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おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

乃南アサと辺見庸と絲山秋子を読んだ

2011年10月29日 07時13分58秒 | 日記
今日は寒くはないが、曇っていて一日天気が良くないようだ。

晴耕雨読。

外に出られない日には、読書に限る。「読書の秋」って誰が言い出したのだろう?いつだって本は読めるのに・・・

昨日は絲山秋子の「袋小路の男」(講談社)と辺見庸の「永遠の不服従のために」(講談社部文庫)、乃南アサの「火のみち」(同)を読了。

絲山の「袋小路のー」は川端康成文学賞を受賞したという作品だが、「袋小路のー」他小編3作は前回読んだ「海の仙人」のどこかホンワカする気持ちは味わえなかった。

3作中では受賞した「袋小路の男」がおもしろかった。設定が奇抜で、こういう「愛」が珍妙或いは異常と言えないような時代になっているのだろう。最近TVで白昼堂々と「セックスレス夫婦や恋人関係」とか特集しているし、NHKの「朝いち」で特集で放送した時にはすぐチャンネルを切り替えたが・・・

「小田切孝の言い分」は付け足しで「アーリオ オーリオ」は駄作と思う。

あのファンタジー(海の仙人)でこの人のファンになって、どーんと打ち込もうとしていただけにがっかり

乃南アサの「火のみち」(上・下)は長編だが、おもしろかった。若い頃殺人を犯して10年服役していた主人公が刑務所で出合った陶芸の道に進んでいく物語だ。

後半には偶々デパートの特別催しで見た中国の古陶磁に魂を抜き取られたようになって、その青磁・「汝窯」にこれまでの自分の作風を捨て、「再現」に夢中になっていくというもの。

読みながら、苦労の果てに絶対不可能と思われた「汝窯」の青磁を再現して終わるのか・・・と期待したが、乃南はリアリティーを貫いた。私なら前半、陶芸の世界で師匠の庇護の下、作品展で認められるところまでで、ディ・エンドとするのだが、そうなると陳腐になるのかもしれない。

辺見はこれまでにも何作も読んできたが流石芥川賞を受賞しただけはあると思うし、その感受性と思考、そして決して妥協を自分に許さない厳しい生き方と深い表現力、好きな作家というよりも尊敬できる「男」だ。

今日は畑仕事ができないだろう

読み始めた再読の藤原の「ひまわりの祝祭」と何を選ぼうかな?読む本を選ぶ時って一つの至福だよな・・・