■□■Mayumi Sekizawa Official Blog■□■

マリンバ奏者、関澤真由美の公式ブログです。www.mayumisekizawa.com

Happy Tachyons

2005年04月18日 | Weblog
今度のリサイタルで演奏する曲名です。演奏家にとって作品のタイトルは、イマジネーションを広げるのにかなり重要な役割を担っています。(少なくとも私にとっては)。作曲家によっては、作曲後に作品の題名をつける人もいますし、題名と作品の繋がりにそれほど重要性を要求しない作曲家もおりますが、全く関係のない題名を付けるということはあまり無いんじゃないでしょうか。(ですよね?作曲家の皆様)
さて、イマジネーションを広げる為ならどこまでも頑張れる私。必要であれば絵まで描いてしまったときもあります。ホントは見たくない血だらけホラー映画を、演奏のためならとコンサート前日に頑張って鑑賞したことも。

今回のこの作品。「ハッピー・タキオンズ」と読みます。ハッピーはいいけど、タキオンズって?これは複数で、実際にはタキオン。タキオンは物理学の分野の言葉で、アメリカのファインバーグ博士によって提唱された「超光速粒子」のことだそうです。光の速さよりも速いと仮定されている粒子・・・しかもどんなに遅くなっても光速より下回ることは無く、エネルギーを失うほど速度は加速するとの事。更に調べていくと、光速というのは一定で、速さが光速に近づくと時間が縮まり、光速と同じになると静止し、光速より超えると時間は逆行するとのこと。だからもしこの世に「超光速粒子タキオン」が存在するならば、過去へのタイムトラベルができるかも?とここまで来ると物理学知識の無い私にとってはもうSFの世界です。すでに作品のタイトルについてではなく、時空間への興味がムクムク。「因果律」って?「ウラシマ効果」って?興味は果てしなく広がります。楽しくなってきたぞ。

でも実際はというと、作曲家がこの作品を作曲していた時は、もうすぐ奥さんに赤ちゃんが生まれる時だったらしく、幸せが超加速していたらしいんですね。だから、光速より速い幸せな粒子が飛びまくってこんな曲できました、みたいな感じでしょうか。わからないけど。

作曲家も、演奏家がこんな風にいろいろ調べることはきっと期待してないかもしれませんが(え?それより練習しろって?)私にとっては、作品を作り上げる過程の一つなんです。かなり自己満足的ですが。

曲はですねー。ものすごっっっく速いです。「っ」の数をもっとつけ足したいくらいです。音符の単位も細かい!しかもピアノパートとほぼユニゾン。
イマジネーションを膨らませて、練習も頑張らなければ。