銀の人魚の海

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シャッター・アイランド~謎解きといっても

2010-04-18 | 2010年鑑賞新作映画
今年になり6本目の新作、1か月以上ぶりに館へ。
先週は風邪気味だったので行かれず、前売りでアイランドらしき
キーホルダー付き、前ウリだとピカデリーはネット予約ができないのが不便だ。

前日、ネットで混んでいることがわかり、でもそれは、
多分満席ではない偽満席だと思いつつ行くと、そうだった。
8割の入りで満席表示。

レオは嫌いだが原作者とM・ラファロなので見てもいいかなと。

Mフォンシドーが脇で、妻はM・ウィリアムズ。

冒頭から、いかにもここは変なの、というムードを出すためか
不吉な音楽ががんがんかかるのは演出過剰。

こういうシーンは逆に静かにと私は思うが、
この映画全編、音楽がうるさかった。

マックスがマーラーを聴くシーンはいいが。

決して、ラストを話さないでください、と出る。

半分あたりで、そうか、とわかった。

舞台が1つのせいか映像も単調で眠たくなる感じ。

54年米の感じはよく出ていたと思うが、原作はどうなのか・・

レオは熱演しているつもりだろうが、かえって裏目に出ている気がした。
だから余計にネタばれてしまう。

ホン(未読)としては「ミスティックリバー」の方が断然いいだろう。


監督は、これを撮り何を一番いいたかったのか。
それとも単なるミステリー娯楽として?
その辺がわからない。

当時の精神疾患者の酷い扱い、今はないロボトミー治療への考え?
人生とはこんな波乱もある?

レオという男優をわざわざ使い、精神系ミステリーだけ?

精神系で何か主張があったのか?それが伝わらないし
むしろ、この鬱などが増えてる現代、偏見、誤解を生む感じを受ける。


ここからネタばれ。


彼が2年間投与されていた薬「クロルプロマジン」は
世界初の抗精神病薬(メジャートランキライザー)
で52年から治療に使用されている。

54年だから彼は初期から投与されていたわけになる。

幻覚、妄想に効く。
抗ヒスタミン薬から生まれた薬で、統合失調症の薬に使用する。
行動を見ると彼も、そうなのだろう。

精神疾患の病名は、医師でも経過を見て変える、他の医師だと違う病名になるなど
つけにくい、違いはよくある話。
素人の私の考えだが、映像を見るとそう思う。

彼の手が震えるなどは副作用。

妻がうつ病というセリフがあったが、それは違うと思う。

あの妻も統合失調系の病、例えば、統合失調感情障害?とか言う病名もあるので
統合系の何かだと思うが、妻が出る映像が彼の視点からだとすれば
他の病気かとも言える。

ただ、鬱病で子供を3人も殺すは99%ないはず。
あるとしたら無理心中、それもぎりぎりで失敗するなど。

殺人は凄いエネルギーが必要。まして母親が子供を3人を溺死は
相当な体力、気力が必要だ。

鬱は酷くなると、トイレにも行けない、食べられないとなり入院、点滴になる。
ふつうは殺人へは向かわない。
自殺へ向かうのは、ある程度は改善されている鬱患者だ。
自殺だって力が必要だから。

妻は何か他の疾患か依存症だろう。

その辺り原作はどうかと思ったが、物語のポイントになるので大事なことだ。
子供が死ななければ彼は、病気にならなかったと思うから。

原作はどうあれ、映像なので妻の真実の姿をしっかり入れてほしかったな。

精神医療系の本は20年位前から、医学書を含め数十冊は読んでいる。

病名はともかく、もう少し丁寧な映像化がほしい。
入院している他の患者の様子なども、もっとあればと思う。

世界的に50年代初めは、ロボトミー手術が流行した頃だと読んでいる。

米に限らず、だから、彼が、その方向へ行くは、仕方がない面もある。

J・ラング主演の映画「女優フランシス」は、確か、統合失調の女優が
手術を受けた物語だった。

物語としては全く違い成功をおさめた数学者J・ナッシュも
統合失調。晩年、ノーベル賞を受賞する。
「ビューティフルマインド」として映画化された。

ここでJ・コネリー妻は、確か手術をすることか、電気療法
を反対したような気もする。時代はいつ頃だったか?
これは原作も後で読んだ。

今はもうとっくにない、この残酷な手術療法を今更映像にして、どうなのよ?
という興ざめ感も持った。

今の精神医療との落差を描いているわけでもないので
これは「ミスティックリバー」のルヘイン原作を、
ただ撮りたかった、でいいのだろう、か?監督さん?

スコセッシ、昔の方がずっとうまかったな~
だんだん、落ちてる

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2 コメント

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原作がまた (ヤマ)
2010-04-29 20:47:12
どうやら2000年の作品のようです。
アリエルさんがお書きになっているように、
なぜ今、ロボトミー手術のことを
こういう形で取り上げようとしたのでしょうね。
僕は原作を未読ですが、
映画が原作の趣旨を反映しているのなら、
ちょっと嫌な感じがします。
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Unknown (アリエル)
2010-05-04 14:18:40
2000年ですか!
原作は私も未読ですが、映画とは違っているのかもしれません。
原作者ルヘインの「ミスティックリバー」を夢中で読んだので見ましたが・・
友人の精神科医も、これを見て、ミクシイに「偏見などが~という感想を書いています。

単なるミステリー娯楽、謎解きと割り切れないところがありますね。

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