宇宙論、ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論

ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論 etc etc

ダークマター・ホーキングさんが考えたこと・前書きと要約みたいなもの(第一部)

2019-05-09 09:00:39 | 日記
「ダークマター・ホーキングさんが考えたこと」シリーズ、こんなに長くなるとは思っておりませんでした。
そういう意味では「要約」も必要になってくるのでしょうね。
まあしかし「前書きは前書き」ですから、少々くだけた事を書かせていただきます。

そうして、現状の一応の結論が
「23・BH(ブラックホール)は消滅可能なのか?」と
「24・BH(ブラックホール)は消滅可能なのか?(2)」
にまとまっています。(2019/5/7現在)

・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧<--リンク
お急ぎの方はそちらからご覧いただければと思います。


第一部:概論(0~9章、12章)

0・「ダークマター」の正体に迫れるか? 宇宙の謎を巡る研究に方向転換の動き

この記事を読んで「原始ブラックホールがダークマターの主な要素にはなれない」という主張に「いやそれは違うだろう」とどういう訳かそのように思い込み、「それではなぜ違うと思うのか、それを調べましょう」という事でこのシリーズが始まりました。
そして、この時点ですでに「ダークマターの正体はプランクスケールのBHだな」と思っていた様です。
一応ホーキング放射についてのそれなりの情報はもっていましたので、「BHがホーキング放射を出して、最後にはこの世から消え失せる」というのはおかしな話だ、という印象はありました。

ここの書き方は正確ではありませんね。
この件を考え始めるまでは「そうか、BHはホーキング放射で消えてなくなるのか」と、確かに思っておりましたから。

1・小さなBHは本当に消えたのか?

ここではダークマター探索をやっておられる方々の資料をそれなりに見させてもらいました。
いずれの資料でも「ちいさなBHはすでに蒸発しているので、もはや考慮する必要はない」が結論でした。
そうして、そのようなスタンスは現在も継続中、「その業界ではそれが常識」の様であります。

それで、ここの章での当方の結論は
「最終的にマイクロBHに飛び込めるのは光子かニュートリノだな」というものになります。

2・ホーキング放射のメカニズム

いやいや、びっくりしました。
『この結果、生成消滅演算子も、空間が平らでないと、形を変えます。 
空間が曲がっているときの消滅演算子をa'とすると
a'=αa-βa†
というように、ボゴリューボフ変換で結ばれます。』

こんな難しい事をホーキングさんは最初にやられた、と。
そうしてそれは我々が今まで聞いていた「ホーキング放射のメカニズムの説明」とは相当に解離があるものでした。

それで、ここの章での当方の結論は
「従来のBH寿命の計算の仕方に問題がありそうだ。」というものと、
「マイクロBHの直径がプランク長LpになったところでこのBHは安定するな。」というものです。

3・熱暴走するBH

寿命計算がらみの事で、一応整理をしてみた・・・つもりの様ですが、今から見ると「あっちに行ったりこっちにきたり」でしたね。

ここの章での当方の結論は
「ホーキング放射を出す層の厚みをまじめに考えないといけないのでは、、、」というものです。
それをせずに「黒体と見なせるからあとは従来の方法で扱えばOK」というのはいかにも「手抜きであろう」と。

4・不確定性原理と仮想粒子の対生成

時間とエネルギーの不確定性で仮想粒子が対生成される。
そのうちの片方がBHに飛び込むと他方がホーキング放射として観測される。
エネルギー保存則から、ホーキング放射された分のエネルギーがBHからなくなり、その分BHの質量が減る。
そうやって最終的に質量がゼロになりこの世界から姿を消す、というストーリーのおさらいでした。

しかしながら、このストーリーの一番最後の所、最後の最後にBHに飛び込んだ仮想粒子が持っていた運動量の事を皆さんお忘れの様です、というのがここでの結論でした。
それはつまり
「マイクロBHの直径がプランク長LpになったところがこのBHの安定点だな。」という様な制限をつけなくても、本来、BHは蒸発などできないしろものである、消えてなくなる事はない、という事であります。

この結論は衝撃的でした。
そうして、よく考えてみれば「もっともな話」なのでありました。
ホーキング放射というものは単なる黒体輻射のように、エネルギー収支だけを考えればそれでお終い、というような現象ではなかった、という事であります。

そして「BHというものはどっしりと構えており、ホーキング放射ごときであちこち動き回るようなものでは無い」と言われる方は少々早い様ですが「21・BH(ブラックホール)が質量を減らす方法(2)」を参照願います。
そこではホーキング放射を出したBHがその反動で動き出す様子が計算されております。

さてここでは以上の事に加えて「ホーキング放射が起きる粒子の放出層の厚み」についてもその事を考える手がかりを得ています。(ここまで、平成最後の日に記述)

追伸
面白いなあ、と思う事は「BHが蒸発する」という事に対して量子論からは「情報消失問題」としてこれを取り上げて「大問題だ」と言っています。
これはつまり「情報さえ消えなければBHが消えてしまっても別に問題ではない」という事でもあります。
そうでありますから、「情報消失は大変だ」と多くの人は言っていますが、「BH消失は大変だ」とは、どなたも言ってはいないのです。

そうして、それらの方々はBHが持っている「運動量という情報のこと」は眼中にはないようであります。
その運動量はBH質量と同じように当該BHが過ごしてきた歴史の積み重ねの結果でありますから、当然の事ながら尊重される必要があります。
そうでありますから、「この世からBHを消す」というのであればその質量はゼロに戻し、そうしてまた同時にその運動量もゼロに戻さなくてはなりません。
そのようにできれば「BHは消えた」と言えるでありましょう。
しかしながら「ホーキング放射にはそのような芸当は無理」というのが、当方の見立てであります。

少し表現が足りない所がありました。
上の文章で主張している事は「この世界には同じBHは一つも存在しない」、「存在しているBHはどれもユニークである」という事であります。
仮に「同じ質量をもったBHがたまたま2つ誕生した」としてもそれぞれが一回、ホーキング放射を出せばそれで質量が異なり、持っている運動量が異なる事になります。

そうしてその結果、それぞれのBHの質量や運動量は量子化されることはなくどこまでもアナログでありましょうから、たとえば「目の前にあるマイクロBHの質量はいくつか?」と聞かれたら、無限に数値を並べる事になるでしょう。
その事は結局「目の前のマイクロBHが持っている質量をちょうど打ち消すようなエネルギーの仮想粒子を準備する事は出来ない」という事でもあります。
そしてそのような事(マイクロBHの質量をちょうどゼロにできるような仮想粒子の発生)がホーキング放射で起きる確率は1/無限大となると思われます。
(このあたりの状況が、反粒子を持ってきてぶつければ対消滅してしまう物質粒子と、そのような事ができないBHとの大きな違いになる様です。)

追記(2019/5/6)
上記議論の続きは
「23・BH(ブラックホール)は消滅可能なのか?」と
「24・BH(ブラックホール)は消滅可能なのか?(2)」で行われ、
一応の結論まで到達しました。

議論内容詳細につきましては
・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧<--リンク
から該当記事に入れますので、記事内容にてご確認願います。

5・プランクスケールBHの最終形態

いよいよプランクスケールのBHの登場になります。
そして不思議な事にこのスケールのBHは「紙クズ・ゴミ・ほこり」ぐらいの重量なのですよ。
そのような質量でもBHでいられる、というのがまずは驚きであります。
そうして、何時も自然はそうやって我々を驚かせてくれるのでありました。

ここでの結論
「0<最終BH質量<Mp/4という範囲に落ち着くであろう」
「その範囲がダークマターの質量範囲である」という事になります。

6・その後のBHの運命

一応前回でマイクロBHは安定状態に達したのですが、実はまだその先の運命がこのBHには待っていた、というお話です。

「4・不確定性原理と仮想粒子の対生成」で議論したような手順でホーキング放射の際に「真空とBHがエネルギーのやり取りをする」という話と、「BHの質量をきっちりとゼロにするような仮想粒子のBHへの飛込みはありえない、そこでは必ず過不足が生じるであろう」と言う話を合わせて考えますと、このBHは必然的に、最終的には「マイナス質量をもつBHへと進化せざるを得ないだろう」という結論に導かれます。

そうしてそれはダークマターと並んで我々が探し求めているダークエネルギーの正体であろう、というのがここでの結論となります。

このストーリーのすごい所は「ホーキング放射という一つのプロセスとマイクロBHという一つの存在からダークマターとダークエネルギーが自然に、自動的に出てくる」という所にあり、まさに「自然は巧みである」という話に合致する状況がこのストーリーにはあります。

そうでありますから「とんでも理論だ」と一言で片づけるには「あまりにも美しすぎる話である」と、思いついた時にはそのように感じたものでした。

7・ダークマターの直接観測

天の川銀河にも大量のダークマターが存在し、従って太陽系、そうして実は地球もダークマターの海の中という事になります。
そうであれば地球上でもダークマターを観測できるはず、と考えてそれなりの探索がなされてきましたが、今のところは成果なし。
まあそんなこともあり、「マイクロBHがダークマターだ」と言い出す人も現れる訳であります。(私の事です。)

実際の所、地球ボリュームの中にはダークマターが500gr程は含まれるとか。
マイクロBHの質量が想定できますから、総数が計算出来て、その数からすると「小さな検出面積の検出方法ではなかなかみつからないだろうなあ」という状況がわかります。

ちなみに地球の公転速度が毎秒30Km、銀河の腕のなかで太陽系が銀河中心の周りをまわっている速度が毎秒200Km、そういうわけで地球上では毎秒200km程度でダークマターがぶっ飛んでいる、そういう事の様であります。

さてこのページでの結論は、「地上での直接観測はダークマターがマイクロBHだとするととてもむつかしいものになる」という事であります。

8・BH(ブラックホール)は熱いのか?

どなたが言い出したのかは知りませんが「BH蒸発」とはうまい事を言ったものです。
蒸発、というコトバで「跡形もなく消え去る」というイメージが読者に植え付けられます。
その結果は「BH消滅という仮説に対して我々は疑問を持たなくなる」という事になります。

9・ダークエネルギー優位に至るまでの宇宙展開の歴史

『宇宙は減速膨張から加速膨張へ 66.2億年前に移行し、現在では宇宙のエネルギーの72.9%(観測誤差1.4%)を暗黒エネルギーが占めていることが測定されている。』

こんな風に言われています。
それで「マイクロBHがマイナス質量のBHへジャンプし、それがダークエネルギーの正体であるとしたら、いったいどういう計算になるのかな?」という事で計算してみたらこうなった、という記事です。
まあとりあえずは大きな矛盾はなさそうなので、「ダークエネルギーはマイナス質量のBHでそれはダークマターが姿をかえたもの」という主張は継続してもいいのかな、という結果の様に思われます。

(ここで話の都合により少しページが飛びます。)

12・マイナス質量のBHについて

「6・その後のBHの運命」で「自然は、宇宙はマイナス質量のBHを禁止してはいない」などとよく調べもせずに言ったものですから、ここで改めて調べてみました、という内容です。
まあその結果は、といいますと「シュワルツシルト解はBHの質量Mがマイナスである事を禁止してはいない」と言う様に個人的には理解できました。
そしてマイナス質量のBHの作り方まではシュワルツシルト解は教えてはくれませんが、しかしながら、通常の「星の重力崩壊」や「宇宙初期でのPBHの生成」のような作り方では無理である事はシュワルツシルト解から予想できる事であります。


以降の章は第2部に続く予定です。

以下、第2部の内容でのCDM(コールドダークマター)についての一応の結論となります。
『・・・上記内容のお話は「ダークマターと宇宙論」という事で、ページを改めて続く事になります。
そうしてまずは
・フリードマン方程式とそのグラフ
http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=2664#post_id17208
から宇宙論の話が始まります。

さてそれで、ここまでの議論から想定されます事は、「ダークマターとしてのプランクスケールのブラックホールは宇宙の始まりに大量に作られたであろう」という事であります。

そうして、それらのブラックホールは誕生当初からすでにプランクスケールであって、一回~数回、ホーキング放射をしたか、あるいは誕生して今までホーキング放射を一度もしていない、その様な存在であろうと思われます。

その様なものがCDM(コールドダークマター)として宇宙の進化に貢献してきたのであろう、というのが当方の主張する所となります。

http://archive.fo/m1HUy

追記
その後の検討によりますと、
『プランクスケールの原始ブラックホールであって、誕生して今までホーキング放射を一度もしていないものが、CDM(コールドダークマター)の候補としてベストであろう』
という事になります。
http://archive.fo/wrGYM

以上、第2部内容の予告として掲示しておきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
http://archive.fo/eLUmb
http://archive.fo/zuSoS
http://archive.fo/bX8GH
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