おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

村の「古文書講座」再興

2016年04月11日 15時51分08秒 | 日記

今朝は住んでいる村内で、潰れていた「古文書講座」を数少ない仲間と再構築し、今年度初回の集まりを開いた。

みな経験者で、初見でも幾らかは読める。

今日は『阿部茶事談』という江戸初期のテキストを読んだ。森鷗外の『阿部一族』のベースになった古文書だ。

昨年は隣町の 古文書講座に通っていたのだが行政の実施規則変更と突然町外者は施設・研究会など締め出されてしまった。

この時、私が行政に最後に行った言葉だけを載せると「学問に『壁』を作っちゃだめだ。行政の役割は学問を広めること、伝えること」が使命のはずだ。言うだけのことは言ったのでもうその町には行かない。

「阿部茶事談」フィクションとはいえ面白いと思う。

肥後藩初代の細川忠利が亡くなって、その時主君にしたがって、「恩」を受けていた特に重臣の部下たちが殉死していった事件。

阿部一族はその後、藩とのトラブルで武力衝突を起こし、とうとう一族が全滅させられていく。悲劇だ。

史実との相違点は抑えつつも歴史的事実だけでも実に興味深い。

現代で仕えた主君に命を捧げるほど忠義の精神を持てるだろうかと思うと「なんだかなあ・・・」

二週間に1回の講座、しっかり予習して古文書を楽しもうと思っている。

読書録。

宇佐江真理『たば風』。好きな時代小説作家の一人宇佐江氏がなぜ「松前=北海道」かと不思議に思っていたら、彼女は北海道函館が出身地だった。いつもとは旗色の違う作品だがそれなりに面白かった。

佐伯泰英『枕絵』これはNHK時代ドラマでやった「吉原裏同心」の話だった。「姉様!」「神守様!」ってまだ耳覚えがある。

戸部新十郎『秘剣龍牙』アンソロジーだが、中に細川忠利のことが出てくるので「はーん」そういう人でもあったのか・・・と感心した。

忠利は「兵法数寄」でも知られる大名だったらしい。自身が柳生宗矩の門下に入っていて印可を受けている。だから宮本武蔵を肥後に招聘したのだ。

池波正太郎『浮沈』は最近では一番面白く読んだ。剣客の秋山小兵衛の老いてなお剣の強さといったら・・・

ファンでもある山本一力の「辰巳八景」、この中にほのぼのとした恋物語があって泣かされた。「やぐら下の夕照」という短編はいい。

中津文彦の『秘刀』はこれも北海道に関わる話。蝦夷に伝わる秘刀=「舞草刀」の秘密をさぐるアクションサスペンス。

年相応の読書家になったようだ。

 

 

 

 



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