さてそれで ・50・ホーキング放射、シュテファン・ボルツマンの法則、および統一 によればSteven B. Giddingsさんは「ホーキング放射は、ブラックホールの地平線の小さな領域からではなく、シュワルツシルトブラックホールの地平線の外側のRに匹敵するrの範囲(大気と呼ばれることもあります)から発生する」と主張しています。
それは具体的には「シュワルツシルト半径Rsから始まって(但しホライズンそのもの:その場所は含まずに)Ra=3*sqrt(3)/2*シュワルツシルト半径=2.5981*シュワルツシルト半径つまりシュワルツシルト半径の約2.6倍の位置までの空間である」としています。
さてこの議論はどこかで聞いたことがありました。ダークマター・ホーキングさんが考えたこと・13~16・ホーキング放射のシミュレーション(1~4)で行っていた議論と重なります。
Giddingsさんもシュテファン=ボルツマン則を出発点として考える事で上記の「Ra=3*sqrt(3)/2*シュワルツシルト半径」を導き出しました。
そうして当方の議論ではその値は「シュワルツシルト半径の3倍まで取れば十分である」と言うように結論を出した部分に相当します。この部分、詳細は以下を参照願います。
そこから以下の数値を持ってきます。
積分範囲1から2では 0.10124
積分範囲1から3では 0.10179
積分範囲1から無限では 0.10183
積分は発散ぜず、ホライズンからホライズン半径の2倍、X=3まで層を積み重ねれば十分である事が分かります。
Giddingsさんの検討では「Ra=3*sqrt(3)/2*シュワルツシルト半径=2.5981*シュワルツシルト半径」つまりX=2.5981まで層を積み重ねればよい、としています。
ここでWolfram|Alphaさんの出番です。<--リンク
「微積分と解析 」を選んで「定積分」に行きましょう。
クリックすると何やら出てきます。
積分範囲と式(1/X^6)(1-sqrt(X^2-1)/X)を入力(コピペ)しましょう。
少々苦労するやもしれませんが、頑張ってみて下さい。
積分範囲1から2.5981で 0.101733 を得ます。
この値は無限まで積分した場合の99.905%に相当し、Giddingsさんは「これでよし」とされたものと思われます。
当方の検討では次のステップとして「エネルギーと存在時間の不確定性関係を考慮すると、、、」と続きますが、Giddingsさんの検討では一応ここで終了となっています。
まあそういう訳で、「Giddingsさんの主張と当方の主張は一致していたという事が確認できた」という事になります。(注1)
注1:Giddingsさんの論文を真面目に理解するには引用文献まで含めての読み込みが必要な様であります。そうであれば、どなたかその様にして解読され論文の簡略な説明をしていただける事を期待しています。
・・・とまあそうなのではありますが「どうやら全く異なるアプローチの仕方で同一の回答にたどり着いた」と、そういう事の様であります。
追記:「ダークマター・ホーキングさんが考えたこと・13~16・ホーキング放射のシミュレーション(1~4)」には以下の目次から入れます。
・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧<--リンク
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