goo blog サービス終了のお知らせ 

Matthewの映画日記?

Matthewの独断と偏見に満ちたお気楽日記

女刑事の死 / ロス・トーマス

2010-05-10 18:00:08 | '10 読書
女刑事の死 (ハヤカワ文庫 HM (309-1))
ロス・トーマス
早川書房


このアイテムの詳細を見る



古本屋で見つけた小説です。


あらすじは

若い女刑事が、車の爆発により死亡した。爆発現場は、彼女の所有するアパートの前の通りだった。ワシントンで上院調査監視分科委員会で働く兄のベンジャミン(ベン)・ディルは、妹死亡の知らせを受け、葬儀のため帰郷するが、帰郷は葬儀のためだけではなく、自身の働く分科委員会からの密命も受けていた。帰郷したベンの前に、妹の友人で弁護士のアンナ・モード・シンジという女性が現れ、妹が高額の生命保険に入っていたことを知り、高額保険金の受取人はベンだといわれる。そして、一刑事の給料で購入できるはずもない不動産(アパート)を所有していたことも知る。両親亡きあと、兄妹二人きりの家族で、年の離れた妹とは、仲が良く手紙や電話のやり取りもして、お互いに気をかけていたのに、ベンの知らない顔をもつ妹を知り、殺害された妹の事件の真相を突き止めようと、事件を追うベンだったが、事件を追うほど、ベンが密命を帯びた案件と、妹の殺害事件は絡まっていく。妹は悪事に手をそめていたのか。そして、妹殺害の犯人は、一体、誰なのか・・・




感想は

この作品、発表年が1984年ということで、設定がもう過去の遺物ですね。電話は、まあ良いとして、兄妹間で手紙のやり取りって、E-mailの普及した現代では、ノスタルジックですね。しかし、この手紙という距離・時間差が、ラストを上手く締めています。
読みはじめは、殺害された妹の事件を追う兄の物語かと思いきや、どちらかというと、ベンの分科委員会からの密命の話が前面に出てきて、この話がどっちに進むんだろうと思いました。そして、妹の事件の真相を知ったあとの、ベンの行動(立場?)は、思いもよらないものでした。
ある意味、奥が深く、読ませる作品でした。


あとがきの作品説明によると、作者のロス・トーマスは、1926年に生まれ、1966年にデビューし、1995年に亡くなるまでに、25の長編を発表、16の作品が邦訳されているのだそうです。今作「女刑事の死」が邦訳された最後の作品らしいです。


blogram投票ボタン  ←よろしかったら、ポチッと!!


↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い


最後の吐息 / ジョージ ・D ・シューマン

2010-04-25 22:37:05 | '10 読書
最後の吐息 (ヴィレッジブックス)
ジョージ ・D ・シューマン
ヴィレッジブックス


このアイテムの詳細を見る



先日読んだ『遺伝子捜査官アレックス 復讐の傷痕』に引き続き、良い本が見つからなかったので、前作『18秒の遺言』の読んでいなかった続編、『最後の吐息』を読みました。


あらすじは、

盲目の美女シェリーには、特別な能力があった。その能力とは、死者の手に触れると、その死者の死ぬ前の18秒の記憶を読み取れるという不思議な能力だった。その能力を使い、数々の事件解明のため、捜査機関に協力してきたシェリーだったが、去年の夏にかかわった事件では、自分を捨てた母が殺害されたこと、病院に置き去りにされた事実。身元不明の父親。そして、自分を理解し、良き友人であり、最愛のジョン・ペインの死という、大きなショックを受け、極度の鬱状態に陥り、しばらく一線を退いていたのだが、恩人に頼まれ、3人の女性遺体発見現場に赴く。秘密裏に連れて来られたシェリーだったが、現場へ赴いたことがマスコミにバレて、注目を集め、不測の事態が起こってしまう。報道されたシェリーの能力を知り、自分の殺害した女性たちが、最後に何を見たのか、シェリーに興味を持ち始めた犯人は、新たな犯行現場から、シェリーに電話をかけて来て「被害者が死ぬ直前、何を考えていたのか、聞かせてくれ」というのだ。
その時の被害者を救うことは、出来なかったが、自分に関心を寄せる犯人から、次の犠牲者を出すまいと、立ち向かうシェリーだったが・・・


感想は

今回の事件は、ちょっとキモかった。ただ、犯人の生い立ちには、同情する(だからといって、許せるものではない)子供心に、そう決断してしまっても、しょうがなかったかもしれない。鬱状態になってしまったシェリーにも、同情する。人の死の間際を見てきたのだから、もっと酷いことだって、いくらだってあったと思うのですが、ただ、実際には盲目なので、その人の死に様(遺体の損壊状況)を見なくて済むから続けられたのかも。鬱状態が酷くなって、精神的に弱った時に、今まで読み取った死者の記憶がシェリーを襲ってくるが、鬱状態のなんのと言っている間もなく、事件に向かわざるを得ない状況に追い込まれて(まわりの助けもあったが)なんとか立ち直れそうになったので、ある意味、ショック療法になったのかもしれない。(命かかってたし)続編が、本国ではすでに2冊刊行されているようですので、この事件をきっかけに、また活動を始めたようですね。次作は、日本ではいつ、刊行されるのかなぁ。




第一作
18秒の遺言 (ヴィレッジブックス)
ジョージ・D. シューマン
ヴィレッジブックス


このアイテムの詳細を見る



blogram投票ボタン  ←よろしかったら、ポチッと!!

↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!

素晴らしい すごい とても良い 良い

遺伝子捜査官アレックス 復讐の傷痕 /ローリー・アンドリューズ

2010-04-15 17:30:01 | '10 読書
先日、『ベルリン・コンスピラシー』を読み終わってしまって、何も手元に本が無くて、2・3日我慢していたんですが、活字中毒に襲われてしまいました。
で、本屋に行ったのですが、新作の棚に興味を惹かれる作品が無くて、でも、何か読みたくて仕方がなくて、「何か何か」と探していて、「以前に読んだシリーズ作品の2作目読んでなかったのがあったよな」と思いつき、『遺伝子捜査官アレックス 復讐の傷痕』を見つけたので読みました。


遺伝子捜査官アレックス/復讐の傷痕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ローリー・アンドリューズ
早川書房


このアイテムの詳細を見る




あらすじは、

自国以外で、エネルギー資源を手に入れたい米国や先進諸国は、ベトナムに目を付けていた。そんな中、シェーン米副大統領は米国の優位を保たせるために、ベトナム政府へ、ベトナム戦争からの帰還兵が持ち帰り、政府が没収・管理していたベトナム人の頭蓋骨の返還を進言し、コッター大統領も快諾し、式典を行うことを決める。AFIP(米軍病理学研究所)に勤める遺伝子学者アレックスは、AFIPが保管・管理していたという、いくつものベトナム人の頭蓋骨を見せられ、慄然とする。それらの頭蓋骨には、死者を敬う気持ちは無く、派手にペイント・落書きされ、いくつも穴を開け、ロウソク立てや灰皿代わりに使われた痕跡が、そのまま残されていたからだ。AFIP所長ワイアットから「それらの頭蓋骨の洗浄は可能か?」と尋ねられるが、「骨は、多孔性なので色が染み込み、落すのはムリです」と答えると、有無を言わせず「そのままでは、返還できない。色は分かった。しかし、それ以外の汚れは落とし、骨をキレイにしろ」と命令されてしまう。仕方なく、頭蓋骨の洗浄作業を行っていたアレックスは、剥がし落した溶けたロウソクの塊の中から、一片の紙を見つける。その紙片には、ベトナム戦時下の米国軍兵士が、民間人を虐殺したことが書かれていたのだ。ワイアットに報告したが、「君は、この件に関し、これ以上何もするな」と強く言われてしまうのだが、アレックスは「何も言わない頭蓋骨たちの身元について、何か分かるかもしれないと」と、紙片に書かれていた事件を調べ始めたのだが・・・




感想は、

前作は読んでいましたが、それほど2作目を読みたいという気持ちは無い中、手にとって読み始めたわけですが、期待していなかったせいだけではなく、2作目の方が、断然面白かったです。
ストーリーもアレックスの追う事件と、AFIPが、たまたま担当した事件が絡まり、かなり劇的で大きな事件へと発展する。ベトナム人の頭蓋骨(通称:トロフィー・スカル)に関しても、米国兵が、殺害したベトナム人の耳を削ぎ、戦利品として持っていた話は、映画などで見て知っていましたが、頭蓋骨に関してまでとは、自分も初めて知ったので、驚きました。
やっと本国に戻れるというのに、戦利品と思ってなのか、「持ち帰るなよ」って感じですよね。
「さすがに、米国も没収はしていたんだ」とも思いましたが、「未だに、隠し持っているヤツもいそうだ」と思うのは、自分だけですかね。

今作は、テーマが深く、全体的に読ませる文章だと思いました。
米国だけではなく、ベトナムに対しての描写も深く、作者の訴えたいことは、実はココなのかもと考えさせられました。
フィクションですが、米国政府への問題提起もされた作品になっていました。

あとがきに、「シリーズ、3作目も書き上げている」と書かれていたので、今作読んだら、次回作も楽しみになりました。




シリーズ一作目
遺伝子捜査官アレックス/殺意の連鎖 (ハワカワ・ミステリ文庫)

ローリー・アンドリューズ
早川書房


このアイテムの詳細を見る



blogram投票ボタン  ←よろしかったら、ポチッと!!


↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い

ベルリン・コンスピラシー/マイケル・バー=ゾウハー

2010-03-31 22:24:00 | '10 読書
ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)

マイケル バー=ゾウハー
早川書房


このアイテムの詳細を見る



あらすじは、

ドアを叩く音とドイツ語の怒鳴り声で、目を覚ました米の実業家ルドルフ・プレイヴァマンは、部屋の中を眺め、見覚えのないことに戸惑っていた。まして、ドイツ語で怒鳴る「あけろ!警察だ!」の言葉。プレイヴァマンの感情は、過去へと戻されていた。十六の当時、住んでいたアパートに、やはり警察がなだれ込んできて、両親と妹を連れ去っていった。屋根裏に隠れ、難を逃れたプレイヴァマンだったが、明くる日、再び、警察とゲシュタポが訪れ、捕らえられてしまった。呪うべき忌まわしい記憶。そんな記憶が甦りながらも、部屋のなかを見回すが、見たこともない調度品の置かれた部屋。バルコニーに出て外を眺めると、信じられない光景が、ブランデンブルク門が見えるのだ。二度と踏むことはあるまいと誓ったドイツ・ベルリンにいるというのか?確かに、ロンドンのホテルに泊まっていたはずなのに、なぜ?わけもわからず、室内にもどり、ドアを開けたプレイヴァマンは、また衝撃の言葉を聞くこととなる。「あなたは、62年前のSS将校5名殺害の罪で起訴されており、逮捕されます」と言うのだ。拘留され「私は、ロンドンにいたのだ。私は、何者かに、拉致されたんだ」と主張するのだが、「そんな事実も証拠も、何も発見されない」と警察は言う。失意の中、疎遠になっていた息子ギデオンが面会に来た。「逮捕されたと聞き、駆けつけた」という息子に、「私がロンドンにいたという証拠を探してくれ」と頼むだった。父親の言葉を信じ、ロンドンに発ち、事件を調べるギデオンが掴んだ国家的陰謀とは・・・


感想は、

はじめて読む作家さんです(毎度のことながら)
文庫本の帯には、「スパイ小説の巨匠、復活!」と書かれていました。その道では、有名な作家さんなのかも知れませんね。15年ぶりの新作らしいです。
スパイ小説と言えば、スパイ小説かもしれませんが、主人公のルドルフ・プレイヴァマンの手足となり動く、息子ギデオンは、スパイではありません。
国家的陰謀が、背景に描かれていますが、一般人の知らないところで、こんな理由で企てが実際に行われているとしたら、怖いですね。
この作品は、スパイ小説とかしこまらず、楽しく読める作品でした。

作者自身、ブルガリア生まれの、ナチの迫害を逃れイスラエルで育ったユダヤ人なのだそうです。
過去の作品も、ナチス・ドイツを描いた作品が多くあり、「ナチもの」以外でも、CIAやKGBを題材にした作品なども執筆しているのだそうです。

エニグマ奇襲指令 (ハヤカワ文庫 NV 234)
マイケル・バー・ゾウハー
早川書房


このアイテムの詳細を見る


パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫NV)
マイケル バー=ゾウハー
早川書房


このアイテムの詳細を見る



blogram投票ボタン  ←よろしかったら、ポチッと!!

↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い

魔術はささやく / 宮部みゆき

2010-03-20 20:00:03 | '10 読書
魔術はささやく (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社


このアイテムの詳細を見る



宮部みゆき好きの知り合いから、また1冊借りて読みました。


あらすじは、

新聞に一人の20代女性の飛び降り自殺事件が載っていた。その事件を忘れた頃に、新たに、列車に飛び込み自殺した20代女性の事件が載っていた。その新聞を家で、食い入るように眺める20代女性、また別の場所では、それらの記事をスクラップする謎の人物がいた。そして、また新たに、交通事故で、一人の女性が亡くなった。その事故で、加害者となる車を運転していたのは、日下 守の伯父だった。伯父は、長く個人タクシーの運転手をしており、安全運転・無事故・無違反を信条とする人なのだが、警察は伯父を逮捕した。それは、被害者が死ぬ間際に言った「ひどい、ひどい、あんまりだわ」という言葉から、伯父の過失による事故と判断されたためだった。伯父は、「信号は青で、被害者が突然、もの凄い勢いで飛び出してきて、避けようがなかった」と主張するが、深夜だったこともあり、目撃者もなく、伯父は警察に拘留されたままだった。守は、伯父の無罪を立証するため、事件について調べ始めたのだが、被害者を調べていくうちに、守自身が大きな謎に、引き込まれていく・・・



「う~~~ん」と唸らずにはいられないほどの、面白さでした。
守の周りの登場人物たちが、それぞれに面白い人物たちで、守の日常(?)で発生する事件と、伯父さんの無実を追う行動が、微妙にリンクされていて、「こうなるだろう」とか、「これが原因なんだ」と思っても、ことごとく、いい意味で裏切られて、最後の最後まで、どうなるのかは、わかりませんでした。
めでたしめでたしと思いきや、「えぇ~~!!今までが伏線!?」って感じで、本当に読まされる1冊でした。
ただ、単に事件の真相を追うだけでなく、宮部作品の特有(って、何冊も読んでいませんが)の人間の弱さや醜さ、狡さに素直さといった、人間の本質そのものを問う、いろいろな面がリアルに厳しく描かれていて、最後の選択についても、○と取るか、×と取るか、難しい問題提起がされているように思います。

人間の本質を嫌というほど描いているのですが、やっぱり宮部作品というか、読了感はとても良かったです。


blogram投票ボタン  ←よろしかったら、ポチッと!!

↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い