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杉本博司 展覧会

2009年04月16日 | masudaizumi.com
今日は、写真家の杉本博司さんの展覧会に、中之島にある国立国際美術館までいってきました。

感動、感動、感動です。

咲甫さんから推薦された本を3冊を読んで、すっかりファンになった杉本博司さんでしたが、作品の大きさにまずはびっくり。

この方の収集の幅広さも、実際本で読むのと、展示されているものを見るのでは、大違い。


それに、化石から始まり、仏像、正倉院で使われていた布、解体新書、寺院の骨組みとなった材木、タイムの表紙、宇宙に関する隕石、さらに能のお面まで、、それらと平行して、夢にまでみた一連のシリーズ「SEA SCAPE」「放電図」などがありました。


私がこのかたのファンになったのは、日本だけでなく、太古のアートから自分をはめ込んでいるところ。

すごく古い掛け軸に、月の写真をあわせたり、華厳の滝の水を写す作品を貼ったことで、古典と現代と自然と、水が融合して、自分の思いの中で溶けていく。。。

あ~~~~~~~~~~すごい。

広い広い展示館内を歩いていくと、、、これだ、、、、、、

ずっと見たかった海景。

真っ暗な広い部屋に、浮き出されている、いくつもの海の風景。


みな同じ構図、船もなく、鳥もなく、波さえも静かで、じっとみているだけで、自分自身の気持ちが還ってくる。


抽象的であることが、いかに作品を膨らませていたか、おこがましいですが、私の歌で、英語の詩で作った作品やボカリーズの歌に通じるものだと感じました。


さらにこれだけではございません。

一番感動したのは、グゲンハイム美術館など、建物をわざとぼやかして写したシリーズ。

それまで、私は暗闇と光を、すぐにフォーカスすることができないアディー症候群の眼で、一生懸命眼に力をいれて作品をみていたの。


でも、このぼやかし作品は、いくら眼に力をいれてフォーカスしてもはっきりしてこない。

視点を合わせ、その場の本当の明るさを知るのに、3分は軽くかかる私の眼が、この作品では、完全に麻痺してしまった。


眼が、ではなくて、脳だった。


見ているうちに、どんどん、頭がボーっとして、催眠術にかかってしまうの。

夢のなかにいるみたいな。

そして、その作品をバックに、自分が入っていってしまう。
すごく美しい、強いデザインだけが朽ちることなく、脳裏に残像としてのこっていく。


こんなこと考えるなんて、すごい。


ほんとに、すごいアーティストです。

杉本さん、あっぱれです。







それにしても、館内のビデオ上映で、実際に作品について話している、そのお姿は、見た目は、なんと普通の人なんでしょう。

こんなにすごいことやってるのに。

かっこい~~~~~~!