7月の終わりから8月にかけて、時間があれば西鉄電車の夏景を撮影するのがここ10数年の習慣になっている。田園風景が広がる端間ー味坂間は定番の撮影スポットながら、新しい道路や橋の建設が進み景色は激変中。例年、麦の収穫が終わって田植えが行われる6月後半から7月初めにかけて、一帯は水鏡景が出現する。
今年は7月10日前後の豪雨被害の影響で苗が流されるなどで、7月下旬に出かけた際でも水鏡が随所に見られて複雑な気持ちになった。排水口付近には土砂や麦藁が堆積したままだったからだ。
撮影した日は青空が綺麗に広がり、ここ数年で一番綺麗な水鏡景を撮影することができた。例年であれば稲が緑に生い茂る頃、農家の方々のご苦労を感じながらも、夏らしい一枚を撮ることができて感謝しかない。これも豪雨被害の年の記録写真と思ってシャッターを切った。
撮影したのは端間ー味坂間の踏切で1時間ほど。これまではトラクターや軽トラなど農業関係者しか通らなかった農業用道路を新設道路工事の大型車両が頻繁に通過し、風情も一変していた。来年は西鉄天神大牟田線も開業100周年、この区間も最初に開業した区間だ。
踏切のある場所付近から線路は少しだけカーブしているが、元々は真っ直ぐだったそうだ。旧橋の下流に現在の宝満川橋梁を架橋して新線が開通した際に小さなカーブとなったとか。こんなところにも鉄道の歴史が詰まっている。
橋梁の架け替え前後の写真はにしてつWEBミュージアム「画像ライブラリー」の「宝満川橋梁架替と味坂駅(1968年)」で観ることができる。
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・にしてつWebミュージアム(企画構成を担当)