LogicalInSpace

将棋の日記

余韻と水面下

2009-11-13 13:58:21 | タイトル戦&予選情報
竜王戦の第3局が終わり、渡辺竜王の3連勝となりました。
渡辺竜王ファンとしては、嬉しい結果です。


少し図面を見ながら、私がポイントと思われる局面を振り返ります。
※細かい手順などは、専門誌をご覧ください。
※あくまでも、私が気になったポイントです。

先手有利ではないか? と思われている戦法がこの角換わり腰掛け銀同型です。
理由は、後手の玉が薄くなり勝ちにくいと考えると推測されます。
しかし、後手しか採用しない棋士も数名いることも事実です。
その中の棋士の1人が渡辺竜王です。

===== 週刊将棋 2009/11/18号 =====
<<< 2009/11/15 PM1:30 追記 >>>
立会人の谷川九段(角換わりのスペシャリスト)のコメント
相当強くて深く研究している人でないと後手を持って指せない戦型。
先手が無理な攻めをしても受け方を知らないと攻めつぶされてしますますから
と解説しました。
===== 週刊将棋 2009/11/18号 =====

では、後手が勝つには、どうのように考えて勝つのか?
それが気になる戦法なのです。

勝つためには、駒が有効な位置(利き筋)になければ勝てません。
そこで、78手目の△2五角が攻防に利いていることに注目しました。
※私は頭でイメージしているだけなので、局面を盤に並べてはいません。


私は後手玉が、1手、2手では詰まない感じだと思います。
つまり2手スキ以上だと思います。
後手がその間に手を先手玉に迫る手順があれば、良い訳です。

投了図は、△6九角成でした。
そういう意味では、△2五角が攻防に利いている重要な働きをしていると思いました。

アマチュアとして、この△2五角を覚えていて、損がない手だと思います。



各ブログの記事をみると、この局面が多く取り上げられていました。
それだけ、竜王戦の余韻を感じる将棋だと思います。


終盤の△7九に持ち駒を放つ意味では、ある将棋を思い出します。

第19期竜王戦の第3局の渡辺竜王vs佐藤棋聖の将棋を思い出します。
渡辺竜王ファンで、この将棋を知らない方はいないと思います。


ところで、96手目の△7九銀は、控え室の棋士が見えなかったということで、絶妙手と見られている手です。
あの光速の寄せの谷川九段にも見えなかったということで、すごい絶妙手と見られています。

少し冷めているかもしれませんが、この将棋は水面下の変化の将棋のような気がしています。
通常の将棋では、このような絶妙手が表れないように指すので、めったに表れません。
プロ棋士だからなのか、トップ棋士だからなのかは、分かりませんが普通は別の変化になるように指すと思います。

控え室の棋士が△7九銀が見えていなかったというのは、違うと思います。
△7九銀は見えていても、間に合わないと何か直感でくる物があったでは、ないかと推測しています。
推測ですが1回は△7九銀は、先手の持ち駒になるので、持ち駒になった場合には、後手の玉の危険度が増すので、打ちにくいと推測されます。

個人的には、△7九銀が後手の玉が詰まない状態で、先手の玉が詰む状態になっている、この速度計算がとても素晴らしいと思いました。
しかし、やはり水面下の変化が現実の将棋になったと感じました。

今後の竜王戦の行方が楽しみです。


===== 2009/11/14 PM1:00 追記 =====






93手目の▲3三角から100手目の△8八歩までの実践譜は次の通りです。
▲3三角、△3九飛、▲8八玉、△7九銀、▲9八玉、△6八銀成、▲同銀、△8八歩

あくまでも推測です。
私でも実践で指す場合は、▲3三角⇒△8八歩までは1つの線で見ると思います。
当然、他の有力手もあるのかを考えながら指すと思います。
△8八歩の局面では、先手は金・銀・歩なので、何か手がある感じがあると思います。(△7九銀が先手の持ち駒になっている)
また、先手は囲いを完成しているので、後手からは厳しい手はないと思いますよね!

しかし、△8八歩の局面は後手の玉は詰まない、先手の玉にはとても厳しい手になっています。
プロ棋士が△7九銀が見えてないということはないと思います。
プロ棋士でも速度計算が間違える何かがあったと考える方が妥当だと思います。

あくまでも、推測ですけど・・・。
=================================

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
指しにくい手も読む (宮ちゃん)
2009-11-14 10:20:24
なるほどです。
速度計算の素晴らしさと、序盤の研究において
今までの常識では指しにくいと思われていた手も、踏み込んで研究しているなど、今の渡辺竜王は、天賦の才に日々の努力が相まって、超一流棋士になったと実感させられます。
これからの更なる活躍に期待です。
返信する
Re:指しにくい手も読む (LogicalInSpace)
2009-11-14 12:58:44
★宮ちゃん、こんにちは!

速度計算は素晴らしいと思いました。
図面を追記しましたが、あくまでも推測ですが、プロ棋士でも何かを勘違いする局面なのかもしれません。
でも、渡辺竜王の緩みない指し手は、超一流棋士だと思います。
返信する

コメントを投稿