評価
284年から21年間統治する皇帝ディオクレティアヌスからのローマは、アウグストゥスが始めた元首政から絶対君主政へと移行する。皇帝の地位の安定のための政体を始めたディオクレティアヌスは増税による軍事力の増強を図り、二頭政を経て、帝国を東西に分け、それぞれに正副皇帝を置くとした四頭政を始める。
<東方>正帝:ディオクレティアヌス 副帝:ガレリウス
<西方>正帝:マクシミアヌス 副帝:コンスタンティウス・クロルス
帝政前期の皇帝たちが取り組まなかった数々の政策に果敢に取り組んだディオクレティアヌスではあったが、軍機構と官僚機構の分離は構成員の増加を招き、その穴埋めとして人頭税などの税制改革及びインフレへの対処として史上初の統制経済も導入せざるを得なかったのである。
キリスト教徒との軋轢も増す中、ディオクレティアヌスは、305年、自ら退位を表明した上で第2次四頭政に後を託すこととなる。