読書
不治の病(グレゴリウス症候群)で病床にいる「宮本時生(ときお)」は最期の時をむかえようとしていた。その時、父・拓実、母・麗子は今から23年前に出会った青年・トキオのことを思い出す。拓実はトキオとともに行方不明となった彼女(千鶴子)を探し回り、麗子はトキオの忠告でトンネル火災事故の難から逃れたのだった。どこまでも深い親子の絆、そんな過去と未来をつなぐ物語。
定職につかず職を転々とするくだらない若者だった拓実の前から消えた千鶴子には政財界を巻き込んだ収賄事件がからんでいた。拓実の出生の秘密を織り交ぜながら、彼女探しが延々と続くのだが、ミステリー性や謎解き性はかなり希薄で収賄事件も海外から高額な商品を密輸して賄賂に使ったというチンケな内容(笑)。でも、ページをめくる手が止められないのが東野圭吾の凄さ!としか言いようがない!先が知りたくてついつい何時間も読んでしまう魔力。「あ~また、してやられたな~」って感じです。