イサク・ディネセン著。映画「愛と哀しみの果て」を再見、10月12日感想アップ。
原作を読みたいと借りた。全集の中の1冊。
420ページ、改行少なくぎっしりなので、斜め読み半分くらいしか読んでいない。
原作はどうだろうと・・1914年、デンマークからケニア高地へ移住した女性、
後に作家になる著者。52歳の時の執筆した本。
1885年デンマークコペンハーゲンの北生まれ、名家出身。
29歳でアフリカ大陸へ渡航、ケニアで結婚。
親類の出資でコーヒー園を始める。第一次大戦始まる。33歳でデニスと出会う。
40歳で離婚。梅毒感染で子供は産めなかった。
46歳でデンマークへ戻る。作家として活動。
74歳、アメリカから招かれ4か月滞在した。77歳死去。
映画では、カレン役(イサク自身)をメリルが演じた。
アフリカの日常が、とても詳しく書かれた
リアルタイム日記のようでもあり、詩のような部分もある独特な小説だった。
現地の民族、ソマリ、マサイ、キクユ族のこと。彼らと白人との違い
現地の慣習などが、事細かに書かれている。
マサイ族の妻は子供をうまない、とあるが本当か?宗教ももたず不潔。
ソマリ族は清潔など部族につき、彼らの会話もかなりある。
レッドフォード演じたデニスは、本、半分くらいでやっと登場。
英国の伯爵の次男。22歳でアフリカに来て、サファリの企画などをしていた。
彼が訪ねてくると、二人は夜遅くまで話した。のちにカレンの家が
住まいになる。デニスは気ままな暮らしをしている。
映画同様、二人で飛行機遊びを散々楽しみ、デニスは突然墜落事故死する。
デニスの友人、バークレイの事は、10ページ以内、先に登場する。
彼は一番長くアフリカにいた。映画同様、病死する。
映画のライオンシーン、同じ感じもある。
あらゆる動物、植物との出会いも詳細に書かれている。
昆虫、イナゴの集団が畑の何もかもを食べつくし困窮するなど、
現在のアフリカのバッタと同じ光景が浮かんだ。
1回、大きな地震が起こり、現地の人の小屋が倒れたとある。
自分の家は何ともなかったようなので、震度4~5くらいか・・
地震は初めての経験で、驚きとともに、地球の動きに感動したような
書かれ方!日本の地震の多さ、悲劇を知らないと、こう表現かと感じた。
夫の事はあまり書かれていない。夫は貴族、恋愛ではないような関係だった。
夫は女遊びで梅毒にかかり、映画ではカレンも夫からうつされたエピソードが
あるが、本ではなかったと思う。
17年ケニアで暮らしたが、デンマークへは、その間、何回か帰国している。
コーヒーはケニアの高地では栽培しにくく、苦労が多かった。
先日書いた、コーヒーベルトにケニアは入っていたが、高地なので
簡単ではなく、その損失、デニスの死などで、アフリカをさる事になった。
部族宗教についてなと、しっかり読み込むとアフリカ大陸の存在が
しみつくような小説と思った。