふたりとも可愛いし、強烈な安心感がある。

阿知波さんも有里さんとの対比がよかった。
若い伯母様で、歌声も披露してくれたし。

どんどんゴチャゴチャ、メチャクチャになっていくのに、もつれた糸の一本をツンと引っ張るだけで、しゅるしゅると綺麗に収束していく喜劇。
これが好きでNLTにハマっていたのだよ。

観客と共有して笑わせてくれるいくつかのキーワード。
「パナマへ!」
「ああ、美味しい!」

今さらながら大好きになった「毒薬と老嬢」。
今回のキャストで観られてよかった。
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10月13日(金) 「何をしてたの五十年」

2017-10-18 22:21:53 | 劇団NLT
劇団NLTの「何をしてたの五十年」を観た。





劇団NLTは、来年コメディ路線50周年を迎える。
なんてピッタリな今回の演目。

16歳の時と22歳の時に観ている。
でも、こんな話だなんて知らなかった。
というか、子どもにはわからなかったのだ。

有里さんのソニアが、家庭の中で何十年も語り続けてきた恋人のコスティアのこと。
ロシア革命の時に、機関車の煙の中に忽然と消えたコスティア。
夫も、娘も、孫たちも、コスティアのことを知っている。
何千回と聞かされ続けていたから。

娘は結婚して14ヶ月後に生まれているのに
「コスティアの子だ」
と言い張る有里さん。

そこへ本物のコスティアが、ソニアを訪ねて来たことから、伝説が現実になっていく。

めちゃくちゃ過ぎる有里さんを、大きな大きな大きな愛情で包んで、呼ばれるたびに
「はいはい、来ましたよ」
とそばへ来てくれる優しいエルネストが、川端さん。

記憶と違ってガッカリさせるコスティアがキーちゃんこと川島一平さん。

あー、こんな話だったのか。
ソニアとコスティアの話がネギになるのは、なんとなく覚えていたけど。

奇しくも最後は、いい雰囲気の夫婦のほのぼのシーンで終わる。
(奇しくも、というのは先日終わったA☆MWの公演が、そんな夫婦のほのぼので終わるのです)
川端さん、最高。
きっとこれなんだ。

終演後の茶話会は、川端さんは次の舞台の稽古があり、早々と抜けたが、たっぷり有里さんの話が聞けた。

「安原さんはご覧になって、何とおっしゃいましたか」
と聞いたら、
「ヤキモチ妬いてるのかしらね。台詞の練習相手になってくれないのよ」
と言っていた。
綺麗で華やかで可愛らしい有里さん。

エルネストを観て、あんな素敵な旦那さんはいないと思っていたら、川端さんが
「現実には絶対いないでしょう」
とおっしゃったので、ちょっと悲しくなった。

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9月22日(金) 劇団ヨロタミ「アンサンブル」

2017-09-26 07:24:07 | 劇団ヨロタミ
仕事帰りに、シアターグリーンへ。
劇団ヨロタミ「アンサンブル」を観に行った。





スタッフ表記まで、いちいちしゃれている。

衣裳・小道具 / 五十嵐縫製・南井工房・さかもどーる
宣伝美術 / サカフォト
劇中歌作詞作曲 / サカモクション

五十嵐さん、南井さん、坂本さん、みんな劇団員だ。

なんと観劇用メガネを忘れてしまい、最前列に陣取った。
(観劇用メガネがあったとしても、2列目ぐらいにすわっただろうけど)

「アンサンブル」ってそういう意味だったのか!

それぞれ、いろんな事情を抱えた人が暮らすシェアハウス。

再演があるかもしれないので、なるべくネタバレしないように書く。

大家さんはロックなおじいちゃん。
実質、シェアハウスの管理をひとりで回しているのが通称・中家(ちゅうや)さん。
この通称もかわいくてセンスがある。
大家さんの娘(というか息子の嫁)だから中家さん。
いかにも自然発生しそうな呼称。
アイドルおたく、新興宗教の信者、役者、娘と生き別れのフリーターのおじさん、そして福島の震災で妻子を亡くした男。
そして信奉されるアイドル、その弟、わけあって離れている中家さんの夫。
中家さんの変調。
それぞれが奏でる人生のアンサンブル。

彼らそれぞれが人生につまづいた事情が回想される時に、台所で料理を作っている設定の役者たちが、アンサンブルとして登場する。

ただ、アンサンブルだけどアンサンブルではない。
観客は、誰がどの役の役者か、ちゃんとわかった上で観ているから。
そしてそこがおもしろい。

「代役」の時のキャラが登場したので、毎回観ている人にはきっと嬉しいだろう。
「硝子の途」っぽい雰囲気もあったので、もしかしたらこういうものなのかも。
どんどん地層のように、積み重なって次の作品ができているのかもしれない。

若過ぎない(でも充分に若い)大人の役者さんばかりなのが、とても好み。
これはハマる予感。

中家さんの南井さんは同僚のご学友で、ヨロタミを知るきっかけとなった女優さん。
ナチュラルな芝居がとても魅力的。
この南井さんが、今度のA☆MWの公演に来てくださることになっている。
皆さん、がんばりましょう。

次回の「ミュージカルCATSにあこがれて」が、とてもとても気になる。
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8月25日(金) 「八月の人魚たち」

2017-08-28 16:31:45 | テアトルエコー
後半に少し、ネタバレあります。

テアトルエコー「八月の人魚たち」を観た。









出演者の顔ぶれを見て、絶対観たいと思った。

森沢早苗さん、重田千穂子さん、渡辺真砂子さん、杉村理加さん、薬師寺種子さん。
女性5人の芝居。

毎年8月の終わりに、貸しコテージに集まる5人は、学生時代の競泳チームの仲良し。

9月5日までエコー劇場で上演中なので、あまり詳しくは書かないけれど、若干のネタバレありです。

森沢さんが、リーダー的な仕切り屋。
息子と娘に関する心配事が絶えない重田さんは、毎回どこか大けがをしてやって来る。
元修道女、44歳の夏にいきなり(ある事情で)修道女を辞めて現れた真砂子さん。
自分を美しく保つための努力を惜しまない恋多き理加さん。
マティーニ好きな敏腕弁護士、薬師寺さん。

それぞれの生活に、それぞれの事情があるが、年に一度、ここへ集まることを何より大事にしている5人。

集まって何をするかというと、食べたり、飲んだり、喧嘩したり、泳いだり、お互いに気遣ったりする。

44歳の夏、49歳の夏、54歳の夏。

うまい女優さんばかり、そしていい年まわりの女優さんばかり、絶妙に揃えたものだ。
みごとにキャラがばっきり分かれている。
そして、それがそれぞれの女優さんの素に近い感じ。
これはうまく歩み寄ったケースなのか。

最終章、77歳の夏。
5人のうちの1人が欠けている。

54歳の夏の終わりに、それを予測させるエピソードは入るのだが、大方の予想通り、そのエピソードからの連想通りには展開しない。
なぜ? という人物が欠けている。

子どもたちのことでつらいことばかり経験して来て、それでもいつも元気に笑い飛ばしていた重田さんに痴呆の兆し。
彼女を世話しているのは理加さんだった。

周囲で3人の友人が、ガヤガヤ話している中で、ひとり時々ぼんやりうつろになってしまう重田さん。
実にリアルだった。

思い出のコテージは取り壊されるのだ。
でも、近くでまた別のコテージを借りる手配ができているらしい。

それを聞いた重田さんの台詞。

「よかった・・・。だって貴女たちのこと、好きになりそうなんだもの」

うわぁと声が出た。
ズキューンと胸を射抜かれた。

忘れ去った友人たちを、新しく好きになるなんて、なんて素敵なの。
泣かされた。

恋愛したり、結婚したり、離婚したりする。
生まれた子どもは育って行く。
変な方向へ曲がることもある。
結婚したりもする。
孫が生まれたりもする。
親を見送る。
配偶者を亡くす。
思わぬ病気をすることもある。
思わぬ人が早死にすることもある。
何もかも忘れてしまうこともある。

人生ってそういうものだ。
そして2幕4場の芝居に収まってしまうほど、本当にあっけない短いものだ。

これは若い時に観ても、実感が湧かない芝居かもしれない。

私は今日の出演者の女優さんたちと同世代。
いろいろ見えてきているのだ。

「また子どもを産みたいと思う?」
「もちろん。でも、今とは違う子がいいな」

そんな風に言わずにいられない母親の気持ちを私は知っている。

その彼女が最後に聞く。

「ねえ、私ってしあわせな人生を送ったのかしら?」

3人が顔を見合わせ、
「ええ、すばらしくしあわせな人生だったのよ」

なんという女優たちだろう。
全身に役柄のクリームが刷り込まれて、皮膚になっている。
人に芝居を観せるなら、こうでなくてはいけないよ。

うまい役者さんが好きだ。
本当にいい舞台でした。

9月5日まで、恵比寿エコー劇場にて。
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