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Matthewの映画日記?

Matthewの独断と偏見に満ちたお気楽日記

犯罪小説家 / グレッグ・ハーウィッツ

2010-03-17 17:59:04 | '10 読書
新刊本の棚にあった「犯罪小説家」、、目が覚めたら殺人犯になっていたの帯文字にひかれ、読みました。

犯罪小説家 (ヴィレッジブックス)

グレッグ ・ハーウィッツ

ヴィレッジブックス

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あらすじは

それなりに著書も売れている犯罪小説家アンドリュー(ドリュー)・ダナー。彼が目を覚ましたのは、病院のベッドの上だった。ベッドの傍らに、医師や看護師のほかに、男が椅子に腰掛け、何かを手に持っていた。点滴のチューブごと腕を持ちあげ、うずく頭の部分に触ると、髪の毛ではなく、盛り上がった縫い目の感触を感じた。そのまま、腕を下ろすとき、自分の手の爪の中が、黒く汚れているのが目に入った。「僕の身に、何が起こったのか?」「生き埋めにでもされたのか?」そんなことを考えていたドリューの横で、先ほど男が手にしていたものを裏返した。最初は、なにか分からなかったが、それは女性の胴のクローズ・アップ写真。現場写真だった。先ほど見た、自分の爪の汚れをもう一度見ると、それは赤みがかっていた。胃の中身が喉元にこみあげてきたが、「それは、誰ですか?」と尋ねると、男は「お前の元婚約者だ」と言った。そして「だ、だれが、そんなことを・・・」という僕の言葉に、「おまえだよ」と言うのだった。

僕は、警察が現場に到着したときに、血を流す元婚約者の上に、包丁を持ちながら倒れこんでいたらしい。そして、僕は、脳腫瘍があり、危機的状況だったので、そのまま脳腫瘍除去の緊急手術が行われたのだそうだ。僕は、元婚約者殺害の罪で立件されたが、脳腫瘍による心神耗弱の上の犯行ということで、無罪放免となった。自分では、「彼女を殺すはずがない。殺したはずがない。」と思っているのだが、脳腫瘍除去手術の影響なのか、まさに、事件の時の僕の記憶は、失われていた。僕は、自分も信じられなくなってきていたが、親友シック、担当編集者であるプレストンの助言により、失われた記憶を呼び覚ますため、自分の事件について調べ始め、自分の出来ることとして、書きはじめた・・・



またまた、初めて読む作家さんでしたが、この作品、面白かったです。
強い伏線が、張られているにもかかわらず、犯人については、最後になるまで、わかりませんでした。
作品としては、悲しい結末ではありましたが、読後感は、良かったです。

事件を調べる主人公の犯罪小説家と、小説を書く上で、取材協力という形で携わった刑事や鑑識、自身の小説キャラを演じた俳優や編集者など、その道のエキスパートの姿が、とても人間臭く描かれていて、小説の舞台裏も見られるようで、とても楽しい作品でした。


ER襲撃 (ヴィレッジブックス)

グレッグ ハーウィッツ

ヴィレッジブックス


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処刑者たち〈上〉 (ヴィレッジブックス)

グレッグ ハーウィッツ

ヴィレッジブックス


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処刑者たち〈下〉 (ヴィレッジブックス)

グレッグ ハーウィッツ

ヴィレッジブックス


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憑流 / 明野 照葉

2010-03-09 18:37:26 | '10 読書
本屋で、本の帯に書かれた「どうしても、あの人のことが、気に入らない」の文字に、手に取ってしまった明野照葉さんの『憑流』を読みました。

憑流(hyoryu) (文春文庫)
明野 照葉
文藝春秋


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あらすじは、

東京・麻布に広大な土地屋敷を持つ名家 朝比奈家。その家の長男・幸宏が見初めた女性・苑香。彼女は、とても美しく、いまどき珍しいくらいの慎ましやかで大人しくすれたところなどもなく、かといって、人から妬みを買うようなこともない完璧な女性だった。しかし、幸宏の妹・真希は、彼女に対して、なんとも言えないものを感じるのだった。そんな折、幸宏と苑香の結婚が決まると、80才を過ぎてなお、かくしゃくとしていた祖母・加奈が、突然、原因不明の病に倒れてしまった。そして、二人の結婚式当日には、昔から朝比奈家に勤める使用人の鈴本が、事故を起こしてしまう。その鈴本からの電話を受けた真希だったが、鈴本は「大奥様の言いつけを守らなかったから、バチがあたったんだ・・・」と、意外な言葉を発して、携帯を切ってしまった。「おばあちゃまの言いつけとは何だったのか?」
結婚を無事に終えた二人を見ることなく、祖母・加奈は、息を引き取ってしまう。それは、朝比奈家を襲う災厄の始まりだった。
祖母が、死ぬ直前、うわ言に発していた「蛇・・・蛇・・」とは・・・




明野 照葉さんも、初めて読んだ作家さんです。
2000年に松本清張賞も受賞している作家さんらしいです。

この作品は、ミステリー作品かと思って購入したんですが、ジャンルとしてはオカルト色(ホラー?)が強かったです。
まぁ、そんなに怖くはなかったですけど、読後感は、とても嫌な気分でした。

「えぇー、救われないのかよ~」って感じです。

良くあるといえば、良くあるパターンですが、妹の真希が、けっこうしっかり動いていたので、「めでたし、めでたし」で終わるのかと思ったら、二重三重の罠が仕掛けられていて、少しガッカリというか、作家さんに、してやられた感じです。
ただ、ストーリーはオカルト色が強かったですが、惹きこまれて一気に読んでしまいました。


↓ 明野照葉さんの松本清張賞、受賞作品です。
輪(RINKAI)廻 文春文庫
明野 照葉
文藝春秋


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完全なる沈黙 / ロバート・ローテンバーグ

2010-03-03 00:23:58 | '10 読書
完全なる沈黙(ハヤカワ・ミステリ文庫)

ロバート・ローテンバーグ,Robert Rotenberg
早川書房


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あらすじは

「カナダで知らぬ者はいない」と言うほど有名な朝のラジオ番組の超人気司会者ケヴィン・ブレース。その彼の自宅で、殺人事件が起きた。被害者は、彼の内縁の妻キャサリーン・トーン。第一発見者は、新聞配達人でインド人のガディル・シン。
ケヴィン・ブレースは、「彼女を死なせた。ミスター・シン」「彼女を死なせてしまった」とガディル・シンに話したきり、口を閉ざしてしまった。
ケヴィン・ブレースに弁護を頼まれたナンシー・パリッシュが、面会に行ったときにも、彼は一言も口を利かず、筆記で「黙秘権を行使する」と伝えるのだった。
圧倒的に、不利な状況で、口を利かないのはどういうことなのか、尋ねても、ケヴィン・ブレースは黙秘を続けた。
何よりも、話すことが好きな彼が、黙秘を続ける。
それは、なぜなのか?事件には、まだなにか秘密が隠されているのか?
ケヴィン・ブレースが、黙秘を続ける中、殺人課の優秀な刑事アリ・グリーンと熱血的なダニエル・ケニコット巡査の捜査によって、この事件の真相が、暴かれていく・・・



感想は、とても面白かったです。
登場人物の描写が上手いのと、ストーリーも結構、一筋縄で行かなかったのが良かったです。
読み進めているときには、思いませんでしたが、いまこうして感想を書きながら考えると、ちょっと出来すぎだったかなという感じはします。
事件の真相に辿り着くためのヒラメキが、読んでいたときには思いませんでしたが、簡単に思い当たっていた風に感じました。
それでも、作者の処女作ということで、今後に期待かもしれません。

今回の舞台は、カナダのトロントだったのですが、その中に、アイスホッケーのリーグ戦に熱くなるトロント市民の描写があり、トロントのアイスホッケーチームが優勝した際の、サポーターたちの描写が、まんま、バンクーバー五輪のアイスホッケーチーム金メダル獲得後のカナダ国民の姿そのもので、ちょっと苦笑いです。書かれている台詞も同じ(チーム名を変えれば)で、タイムリー過ぎますね。

この作品は、登場人物たちが、それぞれ移民2世だったりして、国籍はカナダですが、インド人に、ユダヤ人、中国人に、チリ人と、カナダもアメリカに劣らず、人種の坩堝なのだと感じました。
オリンピックの会場を見ても、現地の人ばかりではないでしょうが、アジア系が多かった気がします。
今回の大会は、選手の中にも、○○系2世や3世、日本人なのに別国籍で出場と、世界が変わったなぁと考える、きっかけをくれた作品でした。


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ブレイブ・ストーリー / 宮部みゆき

2010-02-13 17:48:02 | '10 読書
ブレイブ・ストーリー(上)
宮部 みゆき
角川書店


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ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)
宮部 みゆき
角川書店


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ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)
宮部 みゆき
角川書店


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先日、宮部みゆきさんの蒲生邸事件を貸してくれた知人から、ブレイブ・ストーリーも借りていたのですが、読み終わりました。

あらすじは、

十年に一度だけ開く“要御扉(かなめのみとびら)”を通り、“幻界(ヴィジョン)”へと、自分の運命を変えようと強く心に願いを秘め、“現界(うつしよ)”から来た“ミツル”と“ワタル”の少年2人は、“幻界(ヴィジョン)”で、“旅人”となり、自分の願いを一つだけ叶えてくれるという女神のいる運命の塔に辿り着くために、宝玉を集める旅へと出る。
何事にも動じず、自分の願いのためだけに独り猛進する“ミツル”、恐れ哀しみ、けれども、温かい仲間に支えられながら、旅を続ける“ワタル”。
二人の前には、“幻界(ヴィジョン)”でも、千年に一度の過酷な運命が待っていた。
運命の塔が出現したとき、二人は最後の試練で、自分たちを試される・・・




『ブレイブ・ストーリー』は、映画は観に行き、DVDもAqua Timesの歌う主題歌CD(コレがまた良い)も購入するほど好きな作品ですが、原作は未読でした。

ブレイブ ストーリー [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ


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決意の朝に
Aqua Timez,太志
ERJ


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(↑この曲聴くだけで、泣ける)

「ブレイブ・ストーリー」~オリジナル・サウンドトラック~

エピックレコードジャパン


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映画は、観た当時、いろんな方のレビューを読むと、「うまく映像化した」と言う人と、「原作を表現しきれていない」というような、賛否両論の作品でした。
確かに、自分も観たときに、原作は知らずとも、かなり、原作を端折っているのだろうなというシーン(旅の道中をいくつか切り取ったコマ)は、ありましたね。
それでも、今回、原作を読んだ自分は、映画の『ブレイブ・ストーリー』は、よく出来た作品だと思いました。
確かに、原作の方が、もっと現実的で、辛くて、残酷で、厳しくて、それらを身の内として、成長していく“ワタル”を表現していましたが、自分は、“ワタル”くらいの子供が観るなら、あのぐらいが、ちょうど良いと思いました。
映画版でも、「子供が観るにはキツい(理解しがたい?)かなぁ」と思い、どちらかというと、「大人向けに作られたアニメ映画だなぁ」と思ったからです。

原作を読むと、いまどきの子供は、“ミツル”のように、もっと大人(大人びている)という考えなのかもしれませんが、自分は、“ワタル”の“幻界(ヴィジョン)”での成長のように、身の丈にあった成長(?)で、ひとつひとつ大人になっていって欲しいと思います。
原作には、現在の大人が、子供の子供らしさを奪い、子供として扱っていない、子供が子供でいられないことへの、戒めも含んでいるのかもしれません。
身体は、大きくなろうとも、精神の成長が伴わずに、大人になってしまった子供が、現在の青少年犯罪や凶悪事件を、多数、引き起こしている気がするからです。

映画を観て読んだせいか、何度も泣かされるシーンがありました。
本を読んで泣くなんて、『指輪物語』を読んで以来です。
文章を読みながら、“ワタル”や“ミツル”、“キ・キーマ”や“ミーナ”などの登場人物のそれぞれの声が、映画で声優を務められていた方々の声で、頭の中で動いていました。
宮部みゆきさんの巧みな描写が、そのままに、頭の中に、思い描かれて、文を読みながら、新たな『ブレイブ・ストーリー』の映画を観ているようでした。

原作には、一切の妥協なく、現実に起こるであろう事実を嫌というほど、“ワタル”に突きつけ、“ワタル”を苦しめています。
そこに、「子供だから・・・」とかの加減というものは、ありません。
だけれども、“ワタル”の周りには、たくさんの優しい温かい仲間がいて、“ワタル”を助けてくれます。
願わくは、自分も“ワタル”を助けた温かい仲間たちのように、人に手を差し伸べられる人でありたいと、思いました。

『指輪物語』に劣るとも思えない、大満足な、長編ファンタジーでした。

ただ、原作のラストよりは、映画のラストのほうが良いと、自分は思いました。



文庫 新版 指輪物語 全10巻セット
J.R.R. トールキン
評論社


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蒲生邸事件 / 宮部 みゆき

2010-01-20 22:59:26 | '10 読書
蒲生邸事件 (文春文庫)
宮部 みゆき
文藝春秋


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宮部 みゆきさんの『蒲生邸事件』を、読みました。


あらすじは、

東京の大学入試に失敗してしまった孝史は、東京の予備校受験のため、2週間前の大学入試のときにも利用した“平河町一番ホテル”へと、再び訪れていた。
古びた冴えない小さな“平河町一番ホテル”。
そのホテルのエレベーター横の壁には、『旧蒲生邸』の写真と『陸軍大将 蒲生憲之』の肖像写真が、飾られていた。
そのホテルで、孝史は一人の男と出会う。
その男は、なんとも言えず、人を不快にさせる負のオーラを纏った様な、その男の周りには、常に影がかかっているような暗いイメージの男だった。
その男と出会った次ぐ日、何かの異変で、目を覚ました孝史は、火の気に包まれたホテル内にいた。
何とか、逃げようと試みたが、火の回りが速く、逃げ道を塞がれてしまった。
「俺は、死ぬ」と思ったそのとき、孝史の前に“あの男”が現れ、俺を助けてくれたのだが・・・



宮部みゆき作品の好きな知人に薦められて読み始めた『蒲生邸事件』ですが、最初の10Pぐらい読んで、“ある男”が登場したあたりで、その男の描写部分に、ちょっとホラーっぽい感じがして、惹きこまれずに、借りたその本を返そうとしたのですが、貸してくれた知人の「もうちょっと、読んでみなよ。面白いから」の一言に、「じゃあ、もう少し頑張って読んでみるよ」と続けて読み始めたら、確かに面白かったです。

登場人物の“ある男”には、特殊な能力があり、孝史は火事に包まれたホテルからの、その男との逃走の際に、その男の能力により、大変な経験をしてしまいます。
しかし、その経験が、孝史を「今日を精一杯に生きる」という、大きく成長させる物語でした。

登場人物も、とても個性的で、それぞれの登場人物の考え方や、発言や立ち居振る舞いなども、とても丁寧に描かれていて、一本の映画を見ているように、情景を思い描くことが出来て、とても楽しい作品でした。
登場人物、それぞれの考え方には、とても共感できるものでした。

登場人物の一人“貴之”が、「臆病に生き抜いてみせる」と言い放つ台詞があるのですが、人間なら誰しも感じる感情だと思います。
そんな貴之を、自分は臆病者だとは思いません。
自分が、貴之だったとしても、きっと同じに違いないと思います。
この“貴之”ひとりについても、とっても良く深く描かれていて、読み応えがありました。

孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社


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孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社


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