おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

別離の寂しさ

2010年03月18日 09時11分16秒 | 日記

昨日、学園の退任式を済ませほっと息を吐いているところ。

 式には卒業生(卒後20年の)が駆けつけてくれた。クラブの生徒と初めてクラス担任をした生徒達、もうりっぱな社会人だ。そして、看護専攻科の今年卒業したSと友人含め3人、すべて終わった時間に幼稚園を訪ねてくれた。彼女達はもう21歳、1年遅れて今春巣立っていった(5年一貫の看護師養成教育)。高校時代、一生忘れない事件に巻き込まれて、学校の責任者として対応に頭を抱えた。学外から3人のうちの一人の生徒Sを名指ししてこの生徒を退学させなければ「醜聞」(学校内外での非行の事実?)を公にするというもの。それをマスコミ、教育委員会に訴えるというもの。はじめはがきだったものが次第にエスカレートして封書になり、内容も過激さを増していった。ついには退学の時間指定までしていうことを聞かなければSを殺すとまで脅かした。もちろん警察にも相談した。醜聞は事実とは異なりどうも脅迫者(高校生らしい)の個人的な怨恨に端を発していると思われた。しかし、脅しは県知事に、そして文部科学大臣のもとまで届いた。警察での捜査の結果、醜聞は捏造で私的なうらみつらみが脅迫に至ったと判断。Sの名誉毀損は学校の名誉毀損でもあるので、事情を説明するために県知事にも会見したし、文部科学大臣の初等中等教育関係のお役人にも東京で事情を説明した。結局、犯人は県立高校に女子生徒で、自分が好きだった男性が別れた後、Sと付き合いだしたのに嫉妬、その感情が沸騰してこの脅迫行為に至ったのだが、警察が犯人を割り出して接触していくと、精神状態が正常でなくなり追い詰めると自殺の恐れがあるという。当該校からも校長教頭など来校されたが、謝罪は納得いくものではなかったし、この件で対策会議、職員会議ほかで学校は半年以上も悩まされた。まさに「威力業務妨害」に当たるものと判断していたのだが、結局脅迫状を送りつけていた犯人が未成年、精神を病んでいることなどで、本人の謝罪はついに一切ないまま。これでは脅迫状は来ることがなくなったものの、けじめがつかないので警察に話をして、保護責任のある者(母親)の謝罪を求めそれは実現した。

このSが1年遅れて卒業していった。お礼の花束を持って、これからの抱負を目を輝かせながら語ってくれた。

 夜は、卒業生その家族を含めて遅くまで酒を酌み交わした。帰ったのは日付が変わっていた。

 明日、幼稚園の終業式と退任式。在園児とは明日がお別れだ。すでに保護者向けに退任の挨拶状を配布しているので子ども達も別れを知っている。「いやだ、やめないで」と訴える子、諦めて「私のこと忘れないでね」何度も何度も念を押す子。可愛いこの子達とも明日お別れだ。そして最後の仕事であるが卒園式が明後日。 泣き虫の私も昨日は職員室でも体育館でも泣かなかった。私的な感情を言葉にして表出しなかったので、初めて学校にやってきた妻は拍子抜けしたみたいだった。しかし、男先生たちが終わって、幼稚園にやってきて「先生にはたいへんお世話になりました」、「校長先生に対して反抗ばかりして済みませんでした」と頭を下げた硬派の体育の先生の言葉でそれまで顔を見せることがなかった涙が急にあふれ出た。「職員室で挨拶した時にも生徒に話した時にも涙を出さなかったのに、先生達はいかんよ、不意に泣かせるなんて!」顔をぐしゃぐしゃにしながら握手して別れた。

さて、明日、明後日はどうなるかな・・・・



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