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Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

【小紋の別誂え(フルオーダー)第3弾】《図案編》

2013-03-01 23:04:25 | 着物
先日水色の小紋の別誂えが終わって、現在仕立てに回しているところですが、
早速次の小紋をお願いする事になりました

今回の小紋は5月にある端午の節句の前後に着たいなぁと思っているもので、柄も
それにちなんだものを選んだため、まったく新しく図案を描いて頂くことになり
ました。新しく図案を作って頂くのは共同作業のようなもので、先方がご提案
下さった図案に対して、私が色々と注文を付けていく形になります。

端午の節句ということで、直接的なイメージで言えば、兜や鯉幟や菖蒲を思い
浮かべると思うのですが、私は直接的なモチーフを使うことはあまり好まない
ため、連想ゲーム的に考えられるものを選ぶ場合が多いです。

ということで、今回お願いした図案は「薬玉」文様です。薬玉は平安時代から
存在するもので、数々の香料や薬を玉にして錦の袋に入れて、糸や花で美しく
飾ったものです。厄祓いや長寿を願い、端午の節句に飾られました。

「源氏物語」の中でも、花散里の君が端午の節句に素晴らしく美しい薬玉を
源氏の君から贈られるというシーンがあります

そう考えると端午の節句にはふさわしいモチーフですし、それ以外の時期でも
薬玉文様は華やかで可愛らしく、いつでも着ることができます


こちらが最初にご提案頂いた図案です。ちょっとデフォルメが強いのと、お花の
種類ごとに薬玉が別れているので、デフォルメを弱くした上で、色々な花や葉を
取り混ぜて、少し大きめの華やかなものをリクエストしました


そして出来上がったのがこちらです。お花の部分はとても素敵になりましたが、
下にある羽根飾りがあまり好みでなく、飾り紐にして頂くことになりました。


最終的に出来上がった図案は、こちらの吊り薬玉文様。飾り紐にもっと動きを
付けることも出来たのですが、そうすると1つの図案が大きくなりすぎてしまう
ことと、他にも柄を入れるので煩くなってしまいそうで、こちらの上から垂れる
紐にしよう、ということになりました。

何度もわがままを言って作り直して頂いた図案ですが、おかげさまで思い通りの
ものが出来たと思います

今回は総柄に近い小紋にする予定なので、このほかにいくつかのモチーフを
組み合わせて頂くことになりました。平安時代をイメージしたものなので、合い
そうなモチーフを選んだつもりです

それらを組み合わせて、次は送り図案(染めのパターン)が届きます。